地方エンジニアが感じる地方・中小企業での悩み

社内勉強会を開いてみた

»

 以前のエントリで社内勉強会を開く! という寸前のところまできたことを書きました。あれからいくらかの時間が過ぎ、実際に2回ほど行いました。「まずはOK!」と思えるところなのですが、実際に開催してみてはじめて体感できたことも多くありました。

●根回しは重要

 「社内」でということで、事前に関係各所にネゴを行うところから始めました。このあたりは以前のエントリにも書かせてもらいましたが、社内勉強会ではここが一番大事かも知れません。

 今回は協議の結果、

  • 社内会議室を利用。プロジェクターなどの備品も利用可能
  • 残業の考え方もあるので、まずは「勤務時間内」にて実施
  • テーマについては余裕を持って申請すること

というルールにて行うこととなりました。「勤務時間内」というのは参加者が集まらないことになりそうなものですが、意外に「勤務時間内なら参加する」(勤務時間後なら参加しない)というスタンスの方も多いことが分かりました。

●ネタのチョイスが非常に難しい

 「できるだけ興味を持ってもらう」ことが第1と考えていますので、ネタのチョイスはかなり気を使いました。社内で行うことというのが条件に関連してきますので、あまり現状業務から離れる内容となると、エラい人からお叱りがきますので。それでいて、できるだけ多くの人を対象にできる話題を選択するというのは、非常に大変です。

 今のところは「 基本 7:応用 2:マニア? 1 」程度で行うようにしています。

 基本だけですと退屈になる人が出てきますし、応用ばかりだと「何言っているかわからん!」という人が出てきますので、さじ加減は難しいですね。このあたりは「社内で」という制約がもたらす点だと思います。

●どこまで盛り込むかが難しい

 資料を作成していると、「あれもこれも」と多くの話を盛り込みたくなってしまいます。ポイントを絞った内容にするのは難しかったです。まぁ、これはわたしの性格によるところが大きいのだと思います。

 例えば、ネットワークの話題で行おうとした場合、TCP/IP通信から書き始めて、気がつくとNATの設置についての資料を作成していたこともありました。そこまでやってしまうのは詰め込みすぎです。

 感覚的には「足りないかな?」というレベルが丁度良いのかも知れません。

●リハーサルする時間を用意するのが難しい

 日々の業務に追われている中ですので、本当に時間は足りませんでした。結局、予定時間を1.5倍ぐらい超過してしまう結果になることも……。何事も同じですが、練習はとても大事です。リハーサルの重要性が身にしみました。アドリブで喋ることができなくもないのですが、時間的に無駄が多くなってしまいます。

 そのような中、わたしが行えた方法は「脳内リハーサル」だけです。というのも、頭の中のイメージでリハーサルを行うくらいしか時間が取れないからですが。それでも大筋で進行を想像できたりするのは、ほんの少しだけですがポイントだと思います。

●会社の「空気」を知ることができる

 これは会社の社風とか、職場の雰囲気などが大きい理由なのですが、わたしの職場では「とりあえず聞くだけ聞く」というスタンスの参加者が多いようです。質疑応答に移っても口を開く人は少数……というかいないに等しいほどで。

 これはやる側からすると、微妙な気持ちにさせてくれます。参加してくれるありがたさはあるのですが、レスポンスがない状態というのはなかなかに堪(こたえ)えます。今後の方向性やネタの選択についても「このままで大丈夫かな?」と、頭の中では常に疑問符が飛び交っています。「リクエストちょうだい!」と言っても特に反応がないのですよね。

 実際に勉強会を開いてみると、思ってもいなかった人がちょっとした反応を示したり、反対に参加しそうな人が参加してこなかったりと、今勤めている会社の風土を知ることができます。
 
 ……ネタによってコメントを書き込んでくれたり、何も反応がなかったりするわたしのコラムと同じと言えば同じですが。ええ、その程度ではめげませんとも。

 わたしの勤める会社では、まだまだ他に発表してくれるような人材がいませんのでしばらくの間は講師役をわたしが勤めることになりそうです。目標としては次年度あたりで別の人間にもやらせてみたいとは思っていますが、ここを業務命令として強制してしまう方法にはわたしはあまり賛同できません。

 理想として(自分の中にだけ)掲げているのは「自主性」です。後に続く人達も含め、社内に「自ら動いて発信する」雰囲気を作りたい気持ちがあります。また小勢な企業の割に「縦割り」の雰囲気が定着してしまっており、活発な空気には程遠い状態です。そして厄介なことに、長くいる方というのは、この雰囲気を当然としてしまうところがどうしてもありますので、何が問題なのかということを考えること自体がまずありません。ここに気付くのは、わたしの様に外から入ってきた人間だけなのかも知れません。

