今、話題の人工知能(AI)などで人気のPython。初心者に優しいとか言われていますが、全然優しくない! という事を、つらつら、愚痴っていきます

368.『葬送のフリーレン』から学ぶビジネススキル(8)

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初回:2024/06/12

 『葬送のフリーレン』を、1話づつ振り返りながら、ビジネス的な考え方を伝えていこうという企画です。

 今回は、第8話 『葬送のフリーレン』に基づいて話そうと思っています。

P子「タイトル回収のお話ね」※1

#08 葬送のフリーレン

 あらすじ
 https://frieren-anime.jp/story/ep08/

1.実戦経験が少なすぎる

 牢屋に閉じ込められているフリーレンに、魔族のドラートが現れます。ドラートの魔力の糸がフリーレンの首を切り落とそうとしますが、魔力を首に集中させることで切断を食い止めます。それでも魔力の糸に絶対的な自信を持つドラートは、『お前の魔力ごと、その首を断ち切ってやろう』とさらに力を込めます。

 『今の魔族はダメだね。実戦経験が少なすぎる』

 フリーレンは、魔力の糸ではなく腕を切り落とすことで、あっさりドラートを葬ります。

 ドラートの魔力が検知できなくなったリーニエはリュグナーに報告します。そして『バカだね。 油断し過ぎだ』と言いますが、リュグナーは『私たちはアウラ様の懐刀、首切り役人だ。 油断した程度で死ぬと思うか』と答えます。

 一方、フリーレンは衛兵殺しを疑われるのが嫌なので牢屋から抜け出していたところを、フェルンに見つかります。そしてフリーレンは『面倒臭いから、私は街を出るよ』とこの街を見捨てるような発言をします。フェルンが引き留めようとすると、フリーレンは『ん? フェルンたちで倒せばいいじゃん』とそっけなく言います。シュタルクが『俺たちが、敵うような相手じゃねぇって』というと、フリーレンは『相手が強かったら戦わないの?』と言って、立ち去ろうとします。

 『それに、私は2人があいつらより弱いなんて微塵も思っていないよ』

 土下座までして泣いて頼むシュタルクを『往生際が悪いですよ。 腹をくくりましょう』といってフェルンは引きずっていきます。

P子「フリーレンって、厳しい師匠ね」

 エンジニアにとっての実戦経験って、何でしょうか?

 今回、ドラートは人類では対処できないほどの強力な魔力の糸を持ちながら、かつリュグナーが指摘したように油断した程度で死んだのではないとすると、何が足りなかったのでしょうか?

P子「実戦経験が少なすぎたんでしょ」

 正解です!

P子「ものすごく単純なタイトル回収ね」

 では、ドラートはどうすべきだったんでしょうか?首をいきなり狙うのではなく手足を拘束するとか、おしゃべりする暇もなく不意打ちするとか考えられますが、フリーレンほどの手練れであれば、どんな方法を使ってもダメだったと思われます。つまり、実戦経験があればリュグナーの様に相手の力量を考え、何もせず牢屋に拘束させておくのが、一番良い戦略だという事でしょう。それが判らないレベルというのが、実戦経験の少なさという事でしょう。

 実戦経験のあるエンジニアなら、自分の力量も理解できていることでしょうし、納期の見積もりや要求仕様の精査なども含まれますが、勇気ある撤退というのも考えられます。

 例えばフリーレンも勇者一行と魔王討伐の旅の途中で、腐敗の賢老クヴァールに負けています。負けているとはいっても封印することで一時撤退しています。そういう強い相手との戦いの積み重ねが実戦経験という事でしょう。

 つまり、必ず出来る事だけをやっていても、実戦経験にはならないと思っています。

P子「ならないって言うのは、少し言い過ぎじゃないの?」

 自分の力を見極めるには、今の自分では無理と思えることに挑戦する必要があります。すると、失敗したり負けたり一時撤退したりすることもあるでしょう。そのような経験が実戦経験だと思います。

P子「それって、失敗することも許容する必要があるってことじゃないの」

 その通りです。時には失敗することもあるでしょう。それでも、そのような経験を積むことが重要です。

 フリーレンが、リュグナーとリーニエを『フェルンたちで倒せばいいじゃん』と言ってのけたのは、2人を信頼していたからでしょう。

P子「でも、負けて死んじゃったら経験にもならないんじゃないの?」

 そのような場合には、きちんと逃げるという事も教えてあったんじゃないかと思っています。

 なので、エンジニアには実力相当、それ以上の実践経験を積ませるとともに、負ければ撤退できるという手段も残しておくことが重要だと思っています。

P子「フェルンも、フリーレンとの旅の中で、実戦経験の重要性とか覚悟を決めるとか理解していたのね」

2.まとめ

 実戦経験を積ませるには、失敗を許容する必要がありますし、失敗自体が致命傷にならない手段も残しておく必要があります。

 これは、本人の問題というより、上司や組織として取り組むべき課題ですが、なかなか難しいです。というのは、すでに時代の方向として社会が失敗を許容できなくなってきていると思います。

P子「社会全体に失敗を許容できる余裕が無くなってきているのよね」

 高度経済成長の時代とか、昭和が良かったなどというつもりはありません。しかし、失敗が許されないなら、その枠組みの中で実践経験を積む必要があると思います。そういう経験が積めないのを、上司や組織の問題ととらえるのではなく、自分で出来ることを粛々と取り組む必要があると思います。

P子「結局、自分のできる範囲で出来ることを行う必要があるってことね」

 大変ですけど、そういう事です。

 ほな、さいなら

======= <<注釈>>=======

※1 P子「タイトル回収のお話ね」
 P子とは、私があこがれているツンデレPythonの仮想女性の心の声です。

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