ITエンジニアが語る生成AIとのほどよい付き合い方
「生成AI、便利だなぁ」と思いながら、ふと手が止まることがあります。
私たちITエンジニアは、コードを書く、設計する、調べる、試す...そんな日々の中で、今や生成AIは良き相棒です。業務効率は上がり、調査や試作、さらには「なんかいい感じの文章書いて」と頼めば、数秒でそれっぽい原稿まで出てくる。
便利すぎて怖い。まるで万能メイドロボットが台所だけでなく、冷蔵庫の中身まで把握してくるような感覚です。
でも、その「便利」は、本当に安全?
業務効率化の裏側で、ふと考えるのです。「このコード、ノウハウ、もしかしてAIに提供しちゃってる...?」
生成AIは外部サービス。基本的には、個人情報や機密情報を入力しないという意識はあります。しかし、それでも完全に漏れていないと言い切れるのか。知らず知らずのうちに、「うちの会社っぽい話」「ちょっと詳しい業務フロー」などを提供してしまっていないか。正直、不安です。
しかもAIって、記憶力こそないとされつつも、何万何億の利用者の入力から学習するタイプも多いわけで...。もしかしたら、「あ、この人、たぶん○○県在住で、最近社内システムの△△△を□□□に移行して、部長と意見が合わないタイプのエンジニアだな」なんて、勝手に分析されているのではと妄想してしまいます。
気づかず提供してる、という恐怖
「個人情報は入力してません!」と言いつつ、
「昨日、上司に無理やり振られたAPI連携の話なんですけど...」なんて書いたら、それ、もう若干提供しちゃってますよね?
もちろん、そんな細かいデータで個人を特定するわけではないし、AIも悪意を持っているわけではありません(たぶん)。でも、データというのは、集まると強力です。パズルのピースが揃っていくように、「あなただけのプロフィール」が構築されてしまうことも、ないとは言い切れません。
スマホだってそうだったじゃない?
思い返してみれば、スマホが普及したときも、「なんか勝手にマイクがオンになってる!?」とか、「このアプリ、位置情報使いすぎじゃない!?」と不安になったこと、ありませんでしたか?
でも今となっては、スマホを手放せない日常。検索履歴はお見通し、マップは行動履歴付き、睡眠時間まで記録されている時代です。
つまり、人類はわりと順応性が高いのです。最初は不安でも、気づけば「便利さ」の方が勝ってしまう。
まとめ:AIとの付き合いは現状"塩梅"が大事
というわけで、生成AIとは、「全部を信用しすぎず、全部を拒否しすぎず」という"塩梅"で付き合うのが良さそうです。
- ✔️ 個人情報や機密情報は入力しない(つもりでも無意識に漏れるかも、を意識)
- ✔️ 便利さの裏にあるリスクも一応把握しておく
- ✔️ でも神経質になりすぎては本末転倒
- ✔️ スマホと同じく、「進化の流れに乗る」くらいの気持ちで
いつか「AIに話した悩みを全部部長に伝えられてた!」なんて日が来ないことを祈りつつ、今日も生成AIに「この関数、もっとスマートに書けない?」と聞いてしまう私なのでした。
どこかで、エンジニアの価値を少しでもベースアップする手助けが出来てれば幸いです。