ワークライフバランスって何だろう?【後編】
今回も前回に引き続き、「そもそもワークライフバランスって何だろう?」について考えてみます。
以前、毎月100時間近い残業が当たり前の職場で、あまりの忙しさで他の女性が1人もいない環境だったにもかかわらず、仕事を目いっぱい満喫していた女性ITエンジニアの転職活動をお手伝いしたことがあります。
それまで仕事一筋で頑張っていた彼女の転機は、友人にむりやり誘われた合コン。しぶしぶ足を運んだその席で、未来の旦那様と運命的な出会いをしたのです。彼女が結婚について真剣に考えるようになると、公務員である彼との生活に大きな不安を感じるようになります。会社の同僚からは「仕事と私生活、どちらかをあきらめるしかない」との意見が多かったとのことで、わたしのところへご相談にいらっしゃった当初の中心のテーマは、「どうあきらめるか」でした。
このときわたしは、彼女が「やりがいのある仕事と充実した生活は両立できない」という前提で決断をしようとしていることに、とても強い違和感を覚えたのです。「仕事と私生活のどちらをあきらめるかという選択方法はやめましょう」とアドバイスをしたくらいです。
わたしが転職のお手伝いをしている方の中にも、ワークライフバランスを大切にしたいと考えている方は多くいらっしゃいますが、仕事と生活どちらかを犠牲にしてバランスを取ろうとする考え方をお持ちの方は少なくありません。特に女性の場合、出産や育児に満足できる労力と時間を確保するためには、仕事は「二の次」にしなければ無理だと思い込んでいるケースがよくあります。
前回ご紹介をした「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章」にもある通り、ワーク(仕事)とライフ(生活)のバランスを取ることはもちろん、どちらかをあきらめるのではなく、仕事と生活どちらも充実させることに大きな意義があります。人生を2倍、楽しくて、充実感があって、ハッピーなものにするチャンスなのです!
「結婚や出産、育児を経験したいという思いは変わらないけれど、仕事をしないとか、キャリアアップが望めない働き方をするという選択では、きっと満足できなくなると思います」
わたしとの面談の中で彼女が気付いたこの気持ちは、多くのみなさんにとっても同じではないでしょうか。まずは、「どちらも大切!」を出発点に、ワークライフバランス追求の第一歩を踏み出してみませんか。
今回ご紹介したエピソード、詳細をご覧になりたい方は、@IT自分戦略研究所のこちらの記事をご参照ください。