蘭の社内SE奮闘記 VM編(1)
私の名前は織田蘭です。社内SEの仕事をやっています!
先日の定例ミーティングで、伊達課長と武田先輩の間で以下のようなやりとりがありました。
伊達 「今度、武田君、仮想サーバ構築費用の稟議が通ったよ」
武田 「え、伊達さんアレ本当にやるつもりだったんですか? 結構費用かかりますよね」
伊達 「あれほどたくさんサーバがあると保守期限を見逃してしまいかねないから…(汗)」
武田 「まあそうですね。しかし、サーバの台数が少なくなるのはいいんですけど、もし運用に失敗したらと考えるとリスクが大きいですよね」
伊達 「稟議が通った以上やめるわけにはいかないんだよ! また織田さんと一緒に導入検討してくれないか? 来週導入業者と打ち合わせセッティングしてあるから」
伊達課長、結局サーバの保守期限の管理ができないから、移行計画も行き当たりばったり。それで私は休日でも出勤しなくちゃいけないことが多いんです。「中にはもう保守期限切れたサーバもあるんじゃないの?」なんてお互いに不安で、口に出せないこともあります。
次の週、導入業者がやってきて打ち合わせをしました。
真田 「xxxシステムの真田と申します」
蘭 「織田と申します」
真田 「よろしくお願いします」
と名刺交換から始まった。その後、しばらく真田さんが仮想サーバの製品概要の説明をしてくれたのですが、何の予備知識もなかったので、さっぱり分かりませんでした。
真田 「ところで御社のサーバのLAN配線はどうなってますか?」
蘭 「サーバは社内LANの同じセグメントに接続しています」
真田 「セグメントはそれだけですか?バックアップ用のLANなどないですか?」
蘭 「ああ、ありますよ。バックアップLANね。1Gのハブでファイルサーバ、Webサーバのデータをバックアップサーバに転送してバックアップとってます」
真田 「そのバックアップ必要でしょうか?」
蘭 「はっ? そりゃ必要に決まってるでしょ」
真田 「あの~、さっき仮想サーバではイメージバックアップをとるって説明しましたよね…」
蘭 「イメージバックアップって何ですか?」
真田 「…」
武田 「織田さん、ISOファイルみたいなもんじゃないか?」
真田 「そうです、ISOファイルのDVDを見るとファイル1つしかないですよね。イメージバックアップもゲストOSのドライブごとに1つのファイルしかできないんです」
蘭 「なんでイメージバックアップをとるんですか?」
真田 「OSが壊れて起動しなくたったときに、イメージバックアップを使えば、OSを元の状態に正常に戻せるんです」
蘭 「それは、修復インストールより確実そうですね」
武田 「イメージバックアップアップさえあれば、今までのバックアップ処理はいらないんじゃないかな。織田さん」
蘭 「この前、取締役がファイルサーバのファイルをうっかり消したとき、バックアップテープからリストアしましたよね。あんなことはイメージバックアップからのリストアってやつでできますか?」
真田 「それだけは苦しいですね。不可能なことはないですけど、また別にファイルサーバをイメージファイルからリストアして・・・なんてめんどくさいことになります」
蘭 「それじゃ、今までのバックアップは必要です!」
真田 「ホワイトボード貸してください」
真田はホワイトボードに図を書き始めた。
(続く)
この物語はフィクションです。実在する団体名、個人とは一切関係ありません。