エンジニアの独立を考えてみる(1) ~超小規模で安定した高収入を得るためには~
過去に10名くらいのガラケーのアプリ開発会社を立ち上げ、社員全員の給与を倍に伸ばしたり、今は今で独立して小規模会社を経営して、それなりに成功しています。
今回から何回かに分けてその経験から感じていることを書いていきたいと思います。
サラリーマン時代に会社が売り上げている金額と自分の給与の差について、「なんとかならんのかい」と思うエンジニアの方は少なくないのではないでしょうか?
営業マンが受注してくる売上金額が仮に一億円でも、営業マンがその一億円の対価を作っているわけではないですよね。 ただ、1億円の開発案件受注の大半はプログラマが生産しています。1億円のソフト開発で100人月とした場合、 人月単価100万円で1年働いたら1200万円なのに、自身の収入は500万円だったりします。 もちろん、差額の700万円は会社が暴利をむさぼっているわけではなく、他の方の給与や会社の経営に使われていきます。
でも独立して、一人で80万円くらいの単価で持ち帰りをして、複数案件を同時にこなしたら、年収で2千万円くらいにはなるな。と感じている人もいます。
実際にそれは事実で、一人プログラマでかなり儲けている人も実在します。
ただ、それが業界の主流にならないのは、なかなか実現したり、続けることが難しいからです。
そして、一人で独立するとどうしても収入が安定しないため、社員を増やそうとすると、オフィス代が発生したり、営業業務(開発稼働の減少につながる非生産必要業務)が出てくるため、利益が一気に減ります。それでも収入を上げるためや、やりたいことのために社員を増やしたりしますが、社員が100名くらいならないと、なかなか儲かりませんし、安定しません。社員100名くらいだと、社長のコネだけでは営業が回らなくなってくるので、営業スタッフが競合と争って受注しなければならないのですが、微妙な企業体力と微妙なブランド力であるため、厳しい戦いをしたりします。優秀な社員を雇用するために採用単価を上げたりすると生え抜きの社員が面白くなくなり、やめていったりします。そこで生え抜き社員の給与を上げると会社の利益が減少します。そんな感じでここに書ききれないほどのジレンマが発生したりします。
そこで、このコラムでは、私が考える理想的なエンジニアの小規模独立について書きます。もしかしたらその続編として、小規模会社を従業員100名くらいでビジネス的にイケている会社の作り方を書くかもしれません。(私の本業はビジネスコンサルです)
さて、本題です。様々な中小開発会社の社長に聞くと 従業員10-50名が一番きついという回答を多く聞きます。一人や精鋭数名で回している会社の時が一番儲かったという人も多いです。そういう回答をする社長は腕に覚えがあって、社交的で、営業もそこそこできる人というプロファイルです。その仲間も昔からの友人で、腕に覚えがあるもの同志で組んで独立する感じです。 20代30代の頃は、肉体的に若いので、バンバン働いてお金を稼ぎます。お客様にも恵まれ、順調なビジネスを展開する人も多いと思います。
ただ、30代後半あたりから「俺たち60歳になってもプログラマで食べていけるのだろうか」「いろいろリスクを考えると、若手を採用したほうがいいよね」となり、会社を組織化して拡大していくことを考えます。
しかし本当にその方向でよいのでしょうか?
まずは、一人や数名の小規模会社で安定した高収入を継続するための方法を紹介していきたいと思います。 この続きは次回とします。
(毎回1200文字程度で書き、毎週月曜日に公開していくつもりです)
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