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【39】将棋電王戦とエンジニアの将来

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こんにちは、手塚規雄です。

あなたは将棋の電王戦をご存知ですか?将棋といえば人と人が対決するゲームですが、それが人間VSコンピュータという構図の対決が電王戦です。人間VSコンピュータのゲーム対決で有名なのは1996年、1997年に行われたチェス対決。当時世界チャンピオンのカスパロフさんとIBMのコンピュータ「Deep Blue」。1996年は人間が勝ち、1997年はコンピュータが勝ちました。1997年に世界チャンピオンが負けた時には大きなニュースとなったので覚えている方も多いと思います。それが今度は将棋での対決です。

電王戦は今年で4回目。1回目は引退した棋士(名人経験あり)とコンピュータ。2回目以降は現役プロ棋士とコンピュータで5対5の団体戦。対戦成績は現時点で人間側からみて通算11戦2勝8負1引分。実は3回とも人間側の負けなのです。来週末から開催される第4回電王戦をもって団体戦は終了となります。ちなみにニコファーレ観戦はまだ応募できます。締切は今週末。https://secure.nicovideo.jp/form/entry/finalkanran

私は第2回、第3回で1回ずつニコファーレにて観戦しているぐらいには電王戦が好きです。今回のもすでに応募済み。

 

将棋でも、もうコンピュータに勝てないのか?

これは今でも議論されることは多いし、実際にトップ棋士が公式の場で対決していないので結論は出ていません。個人的な予想を言えば、今回は0勝5敗と思っています。少なくとも去年の年末までそう思っていました。ただ年末から今までにかけて、次のような事がありました。

 

コンピュータに対するプロ棋士の秘策とは!?将棋電王戦リベンジマッチ観戦記

http://nikkan-spa.jp/776094

将棋ソフトの死角をついた“ハメ手”で100万円獲得

http://nikkan-spa.jp/809998

 

この2つのことから、まだまだわからないのかも、と思い直す状況が増えてきました。こういった状況もあり、今年の電王戦も楽しみにしています。上記2つの記事は将棋のルールを知らないとわかりにくいかもしれません。

 

 

コンピュータ将棋が強くなった理由

コンピュータ将棋のブレイクスルーとなったのが自動学習。初めて採用したソフト「Bonanza」が有名で、2007年に渡辺明竜王(当時)と公開対局し、惜しくも敗退しました。しかしその強さは将棋ファンを驚かすものとしては十分なものでした。

将棋の指し手を記録したものを「棋譜」というのですが、数万局の棋譜から自動学習することで強くなりました。多くの将棋ソフトがこの自動学習を採用していて、どんな棋譜を使用するのか、それだけでもそのソフトの特色が大きく違ってくるようです。昔はソフト開発者には将棋の棋力も必要とされていましたが、機械学習によって作られたソフトはどんなパラメーターを使うのかだけのようです。実際「Bonanza」開発者の保木さんは将棋をほとんど知らないというのも有名です。

 

機械学習が発展すると…?

この機械学習というのは何にでも応用できると思っています。それこそ、エンジニアでない人間が簡単な要求を喋るだけでプログラムの作成までできるようになると私は思っています。つまり最後にはプログラマーが不要となる世界になる。

全プログラマーが不要になるのは相当先です。ただコードの自動生成というのはチョットずつ増えているのは現実です。それを機械学習させて、簡単なクラス、モジュール、機能を作らせて成功すれば、コードしか書けないプログラマーは不要になります。次に仕様書からシステムを自動生成できるようになったら日本で言うシステムエンジニアの大半は職を失います。カスタマイズ用に必要になる場合もあるでしょうけど、その内カスタマイズもパターン化され、それも自動化されてしまう。

最後に自動生成しているプログラムが人間でなくコンピュータが作り始めたら世の中からプログラマーやITエンジニアはいなくなります。今ではまだまだファンタジーの世界でしょうけど、いつかそれは来るでしょう。それが10年後には絶対来ないと言い切れないのがコワイ世の中です。

 

こんな風に考えればどんな職でもコンピュータに仕事を奪われてしまいますが、それまでにはテクノロジーの進歩とコストダウンが必要です。そうなる前にコンピュータがまだ到達できないレベルになれば職を失うことはありません。でもそれがどんな業界なのか?どんな技術なのか時代の流れも同時に読まなければなりません。でもそれも難しいどころの話ではありません。

最近でわかりやすい例は携帯電話業界です。数年前までケータイ全盛期だったのがテクノロジーの進歩というかイノベーションによって市場が激減し仕事を奪われてしまった人は大勢いると思います。日本企業がフィーチャーフォン業界から数多く撤退しています。

じゃあこれが10年前に読めた人はいるのか?と聞けばほぼゼロです。2005年当時はまだスマートフォンはなく、やっとおサイフケータイです。タイムマシンで10年前の人間を今の時代を見せたら進化しすぎてショックを受けるでしょう。

 

二極化が進むフリーランサー

フリーランサーは現在二極化が進んでいます。単価が安くなっていく一方のスキルと単価がうなぎのぼりのスキル。安くなる方は月40万~60万。高くなる方は月70万以上、100万円以上の案件も少なくはありません。ではその差は何か?単純に言えば、先ほどの考察通りと考えています。

ただコードを書くだけの仕事は安くなっていき、まだまだコンピュータが入り込む余地のない仕事は高くなっていく。特に100万円を超えるプロマネ系、コンサル系は価格が上がる一方です。開発者としては設計から開発、テストまで出来きて、顧客と打ち合わせできて、流行の技術ができる完璧な人が求められている感がたっぷりです。しかしエンジニアとしてのスキマ産業は探せば単価の高い仕事はまだまだ豊富にあります。

ただしこれは今だけ限定。とってもバブル感があるのがコワイと思っています。仕事の豊富さ、単価の上昇などが2007年のリーマンショック前に雰囲気が似ているからこそ、そう思ってしまいます。

こんな風に色々言っていますが、私自身も人のことは言えずエンジニアとしては微妙な立場なので、早く単価を上げていけるスキルを身につけなければ廃業に追い込まれるでしょう。コラムニストも普通の人間、普通のエンジニアなので楽観できる立場じゃありません。

 

他業界から自分の業界を見つめなおす

他の業界や1つの物事から、自分の業界や自分事として考えてみると、客観的にみることができるようになります。その時、冷静に自分のことを考えられるか?そして受け止めることができるか?それだけでも今後の人生が大きく変わることがあります。

今回は私が好きな将棋や電王戦からIT業界について考えてみましたが、みなさんが好きな事や好きな業界から自分の業界、自分の事を考えてみてください。客観的にみるとちょっとした異変も何かの前兆として掴めるかも。

Comment(4)

コメント

fuga

月70で高いほうって冗談でしょ
僕の下についてる2年目でさえ、もっと単価高いよww

hoge

>日本企業がフィーチャーフォン業界から数多く撤退しています。

スマホから撤退の間違いでは?

s60

2005年はスマートフォンは既にありましたよ
iOSやAndroidが無かっただけで

国内キャリアからも、W-ZERO3、702NK、M1000なんかが2005年には販売されてました

udon

「ITエンジニア」って開発者しかいないかのような書き方だけど、DBやNW、インフラ全般のエンジニアが多数いるってことを知らないのかな?
かなり狭い範囲でしかモノをみていない感じがする。薄っぺらい。

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