@IT自分戦略研究所 メールマガジン「@IT自分戦略研究所 Weekly」に載ったアイティメディア社員のコラムを紹介します。

ウエディングケーキの裏側

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 2005年11月30日の「@IT自分戦略研究所 Weekly」に掲載したコラムを紹介します。ITmedia読者にはおなじみの「IT戦士」岡田記者が、ウエディングケーキの裏側に人生を見ます。ハリボテも中身もないエンジニアライフ担当は、二兎を追いたいところ。

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 「カメラをお持ちの方は前に」――天井まで届きそうな真っ白なウエディングケーキにナイフが入る。「初めての共同作業」という明らかなうそも何となく許される、幸せな披露宴。

 しかしケーキの裏側には、「見なきゃよかった」と思うような真実が隠れています。

 あの大きなウエディングケーキは、体積の9割以上がハリボテ。リアルケーキ部分はわずか10×50センチ程度で、奥行きはナイフの長さと同じくらい。ケーキ部分の両脇と下面は金属の板に守られ、ナイフがハリボテに刺さってしまわないよう工夫されています。

 ケーキ部分は、後で取り分けて食べられるタイプの小さなウエディングケーキよりさらに小さく、食べることを前提にしていないのでおそらく味も適当。新婦いわく「値段と見た目の反比例」。標高の高いウエディングケーキは、食べられるタイプのケーキよりも値段が安いそうです。

 見た目がすごければ何となく値段も高そう。でも見た目と中身は比例しない。大げさですが、ウエディングケーキに人生の真実を見た気がします。極端な話、中身などなくてもよいのでは、と。

 ニュースサイトにコラムや技術解説を寄稿しているある技術者は「目立った者勝ち」と話します。自分よりも優れた技術者はたくさんいる。でも、自らの知識をネットで発信している人は意外と少ない。だから自分が目立ってしまい、「何となくすごい」と思われ、また仕事がくる――中身はそれほど詰まっていなくとも、発信しているという“外見”だけで人は評価されると、彼はいいます。

 ハリボテの大きさに甘えてからっぽのままじゃつまらないけれど、ハリボテに負けまいと中身を充実させていくっていうのも悪くないかなと、ハリボテのIT戦士は思います。

(ITmedia News 記者 岡田有花)

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