吉政創成 代表取締役、PHP試験、Rails試験ビジネスOSSコンソーシアム・ジャパン主宰

40歳過ぎで転職経験0回、将来を考えて転職するべきか

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転職って本当に難しいです。以前、「最低3年は会社にいなさいと言われ、3年毎に転職して行ったら40歳になったらオファーが無くなった件」と言うタイトルで書いて、他のブログの分も合わせると10万人以上の方に読んでいただき、様々なご意見を頂きました。

その中で「40歳を過ぎて転職経験0回と言うのも、逆に厳しい」と言うコメントがありました。実際に40歳前後で、転職経験0回の方々から転職経験が豊富な私に相談を頂くことが割とあるので、自分の意見を書いてみることにしました。

転職は難しく、どんな状況でも一発逆転的なこともまれに起こりうるので、あくまで個人的な一般論として聞いてください。現在の環境にも依存しますので、私が書くことが読者の皆様にとって正しいかも、今後どのような影響を与えるかもわかりません。自己責任で理解し参考ください。

40歳を過ぎて転職経験0回というのは日本の企業では割とある話です。大手企業になればなるほど日本の企業では転職組のほうが少数で、生え抜きの人材で構成されています。その人は今後に備えて転職するべきかー。

私の考え方は、50歳半ばで自分の意識に反して会社を辞めなければならない状況になるかどうかで考えるべきと思います。減俸や降格は我慢できても、無給は我慢できません。それが理由です。半ば強制的な早期退職プログラムがあったり、首を切った経験がある会社は要注意です。景気が厳しくなれば、かなりの確率で実行する可能性があるからです。そういう会社なのです。そういう会社は、早めにリスクを処理するので、会社としては長生きできるかもしれません。でも、50歳半ばで首を切られては従業員も相当苦労するはずです。場合によっては業界を去ってどこかでアルバイトをしなければならない人も出てくると思います。そうなれば、子供の学校進学や夫婦の安心した老後もなくなるかもしれません。そうならないためにも今まで働いてきた従業員を大切にする会社かどうかを見極める必要があります。見極めるためのポイントは以下だと思います。

1.創業から20年以上経過している会社である

2.過去にリストラを行った経験が会社としてない

3.まじめに働いている従業員がまっとうに定年している

上記に当てはまっていない会社がブラックだということではないです。上記に当てはまっていない会社でもいい会社は沢山あります。ただ、上記に当てはまっている会社で働いている人は、素晴らしい会社に働いていると思います。日本にはこういう会社が多いです。上記に当てはまる会社は超大手か、安定企業かのどちらかだと思います。

もし上記のような会社で働いていて、40オーバーで転職を考えている人がいるのでしたら、よく考えたほうがいいです。転職して50歳を超えて解雇されたら相当厳しくなる可能性があるのです。ボジションの枠が減り、IT業界の経営者の若年化が進む中で、50歳オーバーの再雇用は厳しいです。はっきり言えば、その人の状況はわかりませんが、転職せずにそのまま働き上げたほうがいいでしょう。唯一転職してもよいと思える場合は、前述の条件をすべてクリアして、年収、ポジション、企業体力全てが向上する場合のみです。

もちろん、そのまま働くことで、身体を壊してしまうこともあるかもしれません。緊急事態な状況もあるので、場合によっては転職したほうがいいかもしれません。ただ、今の状況が悪くないのに「最後に一花咲かせたい」や「もっと稼ぎたい」というのは贅沢のためにリスクを負うことのように思えるのです。FacebookなどのSNSにより、いろいろな方の生活の切れ端を見ることができるようになりました。それによって、「あいつ稼いでるじゃん。俺ももっと稼ぎたい。」と思う人もできていると思います。でも、私は思うのです。

