連載が始まりました! 「仕事を楽しめ! エンジニアの不死身力」
こんにちは。竹内義晴です。ごぶさたしております。
今回はエンジニアライフをご覧のみなさんにお知らせしたいことがあり、ご案内を差し上げました。
実はこのたび、@IT自分戦略研究所で「仕事を楽しめ! エンジニアの不死身力」という記事を連載することになりました。
この記事の前身は、ITmediaエンタープライズで連載しておりました「ビジネスマンの不死身力」です。ご覧になったことがある方もいらっしゃるかもしれませんね。
「もっとエンジニアのみなさんに役立つ記事でありたい」「楽しいと思う仕事を選択する人が増えてほしい」――そんな願いをこめて、新たな連載としてスタートを切ることになりました。
どうぞ、よろしくお願いいたします。
■現場でご活躍の、エンジニアのみなさんのために
記事のタイトルにあるように、この連載はエンジニアのみなさんに向けた記事です。
ここでいう「エンジニア」とは、
- ITエンジニア
- プロジェクトマネージャ
- ITコンサルタント
- 情報システム部門の方
などを指します。記事ごとに対象を絞ることはありますが、IT業界の中で、主に現場でご活躍されているみなさんを、広い意味で「エンジニア」と呼ぶことにしました。
■連載の裏話――連載前の不安と、記事を書こうと決めた3つの理由
連載するにあたり、いくつか不安がありました。その不安とは
「いま、エンジニアではないわたしが、『エンジニアの不死身力』という記事を書いてもいいのか?」
ということでした。
読者のみなさんの中には、「いま、エンジニアの第一線で活躍している方が、どうやってエンジニアとして働き続けているのか」に興味を抱いている方も多いでしょう。そういう方にとっては、わたしのような(ときどきプログラムを作ることはあっても)エンジニアの第一線で仕事をしているわけではない人間の記事など、参考にならないと思われるかもしれません。それも当然です。
では、なぜ、わたしがこの記事を引き受けようと思ったのか? それには、3つの理由があります。その理由とは、
- いまもエンジニアの仕事が好きなこと
- エンジニア外の視点から、情報をお知らせしたかったこと
- 好きな仕事を選ぶために必要なことは、どんな仕事も同じであること
が挙げられます。
「いまもエンジニアの仕事が好きなこと」について
わたしは現在、表向きにはエンジニアの看板をおろしています。直接的なシステム開発に携わることはあまりありませんが、エンジニアの仕事はいまも大好きです。
先日、知人からプログラム作成を依頼され、夢中になって作りました。自分でもホームページを開設していますが「○○のほうがいいな~」と思ったときには、カスタマイズして楽しんでいます。そのほか、あまり表向きではやっていませんが、信頼している方の紹介でホームページを作ったり、ハードディスクのデータ復旧などを依頼されることもあります。技術力を評価されたときは、その喜びもひとしおです。
ゼロからものを生み出すことは楽しいですね。動かないものを動くように夢中になってやっているとき、「エンジニアの仕事は、単純に好きなんだな」と思います。
逆に最近は、エンジニアであることへの「変なこだわり」(いいかえれば「執着」)がなくなった分、余計に楽しめるようになったような気がします。
「エンジニアの視点以外の情報をお知らせしたかったこと」について
エンジニア時代にチームを任され、心理学やコミュニケーションの知識に触れました。「どんな風に接したら、仲間は癒されるのか?」「どんな言葉をかけたら、仲間がやる気になるのか?」その知識が非常に役立っています。
例えば、コミュニケーションに関して……
エンジニアのみなさんは、わたしがそうだったように、技術力にこだわると思うんですね。それはとてもすばらしいことです。けれども、仕事は1人で進められるのはまれなので、周囲に「やるべきことを進んでやってくれない」「全然やる気を出してくれない」――という問題を抱えている方も多いと思うんですね。それで、好きなエンジニアリングの仕事がなかなか進まないと。
顧客との関係もそうです。システムを依頼する側も、作る側も、関わっているのは結局「人」。いくら技術力が優れていても、上手にヒアリングし、顧客が本当に望んでいるものを引き出せなければ、システムの仕様変更が数多く発生しますし、せっかく作ったシステムも評価されません。けれども、このような場合「顧客が仕様をはっきり示さないからだ」と片付ける場合がほとんどです。
そうです。人が行動する仕組み、コミュニケーションの方法が分からなければ、好きなエンジニアの仕事をうまく進めることができないんです。
