@IT自分戦略研究所 メールマガジン「@IT自分戦略研究所 Weekly」に載ったアイティメディア社員のコラムを紹介します。

時間がかなえてくれること

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 2009年6月12日の「@IT自分戦略研究所 Weekly」に掲載したコラムを紹介します。先日、わたしも数年ぶりにかるたをやりました。足の痺れと戦うのが精一杯という、情けない結果に終わってしまいましたが……。

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 アイティメディアに入社して2カ月がたちました。1カ月半の新人研修を経て部署に配属され、大体のルーティンが分かってきたところです。部署での日々は、研修中にも増して時間がどんどん過ぎていきます。ちょっとした雑務を終えて時計を見、「もうこんな時間……!」と驚くことが少なくありません。時間ばかりが過ぎていくように感じ、自分は成長できるのだろうか、会社のために何かできるようになるのだろうかと思うことがあります。

 けれど最近、時間が経てばいろんなことが変わるんだと感じた出来事がありました。

 わたしは高校時代から「競技かるた」を部活やサークルで続けてきました。百人一首の札を並べて、相手と札を取り合う競技です。お正月に和服姿のお姉さんがお寺で行っているのをニュースで見たことのある方も多いと思います。「マンガ大賞実行委員会」の「マンガ大賞2009」を受賞した『ちはやふる』で知った方もいるかもしれません。年々競技人数が増えていて、いまアツいスポーツ(?)の1つです。

 しかし、しょせんはマイナーな競技。わたしが高校時代に所属していた部では、部員が全学年合わせて5人しかいませんでした。これは、県内の団体戦で戦える最低限の人数。野球でいえば9人しか部員がいない状態です。部員の戦力もまちまちで、県予選を勝ち抜いて全国大会で大活躍! などというのはまさに夢物語でした。

 そんな母校の後輩から、先日1通のメールが届きました。

 「競技かるた部が県予選を突破して、全国大会への切符を手にしました!」

 予選に出るだけで精いっぱい、初戦を突破できたら大騒ぎ、弱小以外の何ものでもなかったあの部が!創部以来初の快挙です。わたしの卒業後、徐々に有段者が増え、外部の練習に参加することも増え、少しずつ結果が出始めていました。が、まさか全国大会に出られるとは思ってもいませんでした。時間が経てば、無理だと思っていたこともかなうことがあるのだと実感した瞬間でした。

 狭い部室、指導者の不在、慢性的な部員不足など、変わっていないところもたくさんあります。それでも変えることができたのは、創部以来さまざまな人が重ねてきた努力が目に見えない戦力となり、底上げが図られてきた結果だと思います。

 社会人も同じなのかなと感じています。先輩の言葉や仕事の決まりには、目に見えない時間の積み重ねが込められています。一朝一夕でスキルアップを感じられなくても、日々そうした「スキルのエッセンス」を吸収していけば、いつか必ず会社に貢献できる力を身に付けられると信じています。
       

(メディア開発本部 メディア・マーケティング統括部 伊藤海彦)

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