仕事時間中が一番勉強する時間
エンジニアとして働いている以上、常に新しい技術と向き合っていかなくてはならない、というのが私のスタンスです。いい年齢になってしまった今においてもそれは変わらず、できるだけ色々な技術に触れることが必要と考えています。ここ最近問題とされているのが、仕事外の時間をたくさん消費してでも勉強する必要があるか、というところですが今回はこの点について、個人的な考えを書いていきたいと思います。
前提として、エンジニアならば勉強が必要、というのはどうしてもあると思います。それは単純に、そうしなければユーザーに提供する物の質が向上しなくなるからです。そこに疑問を挟む余地はないと思います。同じことを対応するにしても、昔の方法と今の方法とでは大きく効率が変わります。意図的に旧来の方法を採用する必要は少なく、できるだけ新しい側の方法を用いることが、利用者にとってはベターです。
利用者側の事を考えて、利用する技術の選定を行う必要があるのですが、ここで名前だけ聞いているような技術を選択する事には、非常に高いリスクが発生しますのでまずそのような暴挙には出る事はありません。最低でも簡単なコードを触っている、簡単な環境を構築している、など感触をつかめている事が、選択対象となるための条件だとも思います。
問題とされるのは、その位置までたどり着くにはどの程度の時間が必要か、そしてそのために自分の生活のどこを充てるのか、という点に集約されます。よく記事などで見かけるのは、業務外の時間を充てるのが当然、という意見ですが、私はできるだけそれは避けなくてはならない、と考える側です。業務にも関連のある内容ですので、業務時間から若干でよいので、何かしらの学習にあてるのが望ましいと考えています。これは例えば 8 時間といった、一定時間社内や作業場で勤務しなくてはいけない形式である状況に限りますが、1 時間とか 30 分、10 分でもいいので業務時間内に行うのが筋でもあり、効果的でもあると思います。
業務時間内が効果的と考えるのは、そこで何かしらのヒントを得た場合、すぐに周りの人に意見を聞くことができるからです。フリーランスな方や、在宅で勤務されている方の場合はまた異なりますが、まだまだ多くの方はそのような環境ではないと思いますので、周囲に誰か彼かはいると思います。そこで調べたことや試してみたことを話すことが、その技術を更に追うべきかどうかの判断にも使えます。ここで少しでも良い反応が見えれば、また時間を費やして調べてみればよいでしょうし、あまり良い反応が感じられないのであれば、見切りをつけて違うものを調べることができます。勿論、周囲の反応関係なく、自分が気に入った技術を追うという方法も悪くはありません。私はこのタイプですが、気が付くとほとんど誰も触っていない技術を追いかけています。それはそれで色々と大変ですが、悪いことでもありません。
このような事もあり、業務時間内に勉強行為を行うのが良いと私は考えます。業務外の時間を利用するべきかどうか、という点については反対の立場です。調べ物のキリが悪い状態だったので、などの理由があるのでしたら業務外の時間をあてるというのもやぶさかではないのですが、反対に業務中に全く行わず業務外で調べ物をしてしまおうというのは非常に勿体のないことだと思います。業務外の時間は、エンジニアとしてではなく一人の個人として充実させることが、結果としてエンジニアとしての充実にも繋がるものだと思います。
エンジニアだからと言って、業務の事だけやっていればいいというものでもありません。日常生活の上に業務を遂行する時間があるのですから、基本となる日常生活をおろそかにしてしまうことは、エンジニアとしての自分もおろそかにしてしまうことになるのではないでしょうか。
多すぎる業務量からくる残業時間など、なかなかまっとうに過ごすことが難しい状況におかれている方が多い事も十分承知しています。そのような状況でも、勉強や調べ物に時間を費やすことができる方は、それだけでも素晴らしい方だと思います。だからと言って、そのような方を良しとするのは、やはりどこか間違ったことだと思うのです。
一部の凄い方を手本とするのは、良い面ばかりでもなく悪い面もあると思います。少なくとも自分の生活があってこそ、働くことができるというのを大切にすることで、どの時間を調べ物などにあてるべきか、というのも見えてくるのではないでしょうか。
どのような方法で、どこの時間をあてて勉強するかというのは、一つのベストな方法があるわけではありません。その人その人によって適した方法が異なる、と言ってもよいかもしれません。ただ間違いないと思うことは、自分の時間を多く削ってやることではない、というところなのだと私は思います。
コメント
夢夢
俺も「勉強」ならばする必要はないと思う。
本来はIT企業の経営者が品質を上げるために仕事を勉強にする手段を行うべきなのだ。
従業員任せの現状のどこがマネージメントなのだろうか?