 このような点に対して、「時間をかけてでも良い方向へと向かっていきたい」というのがわたしの気持ちです。ただのイチ会社勤めがおこがましいかも知れません。ですが自分が関わる環境はできるだけ良くしたいですし、周囲の人達もレベルがどんどんあがって今よりも幅広く議論できるようになりたいですし、勤める会社の業績も良くしたいです。あるがままを黙って受け入れて過ごす、というのがわたしには向いていないのですね。

 発表を行う側としては、やはり非常に勉強になる点がものすごくメリットです。今まで漠然と覚えていた点が、資料を作る際に「あれ?」と不思議に思うことが多々出てくるために再度調べなおすことによって、自分の知識がしっかりとしたものになったのは実感しています。勘違いも結構あることに気づかされたりもしますので非常にオススメです。

 今のところ月2回隔週ペースでやっていけるよう頑張っている最中です。できるだけこのペースを維持し、継続して行っていけるようにしていきたいと思います。何事も「実行」してさらに「続けて」みることによって効果が表れてきますからね。

Comment(6)

コメント

初めまして!
コラムニストの荒川です。

共感できるところがたくさんあります。

>何事も「実行」してさらに「続けて」みることによって効果が表れてきますからね。
本当にそうだと感じています。
始めることによって出逢う「ドキドキ」と「発見」は本当に素敵ですよね!
私は仕事もプライベートも常に始めていかなくては生きている気がしません。

勉強会私も何らかの形で続けていきたいと思っています。
意見交換等していけたらと思います!
お互いに頑張りましょう!

Ahf

荒川さんコメントありがとうございます。

やってみて初めて味わえる感覚はいいですよね。
私も荒川さんのエネルギッシュな姿勢に負けないよう頑張っていこうと思います。

・・・荒川さんのコメントは、何かエネルギーを与えるようなコメントですね。
物凄くパワーを貰った気がします。
頑張りますよ、私も。

こんばんは。コラムニストの高田です。

以前からこのAhfさん主催の勉強会の行方について注目してました。

「変えたい」「変わらなければ」という気持ちがとてもすばらしいなぁと。

すごく収穫があったようで、良かったですね。

蔭ながら、Ahfさんの今後の活動を応援してます。

また後日談などコラムに書いて下さい。

Ahf

高田さんコメントありがとうございます。
コミュニケーションについて、いつも参考にさせていただいてます。

今もまだ前途多難な状態ですが諦めずに続けていこうと思っています。
後日談、といいますかまだまだ継続していく中で書きたくなる話題も
出てくることと思います。

その時はまたこのような場で書いてみようと思っています。

三年寝太郎

こんばんは。

勉強会、始められたんですね。

勉強会というのは勉強をするのが目的なので、説明会では意味が無い。
というのは建前で、少なくとも、資料作成や段取りにこそ、
勉強会の本質が詰まってることが多いので、
それを楽しむ目的でやるのもありでしょう。

可能であれば、若い人を中心にやらせたいところではあります。
説明する立場になるとやはり、ただ聞いてるだけの人とは、
接する情報の質も量も桁違いに上を行きますから、本来は、調査(勉強)の時間と、
発表(実践)の時間を楽しみ(苦しみ?)ながら出来るのが最善なのでしょう。

一つのテーマを人に説明し終えたら、そこに積み重なってる知識や経験は、
聞いてるだけの人とは比べ物にならない。
それが自身と成っていくことでしょう。
それを理解していれば、知識が足りないとか技術が無いとか、
なにかと部下の出来ないところを嘆く上司や経営者も減るんでしょうけどね。
自分の部下の成長やスキルに対して、どうしても自分の経験だけに頼った
「精神論」や「自己責任」を強調したがる人が多いのが企業が行き詰る主要因のような気がします。

若い人が業務の合間を縫ってとなるとなかなか難しいのですが、
勉強や実践の時間を作るために、PCやアプリケーションのショートカットや便利な機能を
出来るだけ無理にでも覚えさせて、仕事をさっさと片付けるように仕向けられれば
しめたもの、等と、目的から逆算してどうするかを考えて行けば、
要らない障壁はすっ飛ばしてしまえることも多々あると思うのですけど。

かく言う私は、今は一人プロジェクトで、教える相手もいないのが寂しいところです。
暇を見ては、改めてExcelやPowerPointの機能をいろいろいじってみて、
一人でうれしくなったりしてますが、、、

Ahf

三年寝太郎さんコメントありがとうございます。

元々私は(外部セミナーですが)参加する側の立場で、
発表する側には中々立たなかったのですが、実際にやってみると
大変ですが、やはり自分の為になるというのが体感できました。

若い人にもやってもらいたいんですけどね・・・。
なかなかそういう空気に社内をもっていくのが骨の折れる、というか
「本当にできるのか?」と感じ取っている次第です。

なんというか見えない壁がなかなか邪魔をしていますw

コメントを投稿する