無業からはじまるキャリアビジョン
今回の「時事総論」のテーマは、前回無職になったボクにとっては、かなり混沌としている。
なぜなら、ボクは今後のキャリアについては白紙で退社し、今後についていままさに考えている最中だからだ。
とはいえ、1年、2年のスパンについては、目標を持つのは悪くないことだと思う。
GW中に何をする予定だったか? そしてなにを成し遂げたか? ふりかえるとボクは、いささか胸が苦しくなる。
1年なんて、GWを何十回か続けたら過ぎてしまう程度のものでしかない。ましてや働きながらだと。
だから、このコラムを書きつつ、今後についての考えを、白紙なりにできるだけまとめてみたいと思う。
前回「後悔しない生き方」を今後のコンセプトに、と書いた。これはいわば「やり残しの少ない生き方」ともいえる(「死ぬときに後悔すること25」)。
この本は、退職を決めてから読んだ。死ぬまぎわの、さまざまな後悔のケースが掲載されている。
なかでも、
- 健康にもっと気をつかい、体調を整えること
- もっとたくさんの場所に行ってみること
- もっと多くの時間を家族と過ごすこと
これらの「やり残し」を減らすために、今回ボクは退社したともいえる。
ならば、実現可能かどうかは別として、ボクの望むキャリアは当然これらと両立できるものになる。
ありがちな言葉でいえば「ワークライフバランス」、あるいはこの本のタイトルにもなっている「スローキャリア」の実現だ。
ここで語られている「スローキャリア」は、「非上昇志向型」による、自律したキャリア形成のこと。
「なぜなら、個人の生きる目的というのは、企業における利益のように共通ではないからだ。他人より多くのお金を稼ぎたい、高い地位を得たいという人もいれば、そんなものより家族と一緒の時間にこそ至高の価値を感じるという人だっている。要するに人がなにを重要だと感じ、極大化したいかというのは個人が自由に選択できる。つまり、人生には勝ち負けなどないということなのである」
ただ、その一方、まだボクは30代。隠居するには少し早い。「勝ち負け」的なキャリアのピークは4月で終わってしまったのかもしれないけれど、きっとまだキャリアはつづく(はず)。これから、どんな轍をきざんでいくのだろうか?
キャリア面での「やり残し」の減らしかた、を考えるにあたっては、同じく「スローキャリア」の中に出てくる「無業」がひとつのキーワードになる。
「社会に出て一定期間働いた後なら、一度自分を無業の状態に置いてみるのも悪くはない選択である。この無業状態は、フェーズを変えキャリアを見直すギアチェンジの期間だと思えばいいだろう」
この「無業」こそまさに、いまのボクの状態。
やりたいこととできること、そして求められていることのバランスをかんがえながら、足りない部分のパワーアップに励みつつ、実現に向けてトライ(&エラー!)していくことになるのだろう。
トライしたいことは山ほどある。コンサルタントとして、エンジニアとして、家庭人として。以前の「ライフ・キャリア・レインボー」の割り当てを見直すチャンスだ。
まずは放ったらかしだったタスクを片付けつつ、やりたいことリストや行きたいところリストの整備から始める。
やり残しをゼロにする、なんて完璧を目指したらきっとうまくいかない。だから、
「やり残しをリストアップして、やり残しが減るような流れをつくる」
これがいまの短期目標かな。現状分析~改善計画フェーズ。
そして、どうやらボクのGW最大の成果は、「ネコと快適に無業を過ごすために施した、ベランダの整備」になりそうだ。
それでも、これまでのGWに比べれば前進かもしれない。来年もこのネコといっしょにいられる、なんて保証はないのだから。