フロー制御が必要なのは、データ通信の世界だけではない
凝り性で好きなことにはいくらでも没頭できる、というエンジニアは多い。そういうエンジニアがプロジェクトに参加して、プロジェクト内での役割がうまくハマると、技術的な課題を次々と解決してくれたりしてとても心強い。
■フロー状態
しかしその反面、そういうエンジニアはプロジェクトにとって大きな危険要素でもあることが多い。なぜならそのようなエンジニアは、自分の作業に没入すると、すぐにフロー状態に突入してしまうのだ。
フローというのは、まぁ武道の達人で言えば無我の境地。長嶋茂でいえば「ボールが止まって見える」状態だ。「ゾーンに入る」ということもある。
スポーツの世界ではかなり前から、いかにして選手をフロー状態にするかという研究が行われているようだが、とにかく普段では考えられないような、限界を突き抜ける力を発揮できるようになるのだ。
■フロー状態に突入したエンジニアは手がつけられない
フロー状態に入った武術の達人は、相手の動きがゆっくりと見えるらしい。長嶋氏に至っては、ピッチャーの投げたボールが止まって見たというからすごい。とにかくフロー状態に入った人の頭の中では、時間がゆっくり流れたり、止まったりしててしまうわけだ。だからこそ危険なのだ。
自分の中では時間は止まる。そして、プロジェクトとか工数とか納期とか予算といったものは一切消し飛んでしまう。しかしそのとき、外の世界ではいつも通りに時間は流れているのだ。
もちろん、フロー状態が悪だといいたいのではない。いい仕事をするためには大切は要素だ。しかし、フロー状態に入ったエンジニアを野放しにしておいては、プロジェクトに支障を来すこともあるので適切にコントロールすることは絶対に必要だ。
フロー制御というと、ITの世界ではデータ通信のコンテキストで語られることが多いが、このようにプロジェクトマネジメントのコンテキストでも、フロー状態に入りやすいエンジニアをどうコントロールするか、というテーマについて語られるべきものだと、わたしは考えている。
ところで、わたしはユニットテストが大好きだ。これからテストを書き始めるから、どうか邪魔をしないでくれ給え。
わたしの前には、コードと、その中を跳ね回りながら刻一刻と姿かたちを変えていく愛すべきデータたちしか存在しない。コードとデータとわたし。それがすべてなのだ。
コメント
仲澤@失業者
自分もそうなっちゃいますね。
他人からは「トランス状態」とか「何か降りてきている」なんて言われます。
自分の場合は、「パソとコンパイラと私」ですが、
声にしてみると、平松愛理さんの歌の題に似ているかもしれません。
-->「部屋とYシャツと私」
(^^;)