自分の世界をインストールしてみよう
私はアート方面に関してはあまり詳しくないのだけれど、インスタレーション作品を観る(というか、体験する、という方が正しいのかな?)のは大好きだ。
インスタレーション(installation=インストール)というと、なんだか漠然としていて分かりにくいが、要するに作家がその場に自分の思い描く世界をインストールすることだ、と私は捉えている。
だから私にとって、インスタレーション作品の良し悪しは、インストールされた世界が私の好みに合っていて、楽しめるかどうかにかかっている。
そんなわけで、自分好みの世界をたくさん発見するために、ICCなどで行われるアートイベントにはちょくちょく足を運ぶし、トリエンナーレやビエンナーレといった芸術祭があれば、少し遠くても、できるだけ訪れるようにしている。ついこの前の日曜日、7/26から始まった「大地の芸術祭(越後妻有アートトリエンナーレ)」も、初日から3日かけてクルマで回って来たばかりだ。
たとえばこの「大地の芸術祭」の、廃校となった小学校の校舎全体を使った『最後の教室』という作品では、まるでホラゲーの世界に紛れ込んだ錯覚を受けるし、コインランドリーを舞台とした『憶測の成立』という作品では、かなり「してやられた!」という気分を味わうことができる。
そのようなインスタレーション作品の中には、ITテクノロジーを効果的に活用したものもたくさんある。ある意味、デジタル系のインスタレーションを手がけるアーティストは、エンジニアなどよりもよっぽど純粋に、妥協せずにテクノロジーに正面から向き合っているように見えたりもする。
我々エンジニアも負けてはいられない。たまには仕事ではなく、純粋に、目一杯テクノロジーと戯れてみるのもいいのではないだろうか。目標は、もちろん自分の思い描く世界をインストールすることだ。規模の大小は関係ない。パソコンやスマホの中だけだっていいのだ。