書籍「海馬 脳は疲れない」を読んでみた。目を閉じると何を思い出す?【第62回】
平岡麻奈です。近頃、朝5時半〜6時に起きています。【睡眠時間を削っている】、そんな印象を自ら抱きますが、ダラダラ深夜に起きる生活を辞めて、早く寝たらいいじゃないか!という流れをようやく作り、日が変わる前には眠るようにしています。
日々極小の音量で【睡眠音楽】をかけながら、眠りについています。(旅行先で買った、眠りに誘う羊の置き物も枕元にあります、手作り!)アルバムなのに、いつも1番が流れている最中に寝てしまうので、他の曲は聴けずじまいです。ちなみにその1番のタイトルは【癒しのふるさと】。漣や砂浜を連想させる音と微かに聴こえるピアノの音色。眠らずにはいられない、いや寧ろ、寝ていいんだよと音楽に包まれている感覚です。昔は布団に包まりながら深夜2時から始まるAMラジオを聴いていたのに(これは深夜帯じゃないと無理だよね?と思われる話などなど)、人ってこんなに変わるんだなと、面白さを感じます。
楽しく、忘れたくない夢を【見た気がする】。起きた瞬間は覚えていたのに、少し時間が経つと、どんな夢を見ていたか具体的に思い出せないことが多々あります。今日も猫を抱きながら歩いていたこと以外(夢の中で)、全て忘れてしまいました。所々、あの人が出てきた、こんなことをしていた、覚えている限りのことを頼りに夢占いを検索してみたりします。【夢で逢えたら/鈴木雅之】を聴いていると、できる限り夢を覚えていたいと感じる、でもすぐに忘れてしまう。よく眠るようになってから、夢もよく見ている気がします。でもすぐ忘れる。悔しい。。起きている時には現実味のある話ばかりをしているのに、いざ夢で素敵なことに遭遇すると【夢見心地】になってしまう。
頭の中はどうなっているの?
【記憶を辿る】【思い出す】時の仕草として、目を閉じて頭(脳)の中に記憶となる鍵を探すことがあります。なにかを忘れてほしくない時は『頭の片隅に置いておいてね!』と言ってみたり、詳しいことは分からなくとも、頭(脳)が今までのことを記憶しているに違いないという気持ちが働くのかもしれません。エンジニアライフコラム「平岡麻奈のちょっと一息」の第62回は、記憶に残したい1冊をご紹介します。
https://www.amazon.co.jp/dp/4101183147
本書は対談形式であり、その会話に知識が沢山散りばめられています。相槌を打つ感覚で読み進めることが出来るので、【もう少し話を聞いていたい】という気持ちが芽生え、読むスピードも速くなりました。各章ごとにまとめページがある為、日に分けて読み進める場合も、【おさらい】として役立ちます。
記憶をつかさどる【海馬】を始め、脳のあらゆる部位がどのような影響を与えているのかを知る。【ものとものとを結びつけて新しい情報をつくっていく】脳のはたらきを基本とし、本書では【生き方としての脳の使い方】を学ぶことが出来ます。人は歳を重ねるにつれ、触れるものや事柄も増え続け、たくさんの知識を詰め込んでいる状態になります。そしてどこかマンネリ化した気になってしまう。『生きることに慣れてはいけない』という言葉には、【大人の脳が潜在能力を発揮する】為のヒントが隠されていると感じました。
本書では、なんとなく抱いていた【記憶に対する不思議】を解決する箇所が多く、『学生時代に読みたかった、、』と嘆いたほどです。冒頭の【夢を見る】ことに関しても詳しく取り上げられており、【夢を作り出す海馬】への関心が深まりました。記憶の断片をでたらめに組み合わせていく作業(整合性が取れるかを検証)が【夢】であるからこそ、夢を全て覚えていた場合、日常生活への危険性が生まれます。その為、【朝起きて覚えていられる夢は一%もない】ことに納得しました。また、【夢を見ない】【眠らない】行為は、『海馬に情報を整理する猶予を与えない』『その日に起きた出来事を記憶できない』ことに繋がると示されています。睡眠を奪えば、海馬は記憶の整理整頓を起きている間に始めてしまう!という事実に驚き、睡眠に対する考えを見つめ直すきっかけとなりました。
初めて学ぶことや経験、新しい人との出会い。すぐに物事を思い出せないほど、新しいことをどんどん記憶していく。そして海馬は【生存に必要な情報】を取捨選択する。日々忘れていくことも多いけれど、今記憶していることは生きる為に必要なことなんだ!と思えば、なんだか嬉しい気持ちになりました。【生存に必要な情報】が増えれば、夢のバリエーションも増えていくかも?
脳をプロセスとして捉え直すと、随分と見通しがよくなる。経験、学習、成長、老化、人の本質とは「変化」である。この本でも重視してきた「可塑性」だ。脳がコンピュータと決定的に異なる点は、外界に反応しながら変容する自発性にある。だからこそ、プロセス重視の生き方がより人間らしい存在に直結すると、私は自信をもって言える。問われるものは、結果そのものではなく、そこに至る過程であると。
(あとがき P,288)
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