086.日本の労働報酬制度

初回：2020/07/20

1.ボーナスカットって、マジですか？

　先週の『エンジニアカウンセラー白栁隆司』さんの記事ですが、関連する話をしたいと思います。

　≪参考資料1≫
　　https://el.jibun.atmarkit.co.jp/korezama/2020/07/korezama0046.html
　　生き様046. どうしてこうなるニッポン！～日本の労働報酬制度編～
　　エンジニアカウンセラー白栁隆司

P子「パクパクシリーズでも始めるの？」（※1）

　パクパクではなく、参考資料です。

　このコラムの最後のまとめを、パク...いや参照すると、

　・労働者が労働をコントロールできる様になって欲しい
　・企業は本当の意味で社員の健康的な暮らしを守って欲しい

　本当にそう思いますが、衝撃的なニュースが入ってきました。

　≪参考資料2≫
　　https://news.infoseek.co.jp/article/toyokeizai_20200716_363372
　　東京女子医大病院｢400人退職｣の裏にある混沌 医療スタッフのボーナスをカットした本当の訳
　　東洋経済オンライン / 2020年7月16日 18時0分

　≪参考資料3≫
　　https://news.infoseek.co.jp/article/bunshun_39064/
　　【400人退職希望の実態】東京女子医大コロナ看護師「メンタルは限界で給料は3万円以上減額。病院には怒りしかない」
　　文春オンライン / 2020年7月17日 18時30分

　≪参考資料4≫
　　https://news.infoseek.co.jp/article/bunshun_39088/
　　東京女子医大、一転ボーナス支給検討へ　退職希望400人は「予測値を立てている中で出た人数」
　　文春オンライン / 2020年7月18日 1時25分

　あれだけ大変な目に遭いながらも頑張っていた医療スタッフのボーナスをカットして、総額1000億円を投入して、大学施設の建て替えや移転などの再整備を進めているが、今年2月に完成した新校舎の改修工事で6億2000万円をかけて、新たに理事長室などを設置しているという。(≪参考資料2≫)

　≪参考資料4≫では、否定されていますが、そもそも、ボーナスのカットを『発案』出来るというのが『素晴らしい発想力』だと、感心せざるを得ません。周りが騒がしいので『前向きに検討する』そうですが、お役所言葉でないことを、祈ります。

　≪参考資料5≫
　　http://agora-web.jp/archives/20356982.html
　　お役所言葉の意味を理解する！

　もう一度、引用しておきます。

　・労働者が労働をコントロールできる様になって欲しい
　・企業は本当の意味で社員の健康的な暮らしを守って欲しい

2.時給とか日給月給とか

　日本の労働報酬制度の多くは、時給とか日給月給というのは、ご存知の通りでしょう。ウイズコロナで自宅で何をしているのか判りにくくなってくると、この制度が崩壊するのか、在宅勤務が崩壊するのか判りませんが、見直す機運が高まることは確かでしょう。

　時間給と対比するのが、能力給とか成果報酬という制度ですが、その場合の最大の心配事は、現状の管理職と言われている人達は『当然、管理ができないわけですから、評価ができるわけがありません。』(≪参考資料1≫)と言う事です。

　例えば、下記の例なんか、典型的だと思います。

　≪参考資料6≫
　　https://el.jibun.atmarkit.co.jp/horus/2020/07/post_176.html
　　とあるデグレ防止会議の話を聞いて「無理だろ」と思った話
　　ヒエログリフ -エンジニア版-　Horus

　この中で、『毎日、二時間かけて行っている資料のチェックが五分で済むようになりました。』との事ですが、これが評価されない。日本の管理職の無能ぶりが手に取るように判ります。

　時間給の場合、能力のある社員が時間をかけて働けば、それだけの成果が出ます。かかった時間分の給与も出ます。所が能力給にしてしまうと、本当に役に立っていた社員が正当な評価を受けずに給料が減る可能性があります。また、目立つ仕事や難しいと言われる仕事が評価され、裏方の仕事や長期的に時間のかかる仕事、コロンブスの卵的な発想の転換で解決した仕事(＝能力として評価されない成果)が評価されない事になるかもしれません。

　もう一つ『難しい課題』を細分化して『簡素化』して対処した場合でも、簡単な仕事をしたという評価しかされない可能性があります。

　≪参考資料7≫
　　https://el.jibun.atmarkit.co.jp/horus/2020/04/post_149.html
　　タスクの細分化ができない人が多いらしい
　　ヒエログリフ -エンジニア版-　Horus

　Horusさんのストレスが、まずます増える事間違いなしでしょう。

P子「なんかちょっと嬉しそうにしてない？」

　そんなことは無いようなことは無い感じもしないでもないかもしれないこともない気がします。

　では、どうするのが、良いのでしょうか？

　私は、ベーシックインカムを信奉していますが、現実的にはまだまだ無理なので、消費税減税や累進課税による富の再配分、相続税の累進率の増加などを希望しますが、それらも難しそうなので、まずはアトキンソンさんの提唱される最低賃金引き上げで、手を打ちたいと思います。

　≪参考資料8≫
　　https://news.infoseek.co.jp/article/president_36842/
　　D･アトキンソン｢最低賃金引き上げで､日本は必ず復活する｣
　　プレジデントオンライン / 2020年7月19日 11時15分

　アトキンソンさんのお話、過去に何度か取り上げさせていただいていますが、賛同する部分が多くあります。何が言いたいかと言うと、無能な管理職の元で能力給とか成果報酬とか【ホワイトカラーエグゼンプション】（「残業させ放題制度」）とかを導入するより、時間給のままで最低賃金を引き上げる方が、企業として業務の効率化を真剣に進める事になると思います。

　そうなれば、二時間かかっていた処理が五分で終わるような対応を評価するようになるかもしれません。Horusさんのストレスも、少しは和らぐかも知れません。

P子「なんかちょっと悲しそうにしてない？」

　そんなことは無いようなことは無い感じもしないでもないかもしれないこともない気がします。

ほな、さいなら

======= <<注釈>>=======

※1 P子「パクパクシリーズでも始めるの？」
　P子とは、私があこがれているツンデレPythonの仮想女性の心の声です。