いつも心は穏やかにと思っている私ですが……

蘭の社内SE奮闘記 DB移行編(2)

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 私の名前は織田蘭です。社内SEの仕事をやっています!

  伊達課長にSQL Serverのデータ移行を命じられた翌週、ミーティングがありました。

武田 「SQL Serverでは『Transact-SQL』というマイクロソフトが独自拡張したSQL言語を使います。バックアップしたデータベースをリストアするには、Transact-SQLではこのように書きます」武田先輩はホワイトボードに、Transact-SQLの文を書き出した。

 RESTORE DATABASE データベース名 FROM ……WITH REPLACE, RECOVERY,FILE=番号

蘭 「一番最後の『FILE=番号』の番号って何の番号にすればいいのですか?」

武田先輩は、またホワイトボードに文を書いた。

  RESTORE HEADERONLY FROM DISK= ……

武田 「複数のデータベースを1つのファイルにバックアップするとき、どのバックアップがどのデータベースに対応しているか分からないとまずいだろ。このRESTORE HEADERONLYで対象のデータベースが何番目か分かる。その番号を指定すればいいんだ」

蘭 「う~んと、データベースがバックアップされた順番ってことですか?」

武田 「そうだよ。バックアップされた順番の番号を指定して、データベースを取り出し、リストアするってことだね」

蘭 「なるほどね。わかりました!」

伊達 「それで武田君、新しいサーバはいつ納品なの?」

武田 「明日です」

蘭 「えっ、いきなり明日ですか、まだ、心の準備が…」

武田 「本番移行はまだ先だよ。明日からRESTOREコマンドの検証をしてみるってことだよ」

伊達 「よ~し、サーバが来たら、さっそくSQL Serverをインストールしてリストア手順を検証してみよう」

 翌日サーバーが到着し、SQL Serverをインストールしました。サービスアカントをドメインにするかローカルにするかとか、いろいろ問題はありました。でも私も某サイトのQ&Aコーナーで質問したら、親切な回答をいただいたので、なんとかSQL Serverのインストールと設定ができました。

武田 「織田さんが作ったRESTORE文を実行して、さっそくリカバリーできるかどうか試してみて」

 私はRESTORE文を実行し、完了するまで武田さんと待ちました。

蘭 「武田さん、終わったようですよ」

武田 「終わったか。データベースがリストアされているかどうか見てみよう」

 しかし武田さんは、首を傾げていました。ちゃんとデータベースは復元できているのに…

武田 「ジョブやログインがリストアできていないなあ」

蘭 「ジョブやログインってなんですか?」

武田 「ジョブはSQL Serverで自動的に実行されるバッチ処理だよ。ログインはアプリケーションからSQL Serverに接続するアカウントで、これがないと当然アプリケーションは動かない」

蘭 「えっ、アプリケーションが動かないと言われても…」

武田 「これはやっかいだなあ…問い合わせてみるしかないな」

 ってなわけで、私はマイクロソフトに、私のリカバリの方法のどこに問題があるのか、問い合わせてみました。

 (続く)

 この物語はフィクションです。実在する団体名、個人とは一切関係ありません

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