「設計書通り、言われた通り、でもそれだけじゃダメ!」という矛盾を超えて
IT業界に身を置いて、いくつものプロジェクトに携わってきましたが、常に感じるのは、「設計書通りにやる」「言われたことをやる」という基本の大切さです。PL(プロジェクトリーダー)、SE(システムエンジニア)、PG(プログラマー)、テスター、それぞれの役割でそれは変わりません。しかし、ここで一つの「職業病」についてお話ししたいと思います。
設計書や仕様書をそのまま、言われた通りに作業を進めること、それ自体が簡単ではないことは皆さんご存知かと思います。設計書に忠実であればあるほど、それに忠実であること自体が価値を持つことも多いです。だが、そこで問題が発生します。もし、設計書に間違いがあったり、言われたことが実際のシステム要件と乖離していたら? 結果として、不具合が発生し、プロジェクトは遅延し、関係者全員が頭を抱えることになります。
ここで重要なのは、設計書や指示通りにやることは大事だけれども、それだけでは足りないということです。どの役割でも、「これで本当に大丈夫か?」と自問し、完成品の姿を想像しながら作業を進めることが求められます。もし疑問があれば、その場で立ち止まり、進言や確認を行うべきです。これによって、完成度の高い製品を生み出す一歩と、プロジェクトを成功に導くカギとなります。
ただし、ここで一つの矛盾が生じます。主体性を持って働くことが求められる一方で、昨今の働き方改革やワークライフバランスの推進により、「あまり頑張りすぎないように」という風潮もあります。適度にサボることや効率を重視することも大切だと言われています。体調を崩してしまっては、もともこもないですからね。
それで、私は自問自答するのです。そんなことを思ってるならとりあえず、他人に求めず「自分は主体的に頑張ればいんじゃない?」と。自分自身にだけは、主体的に考え、行動することを求めたいと。これは、自己満足のようなものかもしれません。もしくは、「職業病」かもしれません。でも、最終的にその主体性がプロジェクトの成功を左右するのではないかと思っていてるのですが、勝手に思ってるだけで実は大した影響もないのかもしれないです。
確かに、すべてのプロジェクトで「完璧」を追求するのは現実的ではありませんし、むしろ「完璧主義は敵」だと言う人もいます。ですが、せめて自分の担当する部分には誇りを持ち、自分なりのベストを尽くしたいと考えます。そしてその結果として、「このプロジェクトでの自分の役割を果たした!」と胸を張れる日が来ることを信じて、今日もキーボードを叩き続けるのです。
最後に、私の経験から言えることを一つだけ。設計書通りに、言われた通りにやることは大切です。しかし、それだけでは「ただの作業者」で終わってしまいます。それも重要な仕事ですが、もし「プロの仕事人」として生きるならば、そこにやった方が良い自分なりの工夫や提案を加えることで、単なる作業を「価値のある仕事」に変えていくべきだと思います。とはいえ、適度にサボることも大事ですけどね!
どこかで、エンジニアの価値を少しでもベースアップする手助けが出来てれば幸いです。