新入社員にオススメのキャリア理論
みなさま、おはようございます。Kyonです。
今日は4/1ですね。今日から社会人として働き始めるみなさま、歓迎します。ようこそ~。
なんとなく4月は新入社員や新社会人に向けてのコラムを書いていますので、今年も書こうと思います。
さて、今日のコラムは、キャリアコンサルタント視点で、新入社員が知っておくと良いかなと感じた、キャリア理論や考え方のご紹介です。新入社員以外の方も、知っていて損はしないかと思いますので、良ければ気分転換にでもどうぞ。
そもそもキャリアって何だっけ?
社会人生活がスタートしたところで、「さあバリバリ仕事やっていくぞ」という気持ちかもしれないし、「仕事もプライベートもバランスよく充実させていきたいな」と考えているかもしれないし、「とりあえず社会人になれただけでも精一杯」という方もいらっしゃるかもしれません。
『キャリア』って聞くと、どちらかというと仕事のイメージを持たれるかもしれません。『キャリア』の元々の語源を紐解くと、ラテン語のcarrariaという轍(わだち)から来ています。轍(わだち)というのは、荷馬車等の通り道という意味で、そこから、人がたどる道や経歴、遍歴という、仕事だけでなく、もっと広い意味を持っています。
なので、社会人生活をスタートした今は、今までの学生だったりそれ以外の道から新しい社会人という道に入ったとも言えます。今まで歩んできた学生だったりそれ以外の道=経歴が無くなるわけではなくて、そこからまた道が続いていくイメージです。新しい道が始まった今、これからどうやって歩いていこうかなと考えた時、このコラムでご紹介した理論や考え方が役立つかもしれません。
『キャリア』という言葉の意味や捉え方はいろいろあるので、そのあたりも調べてみると面白いです。
偶然も前向きに捉えて活かしていこう『計画的偶発性理論』
『偶然と行動とキャリアと ー連載から計画的偶発性理論を考える』
上記のコラムでも、この理論では取り上げましたので、上記もご参照ください。
理論のざっくりした説明を再掲しておきます。
この理論をざっくり説明すると、クランボルツ氏がビジネスパーソンを調査したところ、キャリアのターニングポイントの8割が、その本人が予想していない偶然の出来事によるものだったことが分かりました。その偶然の出来事を前向きに捉えることで自分のキャリアに活かしていこうという理論です。
計画的偶発性理論の中では、下記の5つの行動特性を持つことが大切とされています。
・好奇心:様々な物事に興味を持って取り組むこと
・持続性:困難や失敗にめげずに続けること
・楽観性:前向きに捉えること
・柔軟性:こだわりすぎずに柔軟に取り組むこと
・冒険心:結果が不確実でもやってみること
期待と不安を持って新しい環境に飛び込んだものの、「思っていたのと違う気がする」「自分がやりたい仕事じゃない気がする」と感じることがあるかもしれません。また、「自分がやりたい業務・部署に配属されなかった」ということもあるかもしれません。
そういう時に、ぜひこの計画的偶発性理論を思い出してほしいです。
今置かれた状況に興味を持って取り組んでみたり、今の状況でも自分ができることをやってみたり、「将来を考えるとこの経験も必要になるかも」と捉えてみたり、「とりあえずやってみよう」精神で取り組んでみることも悪くないと思います。
ただし、今置かれた状況で体調を崩してしまう・崩してしまいそうな状況なら、その状況をいち早く脱出するとか、専門家にご相談してほしいです。
自分の譲れないモノ・コトって何だっけ?『キャリアアンカー』
実際に仕事を始めてみると、いろいろ感じるところが出てくるかと思います。そんな時に改めて、気にしてもらえると良いのが『キャリアアンカー』です。
『キャリアアンカー』というのは、個人が譲れない価値観や欲求等を示します。アンカーとは、英語で錨(いかり)という意味です。錨(いかり)というのは船が波や潮に流されないように、鎖とかに付けて水底に沈めておく重りのことです。『キャリアアンカー』は、個人を船、人生を航海と見立てて、船が波や潮で流されないように防ぐ働きと考えて、自分の軸となるものを意味します。
キャリアアンカーは次の8カテゴリーに分類されます。詳細は下記の「参考サイト」等をご参照ください。
- 専門・職能別コアコンピタンス
- 経営管理コアコンピタンス
- 自立・独立
- 保障・安定
- 起業家的創造性
- 奉仕・社会貢献
- 純粋な挑戦
- 生活様式
以上のように書くと、「それって就職活動中にやった自己分析でやったよ」とか「就職活動を進める中で自分は分かっている」と思われるかもしれません。もちろん、その価値観も大切なので、今感じているところをメモしておいたり、今のキャリアアンカーは何か調べておくと良いと思います。
キャリアアンカーは30歳前後で確立されて、一度形成されると基本的には大きく変わらないと言われています。
ですが、実際に仕事を始めてみると「自分は〇〇を一番大切にしたいと思っていたけど違う気がする」とか「△△って結構大事と感じているのかも」とか「やっぱり自分は✕✕を大切にしたい」等と発見があると思います。なので、仕事を始めてみて半年~1年後ぐらいに改めて振り返ってみてはいかがでしょうか。
ご自身のキャリアアンカーは診断できるサイトがありますので、ぜひ調べてみてください。
参考サイト
変幻自在に生きていこう『プロティアン・キャリア』
『プロティアン・キャリア』とは、環境の変化に応じて、自分自身を主体的に変化させて、柔軟なキャリア形成をしていく、というものです。
従来型のキャリアは、企業が主体で、昇格・昇給を決めたり、配置や業務内容を決めたりするので、企業が個人のキャリアを管理しているイメージでした。今は、労働市場の流動化や雇用システムの見直しに伴って、ひとつの企業にこだわったキャリアビジョンは現実的ではない考えから、個人が主体的にキャリアを作っていくという『プロティアン・キャリア』が注目されています。
新しい環境に来た今だからこそ、「この環境で自分が得られるものは何だろうか」とか「この環境を自分はどう歩いていこうか」を考えて仕事に臨んだり、「時には外の世界(他社や他業種)を見てみよう」とか「こうなりたいから、〇〇についてスキルを身に着けよう」と行動を起こしてみる、という選択肢を持っておくとよいのではないでしょうか。
参考サイト
新入社員にオススメのキャリア理論
新入社員をターゲットに、キャリアに関することでとりあえず知っといたら良さそうなことをまとめてみました。
新入社員研修やOJT、Off-JT等で頭がいっぱいになってしまうかもしれませんが、たまに休憩して、無理しすぎないように、社会人ライフを生き延びてくださいねー。