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子ども向けプログラミング教室では「圧倒的に」女子が少ない現実と現役女性エンジニアができること

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みなさま、おはようございます。Kyonです。

昨年公開の記事ですが、『子ども向けプログラミング教室では「圧倒的に」女子が少ない――関係者が課題解決のヒントを探る』を読みました(メルマガ会員限定記事ですが、良ければ登録して読んでみてください)。

巷にあるプログラミング教室に通うということはプログラミングに多少は興味があるという状態のはずで、その段階ですでに女子が少ないとなると、プログラミングをするようなエンジニアという仕事に就こうと考える女性が少なくなるのは納得できてしまいました。

でも、「そうなんやなぁ」と納得してしまっては、現状を変えることはできません。記事を読んで感じたことと現役女性エンジニアの端くれとしてできることを考えてみることにしました。

「子ども向けプログラミング教室では"圧倒的に"女子が少ない」のは問題か

まず、「子ども向けプログラミング教室では"圧倒的に"女子が少ない」という現状が問題なのかどうかについて感じたことをまとめておきます。

実は、プログラミング教室に通う女子が多いか少ないかは、直接の問題ではないと感じています。

どういうことかというと・・・


子ども向けプログラミング教室に女子が少ない→プログラミングに触れる機会の1つが失われる→エンジニアという仕事の選択肢を失う可能性が高い

このルートに乗っかってしまうのではないかということを懸念しています。

将来どういう職業を選択するかは、育ってきた環境が大きく影響を受けているのではないでしょうか。例えば、幼い頃から音楽が身近にある環境に育っていれば、ピアニスト等音楽関係で働いている大人の姿を目にする機会があり、「こんな仕事があるのか」と知ることができる、ということです。

生まれもって、「できる・できない」や「向き・不向き」はあると思いますが、選択肢はたくさん持っていて損はしないと思うんです。

だから、プログラミング教室に来る子どものうち、女子が少ないということは、プログラミングという存在を知る女子が男子よりも少ないということですし、プログラミングに触れることで得られる将来の選択肢も狭くなってしまうのではないか、という点で問題だと感じます。

少数派でもやっていける人たちばかりじゃない

記事の中の以下のところが頷けました。

野田教授は「女性の先生・先輩に習うというのは、女子には身近で楽しいと感じるようだ。大学の授業でも女子が少ないため、グループワークで女子を振り分けるとそこでも少数派になってしまい、萎縮してしまう。あえて女子グループをつくるなど、のびのび学べる環境を意識している」と同性同士で学べる環境づくりの重要性を強調した。また東京工業大学大学院の小野氏は「女子校から女子が少ない工業大学に入ってかなり戸惑った」と自身の体験について語り、「私が所属する生命理工学は2割と多いほうで、全体だと1.5割程度。授業によってはもっと少ないことがあるが、それでも『いない』より、少なくても女子が『いる』といい」と語った。

「大学の授業でも女子が少ないため、グループワークで女子を振り分けるとそこでも少数派になってしまい、萎縮してしまう。」や「女子校から女子が少ない工業大学に入ってかなり戸惑った」は、私も経験があるので頷けます。

大学や職場で少数派になった経験があります。同じ学科の女性が両手で足りる人数で全員友達だったし、ゼミはもちろん教員含めて女性は私一人。7年近くお世話になった事業所は、男性約40名の中で女性2人で、同じチームだと私だけ。おかげさまで、食べるのも歩くのも速くなりました!

今ではセミナー等で女性1名でも「またか」ぐらいで、萎縮することも少なくなりましたが、最初は結構辛かったです。男性特有のノリ?みたいなものに乗れなくて疎外感を感じたり、男性共通っぽい話題で対応に困ったりと(具体的な内容は察していただけると助かります)。私がノリの悪い人っていう説もありますけどね。

逆の状況で例えるなら、女性客いっぱいのカフェに男性1人で入るとか、女子トーク満載の女子会に1人で参加するとかが近いです。そういう状況が平気な人もいらっしゃると思いますが、どことなく居心地が悪く感じたり、自分の意見や話が言いづらいなと感じたら、それが、私たちが感じてきた感情です。

こういう少数派の状況でやっていける人たちばかりではありません。なので、意図的に女子限定のグループやクラスを作ったりするという試行錯誤は必須。プログラミング教室なら、入塾日から最初の1ヶ月間はそういう運用をしてみて、萎縮とかが見られなくなったら、混合のグループやクラスにしてみる等。男子が多数派の場合は発言を促す等のフォローを入れてみるとかも有効な気がします。

参加する女子側は、男子が多数派の場所にも早くから慣れておくとか、自分は「女子だから◯◯」という論理は通用しない人であることを周りにアピールするとか。男子側も、「女子だから」という思考は一切捨て去るとか。具体的な行動に移すことも重要ですが、意識や気持ちだけでも持っておくのは大切ですよね。

子どもがプログラミングに興味を持つかどうか以前の問題

冒頭の記事でもありましたが、保護者が持つバイアスによって、プログラミングとの出会いが失われる可能性もあって、子どもがプログラミングに興味を持つかどうか以前の問題もあるとのこと。

保護者になりうる人たち、つまり私たち大人が、プログラミングとの出会いを阻害しないように、積極的に子どもたちにプログラミングを紹介していったり、自分がプログラミングをしている姿を見せたりする必要があるのかなと感じました。

気をつけていてもバイアスはかかってしまうので、意識的な行動が必要です。

現役女性エンジニアができること

自分たち女性エンジニアの存在を見せることと自分がエンジニアとしてどんなことをしているのかを周りの人に語ることです。

就活でも女性エンジニアがいる会社をよく見ていたので、女性エンジニアがいるという存在感を示すことは有効だと思います。ロールモデルじゃないですけど、「あんな感じの仕事してみたいな」「◯◯さんみたいになりたいな」と思ってもらえるモデルがいると目指しやすいですね。

エンジニアって男女問わず謎なイメージを持たれがちです。「こういうことをしている」ときちんと語るのは子どもたち相手だけでなく、保護者になりうる人たち相手にも話せると良いと思うのです。選択肢としての職業って、イメージできるかどうかが鍵。

(聞き手に「ITとかなんか難しくてわかんないんだよねー」「プログラミングってなんか賢そー」と思われて、話を聞くのを放棄されてしまう説があるとかないとか・・・)

"語る"と書きましたが、実際に顔出して人前に立って語ることだけではありません。エンジニアライフみたいなWebメディアでコラムを書くもよし、個人でブログやWebサイトを作って書くもよし、TwitterやInstagramみたいなのでも良いと思います。いかにしてたくさんの人の目につけるかが大事です。(そういえば、エンジニアライフでもコラムニスト募集しているみたいとか→詳しくはコチラ

Comment(4)

コメント

ぼーる

私は男性ですが、いい記事だと思いました!

マスター吹越

自語りですが、10年前くらいの工学部情報工学科の同期150人くらいいた中で女性6名でしたね。
去年の話でプログラミング塾のお手伝いしてましたが女子率2-3割くらいな感じでしたね。
なので体感似た感じを受けてます。
プログラム書くのに男女関係ないですよ! 優秀な女性エンジニアは何人も知ってます。

が、男女比というと現状極端に女性が少ないですね…。

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