@IT メールマガジン「@IT通信」に載ったアイティメディア社員のコラムを紹介します。

「缶詰ハムメール」? 「スパムメール」の由来

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 2001年6月20日、6月27日の「@IT通信」に掲載したコラムを紹介します。すっかり定着した「スパムメール」という言葉。Hormel Foods社はいまどのように考えているのでしょうか。気になります。

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■「缶詰ハムメール」? 「スパムメール」の由来

 最近、iモードの迷惑メールの話題が新聞やテレビなどを賑わせているが、インターネットでは、こういった受信側の許可なく一方的に送りつけられるダイレクトメールのことを「spam(スパム)メール」と呼んでいる。

 それでは、なぜこのような迷惑メールや書き込みを「spam」というのだろうか。

 「SPAM」とはもともと、Hormel Foods社の缶詰ハムの商品名。だからといって、この会社が最初にspamメールを送ったわけではなく、このSPAMの缶詰をネタにした英国のテレビコメディ番組Monty Pythonのコントが「spam」の語源となったというのが定説になっている。

 とあるレストランで夫婦が食事をしようとするが、メニューにはSPAMが入ったものしかなく、ウエイトレスとメニューについて口論していると、後ろにいたバイキングたちが「SPAM、SPAM……」と囃し立てはじめ、それにかき消されて会話が続けられなくなってしまう……。

 ネタとしては上記のようなもので、ここから、同じことを何度も何度も繰り返されること、そしてそれによって本来の会話や議論を妨げるような迷惑行為をspamと呼ぶようになったとされている。つまり「自分が欲しい肝心のメールを埋もれさせてしまうような、自分にとっては必要のない、数多くのメールのこと」と言い換えてもいいだろう。

 いまではすっかり悪名の単語となってしまった「spam」だが、Hormel Foods社としては、同社の製品「SPAM」と迷惑メール「spam」とを区別するために、前者は大文字で後者は小文字で書いて欲しいと表明している。

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■迷惑メール、ホントの問題点

 サービス開始以来、わずか2年余りで、利用者が2400万人を超えたNTTドコモのiモードだが、ここにきてトラブルが多発している。そのうちの1つが「迷惑メール」の存在だ。iモードでは、受信メールに対してもパケット料金を払わなければいけないため、迷惑メールの受信者から不満の声が上がっていた。これに対応して、NTTドコモでは、毎月最大400パケットの通信料を無料とすることを決めた。

 では、この迷惑メールはどうやってアドレスを調べて送っているのだろうか。iモードの場合、デフォルトでは、「電話番号@docomo.ne.jp」がメールアドレスとなっているため、「090」の後ろに8桁の数字をつければ、それで自動的に生成されてしまう(正確には次の3桁でキャリア種別などもあるが……)。これに対しては、7月以降、電話番号アドレスを廃止することで対応した。

 これにより迷惑メールが来なくなるかというと、問題はそう単純ではない。すでに、ありがちな名前のアルファベット(例えばhiro)と記号や数字の組み合わせを生成するようなプログラムも出回り始めているという。実際、Googleで「メールアドレス収集ソフト」をキーにすれば……お分かりいただけるであろう。

 そして、iモードの迷惑メールで問題となるのは、インターネットのメールとは違い、ヘッダ部分がほとんど削られてしまうため、どこから送られてきたのかの追跡がまず不可能だということだ。

 みなさんはこのような状況をどう思いますか?

(M3)*当時
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