「生活イチバン、ITニバン」という視点で、自分なりのITを追及するフリーエンジニアです。ストレスを減らすIT、心身ともにラクチンにしてくれるITとはどんなものかを考えていきます。

歳ニモマケズ

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■なにごとにも王道はない

 去年、私は友人に誘われて南房総で開かれたオープンウォータースイムレース(以下OWS)に参加した。OWSとは、自然の海や湖や川を長距離泳いで、時間を競うレースの総称だ。

 むかしから海は好きで、よく泳ぎに行ったし、特に地獄のようなプロジェクトの合間に休みを取って、南の島でシュノーケリングしながら熱帯魚たちとたわむれる極上の時間は、何ものにも替えがたいものだ。

 しかし、去年の私は、もう何年も泳ぎから遠ざかっていたにも関わらず、レース直前に数回プールで泳ぐ程度の準備しかできなかった。結果は、完泳するのがやっとという惨憺たるもの。要するに、何事でもそうだが、水泳にも王道はないということだ。日々の地道な努力が結果を生む。

 そのリベンジということで今年も参加することにしたのだが、去年の反省はまったく生かせず、今回もまた直前になってあわててプールで練習しているというていたらくだ(今年のレースは9/18の予定。8月末にようやく重い腰を上げて練習を始めたばかりだ)。

■去年のデータを振り返ってみる

 まぁ、そんな私のことは置いといて、去年のレース結果を振り返ってみよう。このスイムレース、10代から70歳以上までの老若男女が幅広く参加している。となると、おそらく皆さんは、若い方がパワーもスタミナもあって有利だと思われるだろう。

 しかし、去年のデータを見る限り、実際にはそれほどの差はないことが分かる。これは、なんでもかんでも歳のせいにしてあきらめムードを漂わせようとする自分に対して、「ちょっと待て!」とカツをいれてくれる格好のデータだ。だから私一人で見ているのももったいないので、皆さんにもお見せしたい。

■やはり若手は速かったが……

 データは、私が出場した去年のレースの男子1000mクラス(世代)別平均タイムだ。19~29歳が23分56秒98で、30~39歳は23分23秒56。働き盛りの30代というのは、20代に負けない体力を維持しつつ経験も積んで来ているので、若干ではあるがむしろタイムは20代を上回っているということか。とにかく、このあたりのクラスが一番いいタイムを出している。

■ベテランだってイイ線いってる

 次に40~49歳を見てみよう。「40の声を聞く頃からガクンと体力が落ちて無理がきかなくなった」という話はよく聞く。しかし、このクラスの平均は24分24秒68だ。思いのほか、若手との差がない。さらに、50~59歳になっても、24分54秒03に留まっている。一番速い30代と50代の差がたったの1分半弱しかないのだ。

 一般のサラリーマンでいうと、新入社員も中堅も定年前のベテランも差がほとんどないということだ。ベテランスイマーも、常にトレーニングを怠らずにスキルを磨いているヒトは、若手と同等のタイムを出している。これは心に響くデータではないか。

■定年?なにそれ?

 では、定年世代の60~69歳になるとさすがにガクンと落ちるのだろうか。そんなことはない。これも26分46秒30とかなり健闘しており、70歳以上でも27分52秒70という結果になっている。

 すべてのクラスを比較してみても、平均タイムでみると5分弱しか開きはないのだ! さらに個人別でみると、この世代でも若手の平均タイムを軽く超えているヒトだって多い。

 もちろん、50代以上になると、参加人数は著しく減少する。しかし、このようなレースに出場しようというほどなのだから、泳ぐのが好きで、日ごろからトレーニングを欠かさず、腕に覚えがあるヒトばかりということだろう。だからこそ、若手とも互角の戦いができているのだ。

■無駄に歳を重ねるのではなく

 これは、エンジニアの世界でも同じだ。歳を重ねるに従い、絶対数は減少するにしても、その仕事を愛し、常に最新情報にも接して自分を磨いているような、腕に覚えがあるエンジニアは、いくつになっても本物のプロフェッショナルとして、若手からも尊敬される存在であり続けるだろう。

 そういうエンジニアに、私はなりたい。

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