もし、「最後に一花咲かせたい」と考えている方は、定年後に独立して成功する準備を今から行って、万全の体制で定年後に独立してはいかがでしょうか?今、40歳なら20年の準備期間で、今50才なら10年間の準備期間があります。準備期間としては十分です。かくいう私も独立までの準備期間に10年かけています。(準備期間がしっかりしているととてもいいです。私の場合はたまたま準備していただけですけど)

もし、「今より収入を向上させたい」と考えている方は、副業を強化していけばよいのではないでしょうか。今は認めていない会社もそのうち必ず認めるようになっていくと思います。そうでないと、経営上の数値と会社の経営ポリシーが合わなくなってくるはずですから。定年後に嘱託として働く場合はほぼ、副業を認めているはずです。

一番のお勧めは、副業をサラリーマン時代から行い、定年後の起業の準備を行うことです。定年後に1社勤め上げの信頼と副業での実績を盾に起業するのがベストだと思います。

ちなみに、私がお世話になっている人が前述のような安定した会社で働いているのに、転職したいと言ってきたら、ほぼ100%止めますね。特に、外資系(首が普通にあります)や最近調子が良いベンチャー企業への転職(ぽっと出の会社は、すぐに消えていく可能性が高いです。ビジネスはそういうものです。時間をかけて成長してきた会社は、いきなり大きくへこむことはないです。)は、何が何でも止めます。転職後の良い時期は2,3年でその後、結構厳しい状況になる可能性がわりと高いからです。

以前の私のコラム「最低3年は会社にいなさいと言われ、3年毎に転職して行ったら40歳になったらオファーが無くなった件」に、業界でも大変有名な方がコメントしていましたが「チャレンジするなら35歳まで」とのことでした。私もそう思います。40歳を超えてチャレンジしたいと思う方は、よほどの覚悟が必要だと思います。独身だったらそれもあるような気もしないでもないですが、家族がいらっしゃるのでしたら、やめたほうが良いと思います。

人の人生は人のものであり、私は全く責任が持てません。ただ、一つの意見としてご参考ください。人生はどうなるかわかりません。自分の人生に責任を持てるのは自分とせいぜい家族くらいです。ただ、私は社会人になり20年以上が経過し、名刺交換した人の数は1万2千人以上となり、様々な方と接してきて、このように思うようになりました。私の父親は1社を勤め上げた立派な父親だと思います。うちの親父は定年後に会社を興し、勤め上げた会社の信頼とノウハウで働いています。毎年、お金を稼いでは、海外に夫婦旅行に行っています。素晴らしいです。これは一つの成功パターンです。今、40歳オーバーで転職経験0の方は、その会社を大切にして、多くの社員とその家族が生きているその組織がいつまでも続くように努力をするべきと思います。その上で、新しいチャレンジはその組織か、定年後で行うべきと思います。

最後に定年後に起業する方に大きなアドバイスを。サラリーマンで働いているとサラリーマン同士の付き合いがほとんどになります。そうすると、サラリーマン頭になっていきます。その状態で定年後に起業してもほぼ失敗するように思えます。やはり起業している人との交流も増やし、定年後の起業のための起業家頭を作っていく必要があります。その起業家の人たちの会話は成功するヒントの塊のはずです。会社は生き残るためのノウハウの集合体です。大きな会社にいると、起業時のノウハウを知っている人がいなくなっていたり、部分的な仕事しかしないので部分的なノウハウの取得になりがちです。そのノウハウに気が付いていないサラリーマンの方が多いです。一方一人で起業している人のノウハウはその一人が全てのノウハウを持っているので、その人の意見というか生き方と言うか考え方も参考にして良いかもしれません。

追伸:一人で独立している人って私ですねw(実際はお手伝いさんを入れると4名体制ですけど)私はどんな生活をしているかと言うと、、、以下のFacebookアカウントを見てください。

https://www.facebook.com/tadashi.yoshimasa

※面識のない人からのお友達申請は原則NGです。申請されるときはメッセージもお願いします。ほぼ100%情報公開しているので、フォローするだけで全部見えます。

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