「パートナー」のお仕事、賛成? 反対?
先日、ある雑誌のアンケート記事に目が留まりました。
Q:年収1000万円を超える男性と結婚したい女性が、期待通りの結婚をするために一番有効な方法とは?
A:「花嫁修業」ではなく、「自分も年収1000万円を得られるようになること」
アンケートによると、女性が仕事を辞めて家事に専念するよりも、社会に出て共に働いて欲しいと考えている男性の割合が多く、相手の女性に望む年収額は、自分が500万円なら500万円、1000万円なら1000万円と、自分と同水準を望んでいるとのことでした。
もちろん、結婚と仕事に対する考え方は千差万別です。しかし、夫婦がともに仕事をしていることで、その苦労や辛さを共有できる、愚痴の1つも共感や理解を持ってもらえることは、安心にもつながるようです。
これまで多様なキャリアを経てきたわたしからすると、パートナーが仕事をしてくれているというのは、「セーフティネット」として、とても頼もしいと感じます。
ちょっとずるい考え方かもしれませんが、もし転職という選択肢が浮上してきたとき、パートナーが仕事をしてくれていることは、リスクを伴う選択肢に挑戦する勇気を与えてくれるともいえます。
キャリア相談にいらっしゃる女性ITエンジニアの中には、結婚を機にITエンジニアとしてのキャリアをあきらめて、もっと「負担の少ない」仕事へ転職しなくてはと考えている方も多くいらっしゃいます。
希望の勤務時間から探せる派遣社員やパート、アルバイトへと働き方自体を変えること、そして仕事を辞め、しばらくの間でも家庭に入ることを検討される方もいらっしゃいます。
お2人で十分に話し合った結果ならよいのですが、「女性が仕事をあきらめるべき」という固定観念によって、ご自身で結論を出してしまうと、パートナーが本当に望んでいることとのギャップができてしまうかもしれません。
期待する理由は違っても、「奥さまにも仕事で頑張っていて欲しい」と考える男性は確実に増えていると思います。わたしのように、働く女性を頼もしく感じている男性もいるのです。
自らの判断で仕事を続けることをあきらめてしまうと、「あまり働きたくないのかな」と、ご主人も思い違いをしてしまうかもしれません。ご主人は、奥さまが仕事を続けるために積極的に協力したいと考えていても、それを発揮する機会もなく終わってしまい、お互いに不満がたまり悪循環になることも……。
わたしはそのようなご相談をいただいたとき、「せっかくの機会なので、まずお2人で十分に話し合っていただき、ご自身が人生やキャリアについて大切にしたいこと、そのために相手に期待することや協力できることを整理してみてはいかがですか?」と、ご提案します。
男性、女性とも、仕事と生活のバランスに対する考え方に、少しずつ変化が表れてきています。
社会の一般的な考え方や自分が考えている常識から少し離れて、自分やパートナーの本当の想いを中心にキャリアをデザインしていくことも重要ではないかと考えています。
※分かりやすい文章とするため、文中では「ご主人」「奥さま」といった呼称を使用しています。