「生活イチバン、ITニバン」という視点で、自分なりのITを追及するフリーエンジニアです。ストレスを減らすIT、心身ともにラクチンにしてくれるITとはどんなものかを考えていきます。

IT業界の評判を上げよう

»

■IT業界は不人気なのか?

 IT業界は、3Kとか5Kとか7Kと称されて、どうにもマイナスなイメージが強い。そしてIT業界の中のヒトである我々自身が、そのイメージを払拭できずにいる。「きつい、帰れない、給料が安い、規則が厳しい、休暇が取れない、化粧がのらない、結婚できない」。まったく、ヒドイもんだ。

 いやいや、でもちょっと待ってくれ。これはこの業界特有の問題ではないし、この業界全体の問題でもない。

■誰がIT業界を悪くいうのか

 去年の秋、週刊プレイボーイに「長時間労働番付 今、一番働かされているのは誰だ!?」という記事が掲載され、SE・プログラマーは不名誉な第1位に選ばれた。

 業界にとって不名誉なこのような記事や統計が世に出ると、喜んでそれに飛びつき拡散しまくるヒトがいる。それは、我らがIT業界の中のヒトだ。IT業界には自虐的な人間が多いのだろうか。なぜ自分の属する業界を、そこまで卑下するのだろう。

■少年は大志を抱いている

 業界の中のヒトが自虐的な気分になっている一方で、この業界に熱い視線を向けるヒトたちもいる。

 ベネッセ教育研究開発センターの「第2回子ども生活実態基本調査(2009)」によると、男子高校生の「なりたい職業」第5位に「PG・SE」がランクインしている。「エンジニア」も第9位だ。2004年の調査では、「PG・SE」が12位で「エンジニア」は8位だった。エンジニアは2回連続でTOP10入りしているし、「PG・SE」は高い伸びをみせている。おそらく、スマートフォンやソーシャルネットワークの普及に後押しされて、今後はもっと高い人気を得るのではないだろうか。

■IT業界はおしゃれだ

 少年たちが夢みるように、この業界はオシャレで刺激的で魅力に満ちている。考えてもみて欲しい。今の世の中、何をやるにもITの力が必要だ。良きにつけ悪しきにつけ、ITはヒトの行動をデザインしているのだ。

 バスも電車もSuicaをかざせば乗れるようになった。コンビニの支払だってOKだ。音楽はiTunesで気に入った曲だけ買えばいい。大きな書店に行かなければ手に入らなかった専門書も、Amazonならワンクリックで手に入る。円高の今日この頃、海外のネットショップを利用して、ドルやユーロで決済すれば送料込みでも安くつく。旅の便りはFacebookやTwitterで、画像とともにリアルタイムで確認できる。

 ここ十数年の間に、我々のライフスタイルは相当変化してきたが、その多くにITシステムが関わっていることは紛れもない事実だ。我々は、そういう業界にいるのだ。

■まずはIT業界の評判を変えよう

 このように我々は、新しい流行をつくりだすパワーを秘めた、そして実際に多くの流行を作り出しているおしゃれな業界にいるのだ。もう一度言おう。流行の「最先端」ではない。その先を行く、流行を「作り出す」側にいるのだ。

 その自負心を持たない限り、日本発のおしゃれなサービスは、なかなか出て来ないだろう。

 新しい年を迎えたタイミングでもあることだし、今年からは、我らのIT業界を貶めるような自虐的な情報の拡散はやめて、業界の評判を上げる方向にもって行こうではないか。それがこの業界を目指してくれている少年たちに対する、我々の礼儀というものだろう。

あぁ、でも、いくら評判を上げたいからって業者を使うのはやめた方がいい。

Comment(5)

コメント

毘政

少なくとも、「給料安い」が何とかならないと・・・・。

インドリ

確かに評判が悪いと思いまし、自虐的と思われても仕方ない部分があります。
しかしながら、実際に理不尽な行為がまかり通っているからではないでしょうか?
自分の好きな仕事が汚されている場合、人はその環境を良くしようと思って指摘します。
いわゆる自浄効果です。
それが一向に治る兆しがないから、ただの自虐に終わっているのだと思います。
かといって、このまま自虐だけで終わっても悪影響ですし、難しい問題ですね。

仲澤@失業者

大昔、某製鉄マンは1日10時間労働で変則3交代だったそうです。
うちの婆さんと母は製糸工場で12時間、近所の爺さんの父は
炭鉱で15時間労働だったそうです(いずれも当時は合法)。
それから比べたら今のIT関連社員の労働時間なんてへでもあり
ませんね。肉体労働ではないので楽すぎて申し訳ないくらいです。

7Kでも10Kでもよいですが、単に収入だけを求める人がこの仕事を
するのに躊躇するポイントがあるのは誠に喜ばしいことです。
それらを乗り越える気概が無いと続けられません。

母は労働は大変だったが「製糸機の操作を教えるのは名誉だった」
と懐しんでます。おしゃれには何の興味もありませんが、
母のように誇れる仕事をしたいもんですね(vv;)。

匿名

辛くなければ仕事じゃない派の人間は必ず出ますよね。IT業界に関わらず根性論で前時代的な。
定時帰りなんてとんでもない! 残業してこそナンボ。そうしない人は頑張ってない、空気読めないヤツという風潮を嫌いつつ、反面文句言いながらも仕事をこなすカッコイイ自分! に酔っているんでしょ。

onoT

毘政さんのおっしゃるように、給料が安かったり、インドリさんご指摘のような、理不尽な行為というのは確かに存在していますよね。
わたし自身、何度もそのような場に遭遇しましたし、自虐的な気分になったことも多々あります。

定時帰りしにくい雰囲気って確かに多いですよね。職場にもよりますけど、そういう職場で、サクッと定時に帰るのって、ものすごく精神力を消費するんですよね。それも経験したことありますけど。
本当に、これは難しい問題なんですよね。

仲澤さんのおっしゃるように、昔のブルーカラーの現場に比べればよくなっているのかも知れませんが、そういう現場で働いていた方々は、自分の仕事に誇りを持っている方が多いように感じます。
なぜ誇りを持って働けたのか、とても興味深いポイントですね!

コメントを投稿する