書籍「ITエンジニアのための企画力と企画書の教科書 」を読んでみた。『企画力』を身に付けて、人生を切り開く!【第27回】
ありがとうございます。平岡麻奈です。少しずつですが新しい生活様式にも慣れてきました。一番の変化は毎日身に着けている「マスク」ではないでしょうか。少し前までは「マスク」を購入することもなかったこともあり、抵抗がありましたが、『慣れ』という力には驚くばかりです。今では、「可愛いマスクをつけたい!」と考えてしまう。人の気持ちって意外と変化に順応しやすいのかもしれません。
新しい習慣や流行など、私たちは敏感に察知しながら生きていると思います。流行に左右されないベーシックな装いが好きですが、「この商品が人気です!」と言われてしまうとついつい手を伸ばしてしまいがちです。今までは、百貨店などを練り歩いて、「欲しい!」というトキメキで買い物をするタイプでしたが、ネットショッピングでも細かく商品についての説明が記載されているので安心して購入しています。身に着ける服や靴、鞄、スマホなどなど、新しいものが日々登場し、私たちの心をトキメかせます。実際に、新しいスマホが登場しても、「LINEが出来たらそれでいいの」とか、食事に対しても「空腹を凌げれば問題なし」という感覚が備わっていますが、バージョンアップした機能、目新しいものに遭遇すると気持ちは揺らぎます。
どうしてこうも気持ちを「揺るがされてしまう」のだろう?それは、私が勝手に「好き」になったのではなく、誰かがこの気持ちをずっと前から察知していたのかもしれない。それは誰かが、「この商品を売りたい!」だったり、「流行らせたい!」と『企画』しているからこそ、あらゆる角度で人生を彩らせることが出来るのではないしょうか。『企画』と聞けば、みんなで話し合い、時間をかけてなにかを生み出すことかな?という程度の理解しかありません。挑戦してみたいことは沢山思い浮かんでくるのに、「では企画して発表してみましょう!」と言われると戸惑ってしまうことはないでしょうか。『企画』をして実際に行動する力を身につけることが出来れば、頭の中に思い描いている「叶えてみたいこと」への近道を見つけられるかもしれません。エンジニアライフコラム「平岡麻奈のちょっと一息」の第27回は、『企画力』を身につける1冊を紹介します。
ITエンジニアのための企画力と企画書の教科書
【著】吉政 忠志
https://www.amazon.co.jp/dp/B086394GJX/
「自分のやりたいことに人の力を巻き込む時は説得が必要で、そのために有効なのが企画力だ。」(はじめに P,3)
本書はエンジニア向けの企画書の書き方をテーマとし、「エンジニアが企画力を手にすれば鬼に金棒」であり『最強人材』と示されています。企画力に悩むITエンジニアに向けた、実践力のある1冊です。本書の魅力のひとつとして、日常で経験したことがある例を『企画』と掛け合わせることにより、『企画』に対しての苦手意識を克服できる点が挙げられ、その「思い込み」が薄れる感覚を覚えます。本書の最後には、実施すれば必ず効果の期待できる、基礎をしっかり習得した上での「奥義」を学ぶことが出来ます。
『ロジックの三角形』
【主張】:この企画で実現したいことを一つにまとめて書いたもの
【理由付け】:【主張】を実現するメリットを書いたもの
【データによる証明】:【主張】を実現するために必要な予算、人員、スケジュールなどの数値化的なものを書いたもの。企画書の実現性を証明したデータという意味でもある
今後AIと共存して労働するためには、新しい何かを生み出せる『企画力』が有効であり、本書で解説される『ロジックの三角形』と『鳥瞰力』が重要な役割を担います。『ロジックの三角形』の「角」には、上記の意味を持ち合わせています。どんな高度な企画書であっても、企画書の骨子である『ロジックの三角形』と繋ぎ合わせることが重要です。また、「角」同士のバランスが崩れてしまえば、「主張」しすぎてしまう、決裁者の「メリット」を考慮しない、「データ」が不十分といった、企画を行う上でのありがちな間違いを起こしてしまいます。どの『企画』においても『ロジックの三角形』の基礎により成り立っていることが、問題と向き合う上でより深く理解することが出来ます。
・「鳥瞰力があると、決裁者の気持ちになって企画を作れるようになるので、余計に決裁者の心に刺さりやすく、採用されやすいものになる。別の言葉で言えば、鳥瞰力があると上司や企画の依頼者の気持ちがわかる企画者になるという意味もある。」(第5章 さらに採用されやすくするには鳥瞰力が必要 P,42)
・「それぞれ関係者がおおよそ何を考え、どう判断しそうなのかを把握できる力を鳥瞰力というのだ。」(第6章 企画書の視点で考えよう P,74)
『ロジックの三角形』と同様、重要な役割を担う 『鳥瞰力』とは、「空を飛ぶ鳥の視点で全体を把握する力」と示されています。ただ見えていることだけでなく、広く把握できているかが重要です。自分の周りだけに留まらずに、いかに人を「巻き込めるか」。そして「決裁者が欲しい企画」を生み出すことが出来るのか。『鳥瞰力』を味方につけて、自分の担当を超えた広域の事情まで把握できる力が問われます。
「企画は実は企画書だけでなく、だれが企画したか、だれが実行するのかという二つの要素がとても重要で、決裁者は質問のやり取りをしながらそれを見極めているのだ。」(第7章 決裁者の視点で考えよう P,105)
本書において強く伝わったことは、「『企画』を採用する決裁者の気持ち」の重要性です。「企画は相手の感覚で採用したいと思うようなロジックを作ることが極意」と紹介されています。 やりたいこと、実現したいことは、どうしても自分本位で動いてしまう。それはひらめいたことに自信があったり、率先して自ら取り組みたい気持ちが先走るからかもしれません。私こそ本書を読む前までは、『企画』が通る為には詳しく説明して、私の気持ちがより伝わる努力をすればいいのかな?と思っていました。私だけが頑張っているアピールをしてはダメ、周りを巻き込んで『企画』を成功させる力こそ、身につけるべき『企画力』であると感じました。 「企画力を身に付けて、大きく自分の人生を切り開いてほしい」という著者からのメッセージが読み進めていく中で強く伝わり、本書には「未来を担うITエンジニア」への希望が詰まっています。
日常を『企画』に繋げる感覚。例えば、いつもランチで出向くレストランで新メニューが登場したとして、その『新メニュー』が出来るまでの過程を少し想像してみる。きっと色々試行錯誤を重ねて、沢山『企画』を重ねた上で、今こうして『新メニュー』を並べることが出来たのかな?と考えると、『企画』を難しく捉えず、少し身近に感じるかもしれません。『企画』から逃げることなく、『企画』と向き合うことを続ける力は、自ずと『企画力』として人生を切り開く自分の力となることでしょう。
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