ベテランエンジニアが語る "取り掛かるまでが一番時間かかる問題"
「よし、やるぞ!」と思ってから実際にキーボードを叩くまで、なぜこんなにも時間がかかるのか。
エンジニアに限らず、どんな仕事でも共感できる話だと思うが、特にエンジニアという職種は「やるべきことが明確なのに、なかなか始められない」問題に直面しがちだ。
作業に取り掛かれば意外とすぐ終わるのは知っている
エンジニアなら経験があるはずだ。
「このバグ修正?まぁ30分もあればいけるな」
「この仕様変更?設計がちょっとめんどくさいけど、実装自体は2時間もあれば終わる」
そう、やるべきタスクの所要時間は頭の中でだいたい予測できる。難易度が高いタスクでも、進めていくうちに「あ、思ったより簡単だな」なんてことも多い。
でも......
なぜか、「じゃあ今からやろう!」と思えない。
取り掛かるまでが億劫で、なぜか他のことをしてしまう
さて、作業に入る前にコーヒーでも淹れよう。
いや、その前に部屋の片付けを......
あ、最近GitHubのプロフィール、更新してないな。
おっと、X(Twitter)で技術系の話題をチェックしておこう。
......いやいや、そんなことしてる場合じゃない!今すぐ取り掛からないと!
って思った瞬間、ちょっと小腹が空いていることに気付く。ここでお菓子タイムを挟む。
そして、気がつけば1時間が経過。
あれ?まだ何もやってない。
ギリギリまでやらず、終盤でやっと焦って取り掛かる
締め切り前日。
ついにやるしかない状況になった。
この時の集中力と作業スピードは異常。
「あれ、これ30分で終わるじゃん」
「なんでこんなに後回しにしてたんだ?」
「もっと早くやればよかった......(毎回言ってる)」
ここまでのプロセスを何度繰り返したことか。
この問題、どうにか解消したい
毎回この流れになるのは分かっている。
「作業に取り掛かるまでが一番時間かかる問題」をどうにか解決したい。
いくつか対策を考えてみる。
1.作業を細かく分ける
「このタスクをやるぞ!」ではなく、「まずはフォルダ開く」「次にコードを読む」くらいの小さなステップにする。
2.時間を決める
「15分だけやる」と決めてタイマーをセットする。不思議と15分経つころには勢いがついて、続けてしまう。
3.周囲に宣言する
「今からやります」と言うだけでも、やらざるを得なくなる。
4.強制的に始める
・最初のコードを書き始めるまでの時間を1秒でも短縮する。
・「とりあえずVS Codeを開く」「とりあえずファイルを開く」だけでも前進。
5.環境を整える
机の上を片付ける、余計な通知をオフにする。気が散る要素を排除する。
まぁ、エンジニアとか関係なく誰しもあることなんだけどね
ここまでエンジニア視点で語ってきたが、これはどんな職種でもある話だろう。
学生時代の夏休みの宿題も、部屋の掃除も、ダイエットも、大体同じメカニズム。
「やればすぐ終わる」のに、やるまでが異常に長い。
でも、エンジニアはこの現象と日々向き合いながら、ギリギリのスピード感で仕事をこなしているのもまた事実。
だからこそ、今日もまた「作業に取り掛かるまでのプロセス」をいかに短縮するかを試行錯誤しながら生きている。
そして、このコラムを書いている私も、本当は別のタスクをやるべき時間を使ってしまったことを、ここに深く反省する。
(まぁ、次から本気出せばいいか......)
どこかで、エンジニアの価値を少しでもベースアップする手助けが出来てれば幸いです。