今、話題の人工知能(AI)などで人気のPython。初心者に優しいとか言われていますが、全然優しくない! という事を、つらつら、愚痴っていきます

087.効率を優先すると本質を見失う

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初回:2020/07/22

1.絵日記

 以前、質とスピードのお話をしましたが、今回はダメダメな昔話です。

 https://el.jibun.atmarkit.co.jp/pythonlove/2020/07/083_1.html
 083.凡人は質とスピードのどちらを優先すべきか

P子「ダメダメな昔話って、何年くらい前のお話?」(※1

 今から、45年位前のお話でしょうか?

 そんな大昔のお話って、思われたかもしれませんが(私も同感です)つい最近の様な感じがします。

 今はあるのか知りませんが、小学校の夏休みの宿題で、絵日記と言うのがありました。B5程度のノートの上に絵を描く欄があり、下は罫線が書いてあって文章を書くというあれです。

 毎日1ページ分の絵と文章を書くのですが、別段大したことではありません。それこそ適当に書いておけばOKなんですから。

 その中で、最大の問題は、天気と気温を書く欄があった事です。

 普通に毎日書いていれば問題ないのですが、2~3日書くのを忘れたりすると、天気は記憶に残っていても、気温は判りません。そこで、新聞の天気予報欄から、天気と予想気温を拾い出します。当時は、廃品回収業者が来る時まで新聞はきちんと残してあるのですが、場合によっては大根が包んであったりして、すぐに見つからないケースもありました。

 特に厄介だったのが、廃品回収業者は気ままに来るため、いつ新聞がなくなるか判らなかったことです。新聞で確認できると思い込んでいた分、書き漏れ期間も1週間とか長くなっていきました。夏休みなんて、曜日感覚もなくなる為、天気も思い出すことが出来ません。ましてや気温なんて...

P子「肝心の絵日記の方は大丈夫なの」

 そちらは大体毎日同じ遊びをしていたので大丈夫ですし、そもそも、私が何をしていたかなんて先生には判りませんから、適当です。でも、小学生なりに、天気や気温などの事実を確認できる項目は、先生もチェックするだろうと思い込んで、正確に記載しようと頑張っていたのだと思います。

 そんなこんなで乗り切ったのですが、それで味を占めたのか、翌年は日記の日付欄だけ先に全て埋めておき、その日の新聞から天気と予想最高気温を見て、絵日記に書き写しておき、絵と本文は後で書くスタイルになりました。夏休みの終わりに、一気に絵と文章を仕上げるのですが、雨の日は室内で遊んだことにして、晴れの日は公園などで遊んだことにして、内容も充実していきました。

P子「遊んでばっかりはいいとして、やってもいないことで充実してもねぇ」

 それでも、お盆は両親の里に泊まりで帰ったりしていたため、書き漏れが発生します。その場合は、現住所の天気なんて判りませんので、その期間だけ捏造です。

 さらに味を占めた翌年は、天気も気温も絵も文章も、オール捏造になりました。内容もきちんとメリハリをつけて、頑張って遊んだ日の翌日はゆっくりした日を挟んだり、雨の日を2日連続にしたり、気温も晴れ、雨、曇りと変動させ、同じ気温がかぶらないように注意深く配置しました。

P子「努力の方向が間違ってるわね」

2.漢字の書き取り練習帳

 もう一つ、漢字練習帳と言うのがありました。これは、同じ漢字を見開きページに、100文字書くというものです。当時は『ゲシュタルト崩壊』なんて用語も知りませんでしたが、最後の方は訳が分からなくなってきました。

 そこで、効率重視で横棒や縦棒を一気に書くことにしました。例えば、土 という漢字を書く場合、

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 を書いて、後から、縦棒を入れていく...みたいな感じです。

P子「ところどころ、士 とか、干 が混じるのよね」

 その結果、今でも字が下手くそになってしまいました。自分が書いた文字でも、3日以内でないと解読不可能になっています。

P子「最近はパソコンばかりだから、さらに悲惨よね」

 ほっといてください。

3.夏休みの宿題の仕方

 小学校も高学年になるとそれなりに宿題が出ます。私は根が真面目なので、やるべきことを残したままでは遊びに集中できない性格です。そこで、宿題が出れば、出来るだけ早くやり終えます。たぶん、7月中には全てやり終えていたと思います。当然、天気も気温もオール捏造でばっちりです。そして、新学期(当時は3学期制)が始まる頃には、すっかり勉強内容を忘れていました。

 うちの子は、ギリギリまで宿題をしません。登校日までに仕上げればよいとか言っていたのが、初授業までに仕上げればよい、初回は持ってくるのを忘れたことにして、2回目までは猶予がある...などといった調子です。

 ですが、今考えると、その方が授業が始まる直前に習ったことを思い出すことが出来、授業にもスムーズに適応できるのではないかと思い直してきました。

P子「でも、毎年毎年、間に合わん間に合わんって、半泣きで宿題してたんでしょ」

 まあ、夏休みの最初に宿題は手伝わない宣言してますから、仕方ないでしょう。半泣きで宿題をしている姿って、愛おしく感じますよ。

4.効率を優先すると本質を見失う

 本題ですが、絵日記も漢字練習帳も夏休みの宿題も、ある『目的』に対しての『手段』として与えられた課題です。『目的』を達成するために『手段』を模索するのは良いのですが、『手段』の達成を『目的』化して『手段』を模索すると、本質を見失うという事です。

 つまり、この『目的』を常に意識づけておかなければいけないということですが、この『目的』自体も何らかの『手段』であり、さらに上位に『目的』が存在しています。

 手段:宿題を出す
 目的:新学期にスムーズに授業についていけるようにしておく

 手段:新学期にスムーズに授業についていけるようにしておく
 目的:勉強で良い成績を収める

 手段:勉強で良い成績を収める
 目的:上位の良い学校に進学する

 手段:上位の良い学校に進学する
 目的:大企業や一流企業に就職する

 手段:大企業や一流企業に就職する
 目的:安定した生活基盤となる高収入を得る

 手段:安定した生活基盤となる高収入を得る
 目的:幸せな人生を送る

P子「大企業や一流企業に就職するって、昭和の香りがするわよ」

 まあ、一例です。

 ここで『上位の良い学校に進学する』為に裏口入学しても、最終目的がかなえられるかどうか判りません。しかし最終目的を叶えるための手段が『安定した生活基盤となる高収入を得る』だけとは限りません。

 もちろん、『幸せ』の定義も人それぞれで違いますから、ゴールも手段も異なってきます。ただ、最終目的を達成するためには、手段は選んだほうが良いという事だけは、確かだと思います。

P子「あなたの場合、効率重視と言うか、単なる手抜きでしょ」

 ほっといてください。

ほな、さいなら

======= <<注釈>>=======

※1 P子「ダメダメな昔話って、何年くらい前のお話?」
 P子とは、私があこがれているツンデレPythonの仮想女性の心の声です。

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