「好きな仕事で成果を出す」=「技術力」×「人(コミュニケーション力)」
が必要ということに気付きました。
コミュニケーションについては、天性の資質だと考える方も多いでしょう。それも不思議ではありません。実は、わたし自身、口ベタで恥ずかしがり屋です。それほどコミュニケーションがうまいわけではありません。そんなわたしでも、コミュニケーションにスキルを学ぶと、世界が広がることを知りました。
コミュニケーションに限らず、これまで活動してきた中で、エンジニアを少し離れたところにも問題を解決するヒントがたくさんありました。開発の現場やプロジェクトマネジメント、コンサルティングなどのシーンで、実際に起こりそうな問題や悩みに触れながら、問題を解決するヒントをお伝えできたらいいなと思いました。
「好きな仕事を選ぶために必要なことは、どんな仕事も同じであること」について
コミュニケーションといえば、対人関係だけでなく、自分自身に対してもそうです。
例えば、「エンジニアの仕事を続ける」ことを考えたとき。年齢を重ねると多くの方が「このまま続けていくのは難しいんじゃないか」「自分には無理なんじゃないか」という不安感を抱かれると思うんですね。業界に広がっている情報から、そう思われるのも不思議ではありません。実際、職場でも技術以外の仕事を求められますよね。
「じゃあ、独立しようか……」でも、先が見えないご時世、なかなかその一歩を踏み出せない気持ち、よく分かります。わたしもそうでしたから。
けれども、同じIT業界にいて、エンジニアとして活躍している人もいます。
「同じ業界で、それほど年齢や学歴に違いがあるわけではないのに、この違いは、一体なぜ生まれるのだろう?」
ここ数年、ずっと興味を抱いてきました。この違いは、「自分自身の考え方や感情と対話し、うまくコントロールしているか否か」であるということに気が付きました。好きな仕事を選ぶためには、自分自身とのコミュニケーションを図り、自分を望む方法へコントロールすることが必要だったのです。
好きな仕事を選ぶためには、ときに転職や、独立が必要なこともあるかもしれません。そんなときは余計に、「自分には無理」と思うのは当然のことです。では、なぜ、「ある人はエンジニアとして活躍しているのに、『自分は無理』と思うのか……」この問題の解決は、重要な課題です。
「好きな仕事を選ぶ」ときに起こるさまざまな悩み……それは、エンジニアに限らずどの仕事も同じで、解決策もさほど違いがありません。
また、ビジネススキルについても、どの仕事に就いていても、あまり違いがないように思います。
もしいま、わたしが「エンジニアの仕事をしよう」と決意したなら、いきなり会社を辞めなくても、自分という商品を売り出すために、現在の活動(例えば、文章で自分が得意なことを表現するなど)とまったく同じことをすると思うんですね。それは、エンジニアとはまた別、マーケティングなどのビジネススキルです。
「ビジネススキル」にはコミュニケーションも含まれますが、「どのように表現したら相手に伝わるのか?」が大事です。試行錯誤をして身につけたものは、いまでは大きなチカラを与えてくれました。いいたいことを受け取るのは相手次第。どんなにすばらしい技術力があっても、それが相手に伝わらなければ、せっかくの努力が水の泡ですもんね。
そのようなことを含めて、
「エンジニアの第一線にいるわけではないけれど、『好きな仕事を選択し、楽しむこと』の情報なら、お伝えできるかもしれないな」
……そう思いました。
これらの3つの理由で、連載を始めることを決めました。
エンジニアライフでは、(全記事とはいわないまでも)連載記事を書こうと思った背景や、メイキングなど、「本音の部分」をお話できたらいいなと思っています。記事に関する感想やコメントなど、どうぞ気軽にお寄せください。
また、みなさんが抱えている悩みは、きっと多くの方の悩みでもあると思います。1人の勇気が多くの方を救いますので、「○○の場合、どうしたらいいの?」という悩みがあったら気軽に書き込んでくださいね。答えはお1人ずつ違うでしょうし、コメントでは答えられないかもしれません。それでも、みなさんからのコメントが次の連載記事を生む場合もあると思いますので。
それでは、連載ともども、引き続きよろしくお願いいたします。
追伸:
以前、このコラムでは小説を書いていました。タイミングを逃したら、続きをなかなか書き出せないまま、この機会を迎えてしまいました(苦笑)。小説の続きは、次の機会に書き出したいと思っています。