「生活イチバン、ITニバン」という視点で、自分なりのITを追及するフリーエンジニアです。ストレスを減らすIT、心身ともにラクチンにしてくれるITとはどんなものかを考えていきます。

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■IT用語を子どもの名前にする?

 日本ではDQN...ではなくてキラキラネームが何かと話題になるが、最近『米国でIT用語を子どもに名付ける親が急増中』というニュースがネットを流れた。

 そういえば、数年前のいわゆる『Facebook革命』後にエジプトで生まれた赤ちゃんがFacebookと名付けられてニュースになったのを思い出した。

 「IT用語ってことは、ひょっとしてTCP/IPとか、HTMLとか、SQLとか、そんな名前を付ける親が出現したのか?」と胸を躍らせて記事を読んでみたら、それほど激しいものではなかった。

 どうやら、アメリカで赤ちゃんの名前にApple、Mac、Siriといった名前を付けるヒトが増えているという話だ。

 日本のDQN...もとい、キラキラネームのフリーダムさに慣れてしまった私としては、もっとぶっ飛んだ名前を期待していたので、ちょっと肩透かしを食らった気分だ。

 というわけで、今回は元ネタであるBabyCenterのレポートを少し拾い読みしながら、子どもの名前について考えてみよう。

■ゲームのキャラってわりと普通に聞こえる

 まずはHottest baby name trends of 2012というレポート。

 この中の『iBabies』という項目にAppleちゃん、Macくん、Siriちゃんの名前が出てくる。

 まぁ、このあたりについては、日本でも、椎名林檎ちゃんやマック赤坂さんなどの例もあり、それほど奇抜なものには感じられない。(ん?なんかちょっと違うような気もするけど、なにが違うのかよくわからないから次に進もう。)

 次に、同じレポートの『Game on!』という項目を見てみよう。任天堂で遊んでいた世代が親になって、ゲームのキャラを子どもにつけているという話だ。

 ゼルダの伝説のZeldaやLink。マリオブラザースのMarioにDaisy。トゥーム・レイダーのLara、ストリートファイターのRyuやKen。ファイナルファンタジーのBarrett。

 また、バイオハザードの映画の公開もあって、Valentine、 Ada、 Brad、 Albert、 Leon、 Barry、Chrisのランキングも上昇したとか。

 いずれにせよ、この手のゲームのキャラ名は、欧米人が付けてもそれほど違和感なく普通に聞こえてしまう。付ける親としては、ドキドキして「俺ら普通じゃないよね」とか思っているのかも知れないが、日本人からみると、普通すぎて面白味はあまりない。

■IT企業のトップの名前をもらう

 1年巻き戻してHottest baby name trends of 2011を見てみると、『Geeking out』の項目が目に止まる。シリコンバレーの英雄たちの名前が好んで付けられているというのだ。

 アンディ(インテルのAndy Grove)、ゲイリー(シマンテックのGary Hendrix)、ジェリー(YahooのJerry Yang・・・現在はすでに退任)、レイ(HPのRay Lane・・・現在はすでに退任)、ピーター(PayPalのPeter Thiel)、エリック(GoogleのEric Schmidt)、スティーブン(AppleのStive Jobsのフルネーム)。

 しかしこれはもう、言われなければまったくわからないほど、ごく普通の名前だ。

 ただ、ここで面白いと思ったのは、日本との違いだ。日本でIT企業のトップの名前を付ける親はいるだろうか? というか、一般的な日本人はIT企業の名前は知っていても、その企業のトップの名前はあまり知らないだろう。

 それとも日本でも、エンジニアの間ではIT系の有名人の名前を我が子に付けているヒトもいるのだろうか。少なくとも、私の周囲には見当たらないのだが、調べてみたら面白いかも知れない。

■言語、OS、企業名

 次に、言語系はどうだろう。さすがにCOBOLやFORTRANはいない。多いのはRubyちゃんやAdaちゃん(おっと、これはバイオハザードの影響か)。それにPascalくんもぼちぼち。Perlちゃん、Delphiちゃん、Javaくん、Haskellくんはレアな感じだ。

 企業でいうと、AppleちゃんやGoogleくん以外では、Oracleちゃんも発見した。

 OSではLinuxくんが見つかった。これはさすがに少し驚いた。

 サイト内では登録されている名前を検索できるページBaby Names Finderがあるので、あなたも気になる名前を探してみてはいかがだろう。

■さすがにこれは欧米でも変だろ?

 さて、ここまで割と普通な名前が多かったが、さすがにこれは欧米でも変だろ、という名前が、Unusual baby names of 2012の中にある。

 Excelちゃん、Fedoraちゃん、Googleくん。やはりこれらは米国でも普通じゃないと認識されるようだ。ていうか、Excelちゃんって、どれだけExcelが好きなんだ?

 あとは、BabyCenterには登録されていないが、HashtagやFacebookなどはやはり変な部類に入るだろう。

 Twitterは残念ながら見つけられなかったが、TweetyちゃんはBabyCenterに登録されていた。おしゃべりな子に育ちそうだ。

■それでも日本よりはマシ

 それにしても、ここまで挙げた名前は、日本のDQ...キラキラネームと決定的に違うことがある。読めるのだ。日本人の私でも。

 それに引き換え、本邦のD...キラキラネームは日本人でも読めないものが多い。なぜなら、当て字が多用されているからだ。

 結局のところ子どもの名前に関しては、やはり日本がぶっちぎりの異常さを発揮しているように感じる。

 親としては、自分の持てるすべてのイマジネーションを膨らませてオリジナリティあふれるオンリーワンな名前をひねり出しているのだろう。

 そのネジの外れた感性と情熱を別の方面に向けたなら、誰も思いつかなかった製品やサービスのアイデアが出てくるかも知れないのに、と、ふと思ってみたり。

 そんなわけで、日本のITの現場から世界を驚愕させるiBabiesが誕生することを期待したい。

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