蘭の社内SE奮闘記(3)
私の名前は織田蘭です。社内SEの仕事をやっています!
私は今まで休日はショッピングや映画鑑賞、家にいるときはゲームを楽しんでいたが、ネットワーク・スペシャリスト資格取得のために、それらの趣味の時間をすべて勉強に充てるようになった。とうとう試験の日がやってきた。某工業大学の教室が試験会場であった。久しぶり大学の雰囲気に何か懐かしいものを感じた。そして試験は開始された……
私は無我夢中で問題を解いた。試験が終わったら久しぶりの脱力感を感じたが、入学試験ではなく落ちても何回もチャンスがあるので、「やることはやった」という満足感に浸った。それからしばらくネットワークスペシャリスト試験のことはわすれて、平日は会社、休日は趣味に充てるという元の生活に戻った。そしてついに合格発表の日がやってきた。なんと見事合格!
私は得意になって武田先輩にネットワーク・スペシャリストに合格したことを言った。武田先輩は「おめでとう!織田さんは優秀だな。俺は試験は苦手だから、一発で資格試験なんて合格しないよ。たいしたもんだ」と褒めてくれた。その日中に私のネットワーク・スペシャリスト合格の噂は部内に広がり、伊達課長からも褒めてもらいました。
それから数か月後である。実は部内では武田先輩がリーダーとなって、名古屋支店のサーバが老朽化しているので置き換え作業を行っていた。ある日、私もそのプロジェクト会議に呼び出されました。
武田 「このファイルサーバとバックアップサーバを置き換える。64ビットOSを使ってるので、メモリは1Gだったものを一気の8Gに増やす。もちろんCPUも性能アップだ。バックアップ時間大幅に短縮されるはずだ」
蘭 「先輩、NICの転送速度はどれくらいですか?」
武田 「う~んと1Gだね」
蘭 「先輩、それじゃ~100Mbpsのハブじゃなくて、1Gbps のハブに変えた方がいいですよ」
武田 「さすが、織田さんはネットワーク・スペシャリストだね。いい点ついてるよ。ハブも1Gに買い替えよう!」
数週間後の日曜日、武田先輩は名古屋でファイルサーバのデータ移行作業を行った。
何もエラーなく順調にデータがバックアップテープからリストアされた。私の携帯メールにもデータ移行成功の報告が届いた。武田先輩は念のためユーザー業務に支障が出ていないか確認するために名古屋に残りました。
翌日の月曜日、いつものように私は会社に出社した。武田先輩のデータ移行もうまくいったようだし、今日もマイペースで仕事をこなしていれば大丈夫と思っていました。9時半頃です。名古屋支店にいる先輩から電話がかかってきたのは……。
(続く)
この物語はフィクションです。実在する団体名、個人とは一切関係ありません。