地方エンジニアが感じる地方・中小企業での悩み

新人研修担当になって思うこと

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 色々あって今現在は在宅勤務として、新人教育を行っています。これまでのキャリアの中でも研修担当になったことはあるのですが、10 年以上前の話と言うこともあり非常に四苦八苦しながら内容を考えている毎日です。流石にもう自分が教わった時とは大きく時代も変わっていますので、一から考え直さないといけない状況です。

 自分の場合は、今ほど覚えなくてはいけない量は多くなくシステムの規模も非常に小さいものが殆どでしたので、教えなくてはいけない量もそこまではありませんでした。10 年以上前においても、今ほどは多くのことを知らないといけないことはなく、その時に勤めていた会社がクライアントサーバー型をメインにしたシステム構築というのもあり、まだまだ何とかなっていた気がしています。

 ところが今では非常に多くのことを学ぶ必要があります。先のクライアントサーバー型なシステムも、数は減っていますが知識として必要な場面がまだまだあります。Web と連携するシステムも今では当たり前のように存在していますし、Web システムを構築するのも案件として非常に多いです。限られた時間でできるだけ効果ある研修を行いたいと考えると、非常に内容を考えるのが難しくなってきています。

 自分たちの業務に直接関りがある内容はもちろん必要ですし、エンジニアとして活動していくために必要な内容もあります。今後の流れを考えると、プログラム書いて開発するエンジニアであってもある程度はインフラにまつわる部分の知識が必要です。クラウドが一般的になり、以前ほど知識がなくとも同様のことができるようになったとはいえ、そもそもどのようにして動作しているかを知ることは非常に重要です。

 このように悩みながらも研修を行っていると、私自身が最初にプログラムを勉強した時のことを思い出します。私の場合は子供のころにパソコンを触れたのが最初の一歩で、手軽に利用できる主だった言語が BASIC くらいで雑誌片手に云々という、ある一定以上の年代の方であれば、あーあの世代ね、と思いつく時代でした。当時と今を比較すると、知った方が良いことは少なくても自分から試行錯誤を繰り返して学習していく方法しかなく、学習する効率を考えるとお世辞にもよくない方法しかありませんでした。

 反面、楽しみを感じている間は時間も気にせずに没頭していましたので、集中して取り組むことに関しては今と同様だったと思います。そこを考えると、今回のような研修でもどれだけ楽しさを感じてもらえるか、そこを意識した内容にすることが非常に重要だとも感じています。最初に楽しさを感じ取れる、興味を持ってもらえるとそこから先においても、自ずから調べたり試したりとするようになると考えています。あくまでも自分の体験からそう思うだけですので、全員に通じるかどうかはわかりません。ですが、楽しくない事に多くの時間を費やそうとは思わないでしょうし、長く続けようとも思わないのではないでしょうか。

 そのように考えると、新人研修というのは非常に大きな役割を担っているとも思えます。業務に必要なことを教えることも重要かもしれませんが、それ以前にエンジニアとして続けていけるような土台を作ることができるか、今後数十年に続く新人たちの行く末を決める要素の一つが、この新人研修なのかも知れません。

 自分の過去の経験を振り返ると、研修に関わらず色々な場面で多くの人から教えてもらったり、参考にさせてもらうことがありました。今回研修を担当している自分が、新人たちにとってそのような相手の一人となれるようであれば、こちらとしてもうれしい限りです。そして、楽しさを見つけてこの仕事を続けてもらえれば言うことはありません。

 今から数年過ぎた後に振り返って、あの研修はよかった、今につながったと言われるような経験をしてもらえるよう、こちらも頑張っていきたいと思う次第です。

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