370.『葬送のフリーレン』から学ぶビジネススキル(10)
初回:2024/06/26
『葬送のフリーレン』を、1話づつ振り返りながら、ビジネス的な考え方を伝えていこうという企画です。
今回は、第10話 『強い魔法使い』に基づいて話そうと思っています。
P子「ついに、アウラと決着がつくのね」※1
#10 強い魔法使い
あらすじ
https://frieren-anime.jp/story/ep10/
1.要は組織をまとめる偉いヤツが必要ってことだ
フリーレンの故郷が魔族の将軍に襲われた。将軍は倒したが、フリーレン自身も深手を負っていた。そこに通りかかったのが後に師匠となるフランメだった。
「すごい魔力だ。お前強いだろ? 魔族と正面から戦ったのか」「くだらねぇ。とんだバカだな」「どうして正面から戦いたがるかね。逃げる、隠れる、不意打ちする。いくらでも選択肢はあるだろうが」「強い魔法使いの気持ちは分からねぇ」とフランメが問いかけると、フリーレンは「あなたには、私の気持ちが分かるはずだ」「あなたの方が、遥かに強い魔法使いだから」と答えた。
フランメが「どうして、そう思った?」と問いかけると、フリーレンは「何となく」と答えた。
P子「ここのやり取りって、結構好きなのよね」
フランメがフリーレンを背負って歩いていると、今まで姿を隠していた魔族が現れた。
魔族が「人間の魔法使い、そのエルフの女を置いていけ」というと、フランメは「そうしたら、見逃してくれんのか」といい、フリーレンを降ろした。
P子「第5話『死者の幻影』の回で、フリーレンが師匠の命乞いは聞きなれていると言っていた意味が理解できたわ」
丘の上に立つ魔族を、一瞬で丘ごと吹き飛ばしたフランメを見たフリーレンは「体外に放出する魔力を制限して、強さを誤認させた」とつぶやいた。フランメは「相手が認識した魔力の誤差で欺いて殺す。誇り高き魔法を愚弄した卑怯で最低な戦い方だ」といった。
そして、フランメとフリーレンの修行が始まった。
フランメとフリーレンが町を歩いているとき、フリーレンがフランメに問いかけた。「魔族ってずる賢いんだよね。何で師匠みたいに常に魔力を制限したりしないんだろう」。するとフランメは「できねぇのさ」と答えた。
「魔族は個人主義の世界といっても、人類と戦うための最低限の組織的なつながりを持っている。組織に必要なものって何だと思う?」とフランメが問うと、フリーレンが「秩序かな」と答える。「そうだ。要は組織をまとめる偉いヤツが必要ってことだ」
P子「今回のコラムのサブタイトル回収ね」
この『組織をまとめる偉いヤツ』というのが、魔族では魔力量であり、人間の世界では着飾って見た目で分かるようにする必要があるってことでしょう。サラリーマンなら、課長や部長という役職でしょうが、その役職に就けるかどうかは、やはり見た目という事になります。
P子「いや、そんなことないでしょ」
この、見た目って、姿かたちだけではなく、人にも『何となく』という感覚があるみたいです。
P子「それって、フリーレンがフランメの強さを見抜いたり、ヒンメルがフリーレンの強さを見抜いたように?」
魔族が魔力を正確に観察した結果、フリーレンの強さを見抜けなかったのは、人を外見だけで判断した結果であり、実はそれ以外に色々な要素が隠されているように感じます。ただ、すべての上司が正確にあなたの力を見抜いているとは限りませんので、ある程度の外見と言動は必要です。
2.お前の前にいるのは、千年以上生きた、魔法使いだ
アウラが自身の魂とフリーレンの魂を『服従の天秤』に乗せた。フリーレンが「嬉しそうだねアウラ。勝利を確信しているの?」と問うと、アウラは「今に分かるわ」と答えた。
アウラもフリーレンの魔力を観測し、制限特有の不安定さも僅かなぶれも感じなかったし、そもそも、初めて表舞台に姿を現したのが80年前で、修行を積んだとしても、せいぜい100年程度と判断したうえで、さらに魔力を消費させることまでしていた。
P子「フリーレンの方が一枚上手だったってことね」
師匠も「目立たぬように生きろ」と言っていた効果が、1000年後に現れるというのもすごいことです。
