チープな満足感って何?
2001年6月13日の「@IT通信」に掲載したコラムを紹介します。一瞬、iPadに空目しました。なるほど、時代は繰り返す。
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アコ:また、何か買ったそうですね。
三田:あ、早耳ですね。iPAQ(32MB)を買ってしまいました。実は去年USで販売直後に実物を見せてもらったことがあり、そのときからちょっと欲しかったのです。
アコ:物欲炸裂ですか……
三田:特に使用する目的もないまま、購買意欲と店内在庫が同期してしまったので、 3日で飽きてもいいやと思い衝動買いしました。
アコ:剛毅な……
三田:が、すでにうれしいことをいくつか見つけました。まず起動がはやい、一瞬ですよ。それに基本的なアプリも入ってる。MP3などの大きなファイルはCFカードに逃がせるのでメモリ32MBでも十分です。会社の行き帰りはCFカードを挿して、MP3として使ってます。
アコ:MP3プレーヤーに成り下がってしまってるんですか!?
三田:いやー、仕事ではまだ大きな能力を発揮してないけど、会社ではPC拡張カードにLANカードを挿して、メールや会社のホームページをダウンロードしています。外ではPHSカードをつなげてワイヤレスに通信、といってもこれはまだ自宅でテストした程度にしか使っていませんが。今後の予定としては、Intelli
SyncのPocket PC版が出るのを待って、ノーツの予定やタスクを同期させれば完璧です。
アコ:……なにがどうカンペキなんでしょ? ほかのPDAは検討しなかったの?
三田:昔、Palmを持ったことがあるのですが、スケジュールやタスク管理が中心で、どちらもいいかげんなわたしには向かなかった(あっこれはオフレコで)と思います。しかも電池は単4だし。電池を使うデバイスを購入するときは、単3電池を使用するのが必須条件で、単4電池ではダメですね。単3電池でなければ、リチウム電池でも構わないけど。 iPAQは、普通のPCと同じLANカード、モデムカード、PHSカードがそのまま利用できるのでチープな満足感も得られます。ほかのPocket PCなりWindows CE機はまったく考えず。やはり、チープな満足感、これに尽きるのでしょうか。
アコ:チープって、コンパックの人に怒られそうだな。スケジューラが使いやすいとか、Webが使えて便利とかそういう点で誉めるところはないの?
三田:スケジューラは、ノーツ対応のシンクソフトがないので、まだ使っていません。LANカードを繋げて@ITのホームページを見てみましたが、速くはないです。本格的にWebを使うなら、サブノートや本物のPCを持ったほうがいいですし、スケジュールやタスク管理が中心なら、Palmのほうが手軽。PCカードのジャケットを着ると、やはりかさばります。ぎりぎり携帯しても苦にならない大きさ
で、PCと同じようなことができることが魅力ですかね。
アコ:ザウルスは検討しなかった?
三田:新しいL1はCFカードが直挿しできるんですよ~、ホームページ見ながらがら。“H”も対応してるんですね。でも、接続ケーブルは専用で別売り。ブラウザが縦横を切り替えられたり、MP3が再生できるのはいいけど、PCとは違う別の使い方を覚えなきゃいけない気がします。Windowsが使いやすいということではないとは思うけれど、なんせ慣れちゃったから。形は似てるけどPalmとiPAQは競合じゃないと思ってますが、ザウルスとPalmはどうなんでしょう。かぶり具合は多いけど、若干ぶれがあると思いませんか?
アコ:全部、似たようなものにしか思えないでっす。Palmには見向きもせず、ザウルスはPalmほど否定的ではないが、いずれにしてもiPAQの足元にも及ばない……というところですか。それって機能とか、使っ
て便利とかで選んでるんじゃなくて、「新しいから」なのでは?
三田:バレた。別にPalmを否定しているわけじゃないですよ。それまではCEのほうを否定していたくらいで。ポケットサイズのWindowsで、限られた拡張機器しか使えなさそうな気がしたので。拡張性に惚れた、というと大げさです。手持ちのカードがそこそこ使えそう、という雰囲気に乗ったんですね。
アコ:チープなのは、「iPAQが」じゃなくて「三田さんが」ってことですね。