エンジニアライフは「どっちか」ではなく「どっちも」
今日は『エンジニアライフは「どっちか」ではなく「どっちも」』というテーマでお話をしたいと思います。
■先日、地元で評判のラーメン屋に行きました。
とても人気がある店なので、昼時に行くと並ばないとお店に入れないと聞き、11時半に到着。初めて入る店なのでメニューに迷いましたが、わたしはこってり系が好きなので、とんこつしょうゆラーメンを注文しました。
注文を終え、周囲を眺めてみると、ほとんどの方が塩とんこつラーメンを注文しています。「とんこつしょうゆは失敗したかなぁ」と一抹の不安を覚えましたが、そこは評判の店です。おいしいに違いないと自分に言い聞かせ、待つこと15分。いよいよ、とんこつしょうゆラーメンとご対面です。
油たっぷり系のスープをレンゲにとり、一口……うん、スープはうまい。次に、湯気の立ち上るスープをかきわけ、静かに横たわる麺とご対面。そして、いざ口の中へ……。
「あれ? イマイチおいしくない。これが評判のお店?」
周りの人の塩とんこつの麺を覗いてみると、麺には違いがないようです。
う~ん、評判店だと聞いてきたのにガッカリしました。
■ラーメンはバランスがモノをいう
スープだけを口にするとおいしいのですから、スープが悪いわけじゃない。周りの人が食べている塩とんこつもみんなおいしそうに食べていますから、麺が悪いわけでもない。そうなると……トータルのバランスの問題なのかもしれません。
ラーメンは、麺と、スープと、チャーシューと、いろんな要素から出来上がっています。ひとつひとつにこだわりがあっても、トータルでうまくないと台無しだなと思いました。
■できるエンジニアもバランスがモノをいう
PGとSEとコンサル……。
IT業界にはそれぞれの役割があり、それぞれの仕事があります。「PG or SE or コンサル」という議論を良く目にしますが、わたしはすべての仕事に意味があると思いますので、それらのどれが良い/悪いというつもりはありません。「PG and SE and コンサル」だと思います。
どれかを良い/悪いと区別したり、どれか1つに執着を持つことは、少しもったいないような気がしているんですね。
なぜなら、システムはプログラミングのスキルだけでできるわけではありませんし、業務スキルだけでできるわけでもありません。もちろん、コンサルだけでもできません。
でも、多くの人が、どれか1つにこだわり過ぎているような気もします。ラーメンでいえば、麺や、スープや、チャーシューのそれぞれにこだわりすぎているような……。
エンジニアライフにも、「おいしいラーメン」というような、大きな視点が必要じゃないかと思うんですよね。
プログラミングのスキルしかり、ビジネスのスキルしかり、コミュニケーションのスキルしかり、それぞれの得意分野はあるにせよ、「ラーメン」ぐらいの大きな視点で考えて、何が必要なのか考えてみる。そして、業務に関わるいろんなことにアンテナを立て、学び続けるしかないかな~と。
PGもSEもコンサルも、「どっちか」ではなく「どっちも」じゃないかなぁと思います。立場によって強化するポイントやタイミングに違いはあると思いますけどね。
わたし自身、思い描いている理想には程遠いです。これからも必要な情報を必要なタイミングで、淡々と学び続けていきたいなと思っています。
「どっちか」ではなく「どっちも」……あなたは、どう思われますか?
コメント
なかなか難しい問題ですね。
ラーメンの例えでいうと、「自分はチャーシュー職人だ」とか「麺打ちの達人だ」という人も実はいます。
麺を作る人、スープを作る人、チャーシューを作る人、ラーメンとして仕上げる人。
スペシャリストとジェネラリスト、両方が評価される仕組みを作れると一番良いのですが……。
■みね@編集部さん
コメントありがとうございます。
> ラーメンの例えでいうと、「自分はチャーシュー職人だ」とか「麺打ちの達人だ」という人も実はいます。
確かにそうですね。
以前、麺打ちのプロのテレビを見ました。ラーメン屋の注文に対して、「そのスープならこの麺」と、スープに合わせて自分が納得いく麺を打っていました。スープに合わせて麺を変えられる麺打ちのプロは「ラーメンの全体が見えている」ように見えました。
「ラーメンも分かるけど、それでも俺は麺を打つ…」みたいな。
実を言いますと、以前わたしも技術ばかりにこだわっていた時代がありました。プログラムの作り方にはこだわるけど「ほかは知らん」という感じでしょうか。ラーメンで言えば「麺にはこだわっているがほか関係ねぇ」ですね。こだわりといえば聞こえはいいですが、今思えば技術への執着かと。視点がとても狭かった気がしますし、執着が逆に、それ以外を受け付けないようになっていたような気もします。自分に壁を作っていたのかもしれません。
逆に今は、来るもの拒まず(時に大変なときもありますけど)の姿勢といいますが、いろんなアンテナをたてて必要なタイミングで必要なことを学んでいるせいか、以前よりも吸収が早く、視点もずいぶんと広がった気がします。
「自分の得意分野だけ」という壁を自分で作らず、広い視点をもてればいいのかもしれませんね。
なるほど。
麺打ちの職人は「どんなスープにはどの麺が合うか」を分かっていなければ職人とはいえないですからね。
> 「自分の得意分野だけ」という壁を自分で作らず、広い視点を
腑に落ちました。確かにその通りですね。