さて、人は見た目で判断されるのですが、それだけでもありません。
P子「ビジネススキル的には何があるの?」
見た目も重要なんですが、見た目だけでは判らない事もあります。アウラが自害させられた原因は、見た目だけで判断したからです。その見た目以外をどうやって手に入れたかというと、フリーレンが1000年かけて魔力制限を続けたことです。
なので、あなたも、1000年間、修行を続ければ、きっと大成することでしょう。
P子「エルフじゃなきゃ、出世できないの?」
後で出てきますが、エルフと人間では時間の感覚も流れも違います。なので、人間であるあなたも大丈夫です。知らんけど。
例えば見た目を整え、上司に取り入ろうとしても、その場限りのごまかしというのは何となく相手に気づかれてしまいます。ですが、長い間、そのような態度を取り続けている場合、その態度が自然に見えます。それ自体が本当の姿という事が言えると思います。
3.まとめ
人の順列は見た目で判断せざるを得ない事が多いのですが、見た目だけでは判らない、何となくの感覚というものがあります。その何となくは、長い間の努力によって身に着けることができます。
P子「結局、見た目なの?そうじゃないの?」
見た目でだまされる人もいるので、見た目は大切ですが、それを何となく感じ取る人もいるので、日々の修行も大切という事です。この日々の修行の成果が、自然体で出せるようになると、何となくそれを感じ取ることのできる人に出会えれば、出世できることでしょう。
ほな、さいなら
======= <<注釈>>=======
※1 P子「#10 強い魔法使い」
P子とは、私があこがれているツンデレPythonの仮想女性の心の声です。
コメント
user-key.
フランメやフェルンが人間でありながらあれだけ強いのには、どれだけ「濃い」事を経験しているか?だと思う。
今の日本じゃ、魔力量ではなく資本量で強さが決まってくるのが。。。ましてや、親ガチャで将来の選択肢がかなり変わるし。
ちゃとらん
user-key. さん、コメントありがとうございます。
> どれだけ「濃い」事を経験しているか
そうですね。最近、だらだらと時間を無駄にしている気がしているので、反省しきりです。
> 今の日本じゃ、魔力量ではなく資本量で強さが決まってくる
何となく昔は努力すればそれなりに報われた気がしますが、今ではスタート時の差が時間とともに開く一方な気がします。
user-key.
昔は努力をすれば…というより、マニュアル(≒公式?)人間が少なかった様に思います。
今はマニュアルに適応する「普通」でなければならないと「均一化」され、はみ出したものは「想定外」と認められなくなっているような気がします。
「スタート時の差」はベクトルの方向(得意分野)が違うだけだと思うんですが、上に立つ者や教える者は、実数(一般学力)しか見て無く、虚数方向(学校の勉強に出てこない部分)は見えてない事が多いのではないかと。
「こいつ全然あかんねん」と言われている人も虚数単位をかければ大化けすると思ってます。(今までよい師匠に逢わなかっただけじゃないかと)
ちゃとらん
user-key. さん、コメントありがとうございます。
実数能力と虚数能力という説明、非常に判りやすく、面白い発想です。
# 理数系の方には判りやすいのですが、一般人に判るかどうかは、考えどころです。
ベクトルで説明した方が、判りやすいのかな? それも難しいか・・・・
少なくとも、エンジニアライフで使う分には、問題ないと思いますので、どこかで使わせていただきたいと思います。
> 今はマニュアルに適応する「普通」でなければならないと「均一化」され、はみ出したものは「想定外」と認められなくなっているような気がします。
個性を求めるとか、自分らしく(LGBTQ関連)とか言ってるのに、不倫したとかで叩きまくってますよね。
# 犯罪はNGですけど、不倫なら当事者同士の問題だと思うんですけど・・・
それに、〇〇ハラスメントとか、少し神経質すぎる気がします。
# まあ、昭和の感覚がまだ残ってるだけかもしれませんけど。