資本運用とキャリア
2009年4月24日の「@IT自分戦略研究所 Weekly」に掲載したコラムを紹介します。どの船に乗りたいのかではなく、船にのってどこへ向かいたいのかを考えなければ、ということですね。
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社会人4年目の同期に「人生設計」「キャリア設計」をテーマにコラムを書いてくれといわれた。
周りからは、将来設計を現実的に見積もっているタイプだと思われているようだ。以前、後輩に「10年後には何している予定なんですか」と聞かれたので、適当に「部長とかかな」と答えておいた。設計がないわけではないのだが、本質的にはそんなことはどうでもよく、嫁と2人で仲良く過ごせればいいと思っている。
だが、世の中は資本主義で回っている。テレビドラマ「銭ゲバ」を見ながら「カネッカネッ~♪」と喜ぶような嫁を満足させるためには、愛だけではなくカネも必要だ。
「カネ」は資本だが、資本は「カネ」だけではない。企業における資本(経営資源)を例に考えると、カネ以外に「ヒト」や「モノ」、そして「情報」が挙げられる。これは企業だけでなく、いち個人にも当てはまるのではないかと思う。
- ヒト=知人、友人、家族(≒人脈)
- モノ=スキルやアイデア、土地や設備など
- カネ=カネ
- 情報=情報
個人がキャリアを形成するとき、これらの資本を運用することになる。例えば「転職先探し」は、「モノ(スキル)」をベースに「ヒト」と「情報」を組み合わせる。
重要なのは、資本は手段であって目的ではないということだ。資本を得るのが目的化することはよくあるが、実際は目的を実現するためのツールでしかない。企業が何を目指すのか、自分がどう生きたいのか――という目的の模索を忘れてはならない。
……そんなことを真面目に考えているから、老けるのが早いのだろうか。最近よく30歳過ぎと間違われる。とすると、そろそろ部長になっていないと駄目じゃないか。