吉政創成 代表取締役、PHP試験、Rails試験ビジネスOSSコンソーシアム・ジャパン主宰

サーバシェアの読み方(基礎編) ~LinuxがWindowsのサーバシェアを抜く日~

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 みなさん、こんにちは。吉政創成の吉政でございます。

 まず、3つのサーバOSのマーケティングを担当していた観点から、サーバシェアの見方について述べたいと思います。

 サーバシェアと一口に言ってもいろいろな見せ方があります。

各社や調査会社の意図があったりで、いろいろな見せ方をするケースがあります。例えば、ニュースでシェアが3割を超えたという話があっても、その調査の仕方によって意味合いが違ってきます。注意するべきチェックポイントは以下です。

  1. 金額シェア(出荷金額)なのかインストールベースの本数シェアなのか
  2. 累計なのか直近の1年などの期間で切ったものなのか

 1については、特に、Windows、Unix、メインフレーム系、Linuxは単価がかなり違いますし、Linuxは無料使用がかなりあるので、金額シェアでみるか本数シェアでみるかではかなり数字が違ってきます。(実際にWebサーバ用途のLinuxで有償使用されているのは20%以下です)一般的に公開されているデータは調査が簡単なこともあり、金額シェアの指標が多いように思えます。ちなみに、調査方法ですが、一般にはアンケートやインタビューで行うことも割と多く、その場合、各社のマーケティング責任者の発言内容に依存したりします。そういう意味では一番正確なのはユーザに直接調査したものかもしれません。

 2については、年度別などの期間で区切ったものは最近おいあげているLinuxなどの後発のOSにとって優位な数字になり、累計の場合、メインフレームやUnixなどの歴史があるOSのほうが有利になります。

 データの見方はこれくらいにして、実際のシェアはどうなのか? ということですが、少し前にレッドハットが「数年後にWindowsのシェアを抜く計算である」との発言を自社のイベントで発言されている通り、単年度の出荷金額の伸び率で計算すると、そうなるそうです。ワールドワイドでの単年度売り上げの成長率がRedHatはWindowsの2倍ほどあるそうです。

 Webで調べたのですが、最近のインストールベースでのシェアのデータは見つかりませんでしたが、無料使用の分をカウントし、RedHatではなくLinux全体でカウントしたら、もしかしたらLinuxは本数シェアでかなりいい線をいっているかもしれません。実際にビジネス上でも今までWindowsしか使用したことがない企業のLinux採用が増えているのは肌で感じているところです。

 少し古いですが、国内の2010年Q4時点のサーバ出荷金額のシェアはWindows 42.1%、UNIX 25.6%、Linux 17.0%だそうです。Windowsサーバの出荷金額成長率が大よそ4%でLinuxサーバの成長率が12%なので、計算すると金額シェアでは当面、WindowsをLinuxが抜くことはなさそうですね。

 一方で、WebサーバのLinuxにおけるシェアを見ると、1位Debian 2位CentOS……ということで、データを見ていただけると大よそ推測はつきますが、無料で使用しているケースがかなりありそうです。全体インストールベースの本数シェアのデータがあればよかったのですが、最新のものがなかったので、最後までもやもやしたコラムになってしまい、申し訳ないですw 

 最近、肌感覚でWindowsオンリーの会社のLinux導入の話をよくいただくので、ちょっと調べた結果を記載してみました。

 最後に、告知を失礼いたします。Linuxの導入初心者の企業向けセミナーを開催することになりました。当日はLinuxの最新動向をレッドハットのエバンジェリストの中井様に、「いまさら聞けないOSSライセンスの考え方」をオープンソースライセンス研究所の杉本代表理事に、「OSSビジネス動向」をBOSS-CON JAPAN(ビジネスOSSコンソーシアム・ジャパン)の私が話します。興味がある方は以下をご覧ください。

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