町工場から大企業、そして派遣社員も経験した現役派遣社員の壮絶体験

ホワイトな大手企業へ転職!その82 技術部がダメなんだ!

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「技術がいけない!」班長が言った、こうなったのは技術部がいけないからだ!と、最初、私は何故そんなこというのか意味がわからなかった。しかし班長は「現場なんて技術が決めて作ったことを生産するだけだ。技術が新しいもの、目玉商品の開発もなにも出来ずにここまできた結果だ!」確かに言われてみればその通りかもしれない。現場なんていうのはどこの会社もだいたい同じだろう。製品を量産するのが現場だ。それを顧客が買う。

しかし、いつまでも顧客は買うわけではない。飽きてしまえばその製品はそれまで、そして次の新製品に行く。その次の新製品がこの会社にはなかったのだ。一つの製品にこだわり、そのためにわざわざ大型の機械を納入したり、人員を増やしたり、要するに一つ売れた製品だけで会社がいつまでも儲かるとでも思っていたのかもしれない。実際に儲かりすぎていたくらいだったので経営や技術力なども麻痺していたのかもしれない。とにかく「作れ!作れ!」と煽られていたからね。昭和の初期だったらそのやり方でよかったのかもしれない。しかし今は時代の流れがほんとに早い。数か月前に買ったパソコンがすでに旧型となるような時代だ。とにかく消費者は次に出てくるものに期待している。その期待に答えるのが供給側だ。

それがこの会社はできなかったのだ。毎日、日付が変わるまで残業して、休日出勤は当たり前で仕事をしていた技術部門。そこまで仕事していて何も進歩がないのだ。一体何をしてたの?班長の言ったことが理解できた。何もしていなかったんじゃねえの。。。普通なら、製品が売れているときは技術は力を温存して、売れなくなったら一気に技術力を発揮して次の新製品へと開発を進める。それが理想だと思うのだが、この会社は違っていた。売れていても技術部は日付が変わるほど残業し、休日出勤も当然のごとく、であった。ところが製品が売れなくり製造部門が暇になると、技術部も暇になってしまうのだ。

普通はこんなときこそ技術が新たに頑張らなきゃいけないのに、技術部はなにもしなかったのだ。しかし、技術部が何もしなかったのは理由があった。何もしなかったというよりは、出来なかったのだ。何故かというと、不景気で予算が削られ技術部も残業規制がかかってしまいほとんどの技術部員が定時で返されていたからだ。身動き出来ない状態になってしまったのだ。それでも私たち現場の人間は、こんな大手企業が潰れるなんて微塵も思っていなかった。

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