@IT自分戦略研究所 メールマガジン「@IT自分戦略研究所 Weekly」に載ったアイティメディア社員のコラムを紹介します。

チケットブースの仕事とは

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 2007年11月30日の「@IT自分戦略研究所 Weekly」に掲載したコラムを紹介します。東京ディズニーランドを運営するオリエンタルランドは、大不況のなか、2009年3月期に過去最高益を見込んでいます。恐るべし。

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 皆さんもある程度の経験を積むと、リーダーとなって業務マニュアルを書くことが多いのではないでしょうか。私も何度か接客マニュアルやメールの書き方などのマニュアルを書いたことがあるのですが、このとき気を付けていたことがあります。それは「なぜそうするのか」ということをできるだけ細かく書くこと。

 これは以前、ある方からいただいた、東京ディズニーランドの取締役をしている方の講演録を読んだことが心に残っていたからです。東京ディズニーランドというとマニュアル文化の極みという印象があるのですが、講演ではチケットブースで働く従業員のためのマニュアルについて触れていました。そこには、チケットの種類や支払い方法などのことではなく、まずこう書いてあるそうです。

 「あなたの仕事はチケットを売ることだけが目的ではありません。あなたの大事な仕事は、東京ディズニーランドにお越しになるゲスト(お客さま)と一番最初にコミュニケーションを取ることなのです」

 そこにはコミュニケーションの取り方、具体的にはあいさつの方法についての記述が並び、必ず相手の口を開かせるため、いいっぱなしでコミュニケーションが止まってしまう「いらっしゃいませ」ではなく、「こんにちは、今日は何度目ですか?」「お好きなアトラクションは何ですか?」というように、積極的に会話をすべしと書かれているそうです。これには、本当に感銘を受けました。

 最近の若者はいわれたことしかやらない、などといわれてン十年。そういわれている若者が見ているマニュアルには、あれをやれ、これをやれとしか書かれていなかったりはしないのでしょうか。

 もしそこに「なぜこれをやるべきなのか」ということが書かれていたら、若者も自分で創意工夫し、もっと良いマニュアルにしていってくれるかもしれません。もしあなたがマニュアルを書かなければならない立場であれば、ぜひ「なぜ」の部分を入れてあげてください。そしてマニュアルを読む立場であれば、先輩を捕まえて「なぜ」という部分を聞いてみてはいかがでしょうか。そこから、顧客満足度向上のための何かが見つかるかもしれません。

(@IT 編集部 宮田健)

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