映像に落とし込めるほど具体的なビジョンを持とう
■未来はネットに転がっている
YouTubeのMicrosoft Officeオフィシャルチャネルに、Productivity Future Vision(2011)というタイトルの動画が10月25日にアップされた。
前作Productivity Future Vision(2009)は、数年前にTechEdなどのMS主催のイベント会場でよく流れていたが、今回はその続編といった形で、同じ登場人物も出ている。
そこに描かれている近未来デバイスが使いやすそうかどうかという点はおいておくとして、彼らの目指す方向性というものは非常によくまとめられていると感じる。職場で、家庭で、外出先で、彼らが人々の生活をどのようにしたいのか、彼らの思い描く未来がバッチリ伝わってくる。
■Fly me to the Future
世界に大きな影響を与える企業のビジョンは、われわれの未来をある程度方向づけているともいえる。たまにはこういう動画をいろいろと見て回って、自分自身の未来像を思い描いてみるのも有益だ。そこから素晴らしいアイデアが浮かぶかもしれない。
例えば、youtubeで"future vision"というキーワードで検索すると、いくつかのIT系企業のビジョンを描いた動画を見ることができる。すでにもう古ぼけてしまったものもあるが、逆にそれが時代の流れを振り返らせてくれたりもして楽しい。
■ビジョンの具体化とは?
経営者や管理者とエンジニアは多くの点で異なった考え方をするものだが、具体化するときに数値を使うのを好むところだけはなぜか似ている。「具体的」というと、大抵のヒトは数値化したデータを持ち出したがる。
もちろん、戦略を練るに際してはそれも当然必要となる。しかしビジョンを語るときには、まだ必要ない。ビジョンの具体化とは、ストーリーを作ることだ。企業であれば、自社が提供する製品やサービスと、ユーザーが日常生活の中でどのように関わるのか。ユーザーはどういうシナリオの中で、どういう使い方をするのか。
要するに、未来の生活の一場面を思い描き、その中に自社製品(やサービス)を登場させるのだ。ビジョンの具体化とは、そういうことなのだ。
■具体的なビジョンを持とう!
大きな企業でなければ、そうやって思い描いたビジョンを実際に映像化して世界に発信することは難しいかもしれない。しかし、映像化できるほど細部まで落とし込んだビジョンを持っていれば、それは大きな強みになる。
例えば映像化せずとも、経営者や管理者がストーリーテラーとなって全社に語り聴かせることができれば、それだけでも効果はあるに違いない。それを全社員が共有し、顧客にも語ることができれば完ぺきだ。生き生きとしたストーリーさえあれば、たとえ映像化されていなくても、われわれは自分の頭の中でイメージを思い描くことができる。
ビジョンとは書くものではない。描くものだ。そこに必要なのは理論ではなく、イマジネーションだ。手順ではなく、ストーリーだ。論文ではなく、小説だ。さぁ、あなたも自社製品やサービスに対して、映像に落とし込めるほど具体的な未来図を思い描いて、周囲の仲間と共有してみてはどうだろう?今すぐに、それが実を結ばなくても、ビジョンを持つという習慣は、きっとあなたの未来にも役立つことだろう。
コメント
インドリ
記事の内容に賛成です。
ビジョンを持つ事は大変良い事だと思います。
私はステークホルダーに、ビジョンを提示してシステム開発しています。
ビジョンを提示すると信頼性が向上し、目標を定める事によりコミュニケーションがスムーズに行きます。
また判定基準が自然と生まれ、無限にある選択肢の組み合わせの選択もスムーズになります。
onoT
判定基準。そこはいつも本当に重要だと感じています。
共通認識を持つと、判断がブレにくくなりますもんね。
逆に、ビジョンが見えない状況で仕事を進めると、どうしても判断がブレがちです。
なので、インドリさんのやり方は理想的なものだと感じます。