働いている世のエンジニアの手助けになることを願う独り言

AIとエンジニアリング:進化、効率化、そしてその先にあるもの

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近年のAI技術の進化は目を見張るものがあり、私自身もITエンジニアとしてその恩恵を実感しています。開発速度は間違いなく向上し、業務効率化も大いに進展しました。コードの自動生成、エラーチェック、さらにはバグの修正までもAIが行ってくれるようになり、開発プロセスの大部分が自動化されています。GitHub CopilotやCodeGPTなどのツールは、特に反復的な作業や、これまで時間を要していたタスクを短縮し、エンジニアが創造的な部分に集中できる環境を作り上げているのです。

それだけではありません。エンジニア以外の業務においても、文章作成や翻訳といった分野でAIの進化が見て取れます。これまで翻訳作業に時間がかかっていた文書も、AIによって一瞬で処理され、複雑なニュアンスも驚くほど正確に再現されます。

でも、それだけ?他の分野はどうだろう?

このようにAIがエンジニアやデスクワーカーにとっての救世主となっていることは確かです。しかし、ふと立ち止まって考えると、これ以外でのAIの恩恵については、あまり話題に上がっていないことに気が付きました。私自身も、AIがもっと多くの分野で劇的な変化をもたらしているのではないかと期待していましたが、少なくとも日常生活で見る限り、エンジニアリングや文章作成の分野以外では、そこまでのインパクトは感じていません。

ただ、エンジニアやデスクワークに携わる人々以外にも、AIの進化がどこかで恩恵をもたらしているのではないかと思うことがあります。例えば、物流や製造業、さらには医療現場などでは、AIが作業効率を飛躍的に高める可能性があります。実際、無人配送ロボットや、病院での患者データの分析にAIが導入されていることもあります。これらはドラスティックな変化ではありますが、今のところその恩恵が日常的に広がっている実感はあまり感じません。

AIの限界とその先の未来

最終的には、どんなにAIが進化しても、人間が動かす部分、そして人間の感情や思いやり、さらには微妙なニュアンスの読み取りなどは、今のAIではまだ難しい部分です。たとえば、現場で働く人々、いわゆるエッセンシャルワーカーの仕事には、どうしても「察し」が必要です。顧客の表情や声のトーンからその意図を読み取ったり、予期せぬトラブルに柔軟に対応するための「人間らしい判断」が求められます。AIには、感情やその場の空気を読む能力がまだ欠けていますし、それが当分の間解決されることはないでしょう。

また、私がAIに期待しているのは、単なる作業効率化だけではなく、「人間らしい判断」を支える何かです。たとえば、AIがストレスを感じる上司の感情を読み取って、適切なタイミングでアドバイスをくれる未来などを期待してしまいます。「AIがボスの機嫌を予測してくれる機能があったら、私の出社日がもっと楽になるのに」と思ったこともありますが、実際それが実現する日は来るのでしょうか?(少なくとも現時点では私たちが察しながらやっていますし、昨今、機嫌を察しないといけない上司自体がどうなんだろうって話しもありますが...)

最後に

AIの進化は確かに目覚ましいですが、その進化が全ての分野に劇的な変化をもたらしているわけではありません。エンジニアやデスクワーカーにとっては、すでに革命的なツールとなっていますが、エッセンシャルワーカーやその他の現場仕事においては、まだまだこれからです。AIは、今後も進化し続けるでしょうが、その進化が人間の感情や察しを超えていくには、まだ時間がかかるかもしれません。それでも、どこかで「AIが上司の機嫌を察してくれる日」(というより「誰かの機嫌を察しなくてもよい日」)が来ることを期待しています。

どこかで、エンジニアの価値を少しでもベースアップする手助けが出来てれば幸いです。

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