エンジニアは「変人」と呼ばれてなんぼだと思う。

記憶が苦手なエンジニアでも大丈夫

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■記憶とか暗算とか、ダメなんです

 昔から記憶することが苦手でしてね。特に暗記とか短期記憶系が、もう全然できなくて。何かの名前を覚えるとか、数字を覚えるとか、もう壊滅的にダメです。そのせいか、暗算も全然できません。暗算なら確実に小学生に負けます。2桁同士以上の計算になると筆算するか電卓がないとできません。飲み会の席で会計の計算をさらっとできる人とか、もはや神に見えます。(ちなみにこれでも理系です。なんてことだ。)

■でもITエンジニアには「短期記憶」は重要

 ところが、ことITエンジニアという職業にとっては、実は短期記憶ってのはものすごーく重要な役割を果たすんですね。元マイクロソフトのExcel開発者で有名なジョエル・スポルスキーも言っていますけれども、例えばブログラムを書いている最中には、変数名、データ構造、ロジック、重要なAPI、関連するファイルの場所などなど、大量の情報を短期記憶のバッファに展開しているわけです。もちろんそれ以外にも仕様書を書く時・テスト設計をする時なども同様に、脳内の短期記憶領域をフル活用します。

■ツールによる補完や検索に頼る

 多分、20年前だったら僕もプログラミングなんて全く無理だったでしょう。しかしながら、現代は強力なツールが揃っているおかげで、自分で書いた変数名や関数名は覚えておかなくてもツールが補完してくれますし、いざとなったらどう書いたか忘れたコードをツールで全文検索してもたいして時間もかかりません。そう、ツールによる補完や検索は僕にとっては単なる時間の節約ではなく、それがなければ文字通り仕事にならないのです。

■ピンと来た!けど・・・

 あと、作業中に思いついたこととか、気になったこととか、放っておくと20秒後には忘れてます。その中に重大なバグとかあったりすると大変です。突発的に入ってくるタスクなんかも同様です。油断すると、まるで底に無数の穴の空いたバケツに入った砂のごとく、サラサラ〜と記憶から抜け落ちて風に舞って消えていきます。

■付箋だらけの液晶ディスプレイ

 ということで、急いで消える前に何とかしなければいけません。そこで僕が使っている手段は、付箋です。とにかく、何か思いついたり、タスクが入ったらすかさず付箋に書き出して、見える位置に貼ります。だから、机の上の液晶ディスプレイはいっつも付箋だらけです(笑)。常時15〜20枚くらいはありますね。

 1つのタスクが終わると、次の付箋を見て作業して、その作業中にも気づいたことがあったら新しい付箋を貼って、終わったら剥がす。その繰り返しです。

 別にパソコン上でTodo管理ソフトなんかを使ってもいいかもしれませんが、作業中のデスクトップやウィンドウをいじらないで済んだり、並べ替えが簡単だったり、一覧性が良かったりすることなどから、僕は物理的な紙の付箋が好みです。

 ちなみに、剥がした付箋のうち重要なものは手のひらサイズの小さいノートに日付ごとに分けて貼ります。これがTodoノートならぬ「Doneノート」。過去にやったことも忘れちゃうので、やったことを思い出すのが必要な時に見返すためです。

■付箋が机まで占領

 そういえば、昔派遣エンジニアでテスターをやっていた時は、テスト中に思いついたパターンを次々と書き留めるため、付箋の数が増えすぎて液晶ディスプレイでは足らず、机の上まで数十枚の付箋で埋め尽くされていました。その時は炎上プロジェクトで大変でしたけれども、チームメンバーからは、確実なテストをしてくれたとありがたい評価を頂くことができました。

 ということで、結局何が言いたかったのかというと、記憶が苦手なエンジニアでも大丈夫、という話でした。自分は忘れっぽいんだよなー、と思っているエンジニアの方がいたら、参考になれば幸いです。欠点をうまく補って、IT技術の世界を楽しみましょう。

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