経営者が本来の仕事をしていない。
モチベーション管理などもマネージメントの一環である。
それはそうと、学習はするべきだというよりも、学習が苦痛な人は技術者になるべきではないと俺は思う。
俺は食事と同じ感覚で学習をする。
学習をしないと生きていけない。
貴重な自分の時間だからこそ学習をしたい。
もっと知識が欲しい。理由なんていらない。
知りたいから学習する。
そんな人間が技術者になるんだと思う。
これは良し悪しではなく、技術者はそういう生態の生き物である。
Ahfさんもそのように見受けられる。
人間は適材適所なのである。
fuga
前回よりはマシだけど
まだまだ無駄が多くて読みづらい文章だなw
> よく記事などで見かけるのは、業務外の時間を充てるのが当然、という意見ですが、
最近は社畜やブラック企業への風当たりが強いのに
いまだにこんなバカな意見が多いとは┐(´∇`)┌
興味もないのに仕事だから自分の時間を削るなんて
いうのは頭空っぽの証拠
まあ、そういう低能の方が扱いやすいんだけどw
たーじん
論点が違っているような気がする。
「業務中に業務で必要なことを調べる」事と「仕事外の時間をたくさん消費してでも勉強する」事を一緒にして書いているみたいですが、二つの目的が違うことが多いはずです。
「業務中に業務で必要なことを調べる」は業務を回すために必要な行為であり、「仕事外の時間をたくさん消費してでも勉強する」は資格やスキルアップといった自己啓発になるはずです。(仕事を持ち帰っている方も多くいらっしゃいますが、それは明確な「問題」となるはずです。)
勉強行為でもこの2つの意味は大きく違うはずなので、その切り分けが出来ていないような気がします。
Jitta
「エンジニアだから」ってのは、ないのでは?
料理の世界にも、新しいレシピというものがあります。
運動の世界でも、新しい難度や新しい技が生まれています。
掃除や運送でも、ダスキンのサービスや運送会社のエコ楽ボックスなどのように、新しい技術があります。
「エンジニアだから」ではなく、
人が、さらに便利な世の中を望んでいるから、
ではないでしょうか。まぁ、「便利」だけじゃなく、「環境負荷が少ない」とか、「低労力で」とか、いろいろ置き換えはできると思うけど。
業務に必要な知識は、業務の時間に身に着ける。
それを否定する風潮が、エンジニア業界にはあるように思います。
例えば、「レストランで練習で作った飯が出てくるか」などという言葉が聞かれることがあります。
しかし、それは間違っています。
レストランで、練習生は、業務時間内に、片付けや盛り付けの手伝いという学びの時間を持っています。
野球やサッカーも、試合の時間だけが業務時間ではありません。
表に見えないところで学びの時間があります。
プロ野球でドラフトで入団して、どれくらいの人がいきなり1軍に入ります?
しかし、エンジニアについては、最初から即戦力が求められているように思います。
業務に必要な知識は、業務として学ぶ。
業務を、さらに円滑に遂行するための知識は、自分の時間で勉強する。
そういうことじゃないですかねぇ?
Ahf
みなさんコメントありがとうございます。
ドタバタが続いており返答が遅くなり失礼しました。
>これは良し悪しではなく、技術者はそういう生態の生き物である。
(夢夢さん)
非常に同感です。自分が尊敬している方々を見ていると、
まさにこのようなタイプの方が多いと感じます。
特に意識せずに研鑽に励まれているその姿勢を、常に見習っていきたいものです。
>最近は社畜やブラック企業への風当たりが強いのに
>いまだにこんなバカな意見が多いとは┐(´∇`)┌
(fugaさん)
そうなのですよね、世の中の風潮としてブラックだなんだと言われている
はずなのですが、結構な数の記事や意見がまだまだ目につきます。
企業としての体質や、これまでの経緯などなかなか簡単ではないことなのですが
それでも、いろいろ思うところはでてきますよね。
>「業務中に業務で必要なことを調べる」は業務を回すために必要な行為であり、
>「仕事外の時間をたくさん消費してでも勉強する」は資格やスキルアップと
>いった自己啓発になるはずです。
(たーじんさん)
確かにその通りですね。今回のコラムでは「勉強」という大きなくくりで
書いてみましたが、ここは分けて考えるほうが明確になるかもと思いました。
どういった粒度で物事を考えるか、につながるのですが
話題にする際に適した粒度と、自分の中で思考する際の粒度は
別々にするのがよさそうですね。
>しかしエンジニアについては、最初から即戦力が求められているように思います。
>業務に必要な知識は、業務として学ぶ。
>業務を、さらに円滑に遂行するための知識は、自分の時間で勉強する。
>そういうことじゃないですかねぇ?
(Jittaさん)
言われるように、エンジニアは何故か即戦力を求められていると感じます。
コメント前段で書かれているように、エンジニアだから、というのは
確かにないはずなのですが、ほかの業種と比較すると
求められているハードルが高い空気を感じてしまいます。
なぜそのような状況を生み出すようになったのか、そういった点を
調べて考えてみるのも面白そうだな、と思いました。