管理職エンジニアの日常:管理とプレイヤーの両立術
最近聞いた、あるIT企業で働く中間管理職のベテランエンジニアの日常を、私の想像で少し脚色してお話します。
このエンジニアは管理職としてチームを率いながらも、自らも開発業務に携わっている。そんな彼の日常は、まさに管理と開発の間で揺れ動く毎日です。
朝、オフィスに着いた彼はまずチームの進捗確認から始める。新米エンジニアたちがコードのバグに頭を抱えている姿を見て、「説明するよりも自分でやった方が早い」と思う瞬間が訪れる。しかし、彼は「自分でやってしまったら彼らが育たない」とも分かっている。この葛藤は、まるで料理を任せる親が、結局手を出してしまうのと同じだ。
会議室では、新しいプロジェクトの計画を立てる。頭の中では「この部分はA君に任せよう」「Bさんにはこのタスクを」と割り振りを考えているが、いざ説明する段になると、「自分でやった方が早い」モードが発動する。結局、ホワイトボードに描いた計画図が彼の手で次々と赤ペンで修正される。後輩たちはまるで練習試合でベテランに指導を受ける新人選手のように、彼の指示を真剣に書き留めるが、内心では「自分でやりたい!」という思いを抱えている。
ランチタイムには同僚とエンジニアリングの話で盛り上がる。「最近の技術トレンドはどうだ」とか、「このフレームワーク使ったことある?」とか。ここでふと、彼は管理職としての自分を思い出す。「ああ、そうだ、今日は後輩たちにもっと任せるようにしなきゃ」と決意するが、午後になると、またしても自ら手を動かしてしまう。まるで、書類整理を始めたら、いつの間にか新しいプロジェクトのコードを書き始めてしまうようなものだ。
夕方になると、プロジェクトの進捗報告をまとめ、上司に提出する。進捗状況を眺めつつ、ここでまた「自分でやった方が早い」と思ってしまうが、同時に「でも、これでは後輩が育たない」と反省する。だから、報告書を作成する際も、後輩たちに意見を聞きながら進めるように努める。しかし、ついつい自分で修正してしまい、後輩たちには「結局、行き詰った時にはやってくれるから助かります」とそれが当たり前化してしまってる。まるで、子供に宿題を手伝ってもらっている親が、結局自分で答えを書いてしまうかのようだ。
結局、エンジニアの管理職としての役割とプレイヤーとしての欲求との間で揺れ動く日々が続く。自分の成長とチームの成長を両立させるためには、このバランスを上手く取る必要があると彼は頭では理解している。だから、今日もまた「管理職って何だろう?」と自問自答しながら、自己成長を図っている。
そんな日々を送りながら、エンジニアの中間管理職として少しずつでも成長していければと願いつつ、同じような悩みを持つエンジニアたちも、きっと日々奮闘していることだと思う。
そして私自身も成長出来てるのかと自問自答しながら、共にこの揺れ動く日常を、より良いエンジニアリングライフを追求していきましょう。
どこかで、エンジニアの価値を少しでもベースアップする手助けが出来てれば幸いです。