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「監修役」って大事だよなぁ。

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 先日放送されていた「ほこ×たて」のセキュリティ対決。見ていた人、結構多かったのではないでしょうか。かく言う僕も、期待しながら見ていた人の一人であります。

 しかし、「なんなんだこの展開……。セキュリティ破られてるじゃん。」と、放送を見ていて残念に思った一人です。

 その後、Twitterや、防御側のネットエージェントさんのブログを見て「攻守共にちゃんとやっていたんだな。むしろ問題は編集の方なのかもしれないな。」と、多くのITエンジニアと同じように残念に思った一人です。

 「あれは編集が悪いんだ!」と言うのは、簡単なことでしょう。 しかし、システムの作り手としては、僕らも同じような過ちを犯すケースがあることを思うと、なんだか単純に批判をできないのではないかと思うのです。

■あの企画に「監修役」はいたのだろうか?

 「ほこ×たて」の放送内容を一人思案して思ったことは、「この企画にセキュリティの知識を持っている人が「監修役」と参加していたのだろうか」ということでした。

 「きちんとした知識のある人が『監修役』として参加していたら、ああいう見せ方はしていなかったのではないか」「監修役が入れば、セキュリティの専門用語も誤解なく一般の人にわかりやすく伝えることができたのではないか」「セキュリティの企画の前にやっていた電動アシスト自転車の企画のように、3つのステージの説明ができたのではないか」「料理の鉄人のような、解説付きのコンテンツにできたのではないか」「演出の仕方を変えるだけで、セキュリティの啓蒙にもなるし、エンターテイメントとして楽しめる企画になったのではないか」。そんなことを考えてる中で、僕は「これってエンジニアの仕事にも言えることなんじゃないの?」と思ったのです。

■「監修役」が不在だと……

 システム開発が失敗すること。失敗の定義にもよりますが、かなり多いですよね。「システム開発が成功した割合なんて3割しかないんだ」なんて話も耳にしたことがあるくらいです。

 そうしたシステム開発の失敗理由もさまざまあるでしょう。チームのスキル不足とか、タイトすぎるスケジュールとか。 こうした失敗理由の中の一つとして

 「監修役がいなかった」

 というのもあると思うのです。「監修役」……分かりづらいですね。言い方を変えます。

 「ドメインエキスパートがいなかった」

 あるいは、

 「業務の専門家が関わっていなかった」

 これでどうでしょうか。思い当たる節のある方、きっといることと思います。

 例えば、生産管理のシステムを構築するという話があったとします。しかし、社内には生産管理のシステムを手がけたことがある人がいない…… 小さな会社であれば、ありえない話ではないでしょう。「経験はないけど請け負う」なんてことも、きっとどこかであることでしょう。

 生産管理システムの開発を始めました。チームメンバーは、いろんな本を頼りに業務知識を蓄えて開発に臨みます。しかし、顧客は開発会社に丸投げの姿勢。もう、嫌な予感しかしてこないでしょう。でも、これに近いケースってまったくないわけじゃないと思うのです。それこそ、裁判沙汰になったようなプロジェクトとか……。

 そう考えたとき、僕は「あの放送内容を単純に批判することはできないな」と感じたのです。

■「監修役」のいる世界

 大事なことは、

  • 「分からない」ものを「分からない」まま進めるのではなく、知ってる人に聞く。
  • 試しに観てくれる人を探す。試しにシステムを触ってくれる人を探す。

 ということだと思っています。

 直接かかわる人でなくてもいい。その周りの人とか、違う部署の人とか、友達とか。専門家でなくとも、率直な意見を聞けるひとがいるだけで、作ったものはより良くなっていくように思います。もちろん、専門家がいるともっと良くなっていくことでしょう。

 SIという仕事で言ってみます。ASPのシステムならポンと使ってもらうだけですが、それ以外だと、何かしらのカスタマイズを行ったパッケージを使ったり、ときにはフルスクラッチで開発して、お客さまの要望に合わせます。そうしたお客さまの要望に合わせるところにこそ、お客さまには専門家としてしっかり関わってほしいなと思います。現状や将来の方向性を一番分かっているのはお客さまなのですから。

 そして僕らは、そうしたお客さまの望む方向に進むために、プロとして、ITという手段で支える…… こんな関係ができたとき、僕らにとってはお客さまが「監修役」、お客さまにとっては僕らが「監修役」になって、お互いに高みを目指していけるのでしょう。

 「ほこ×たて」のあの対決ではセキュリティの先生が予想屋として出演されてました。あの方がもし「監修役」をやっていたら面白いコンテンツになりえたかもしれません。

 同じように、先ほどの生産管理のシステムの例でも、会社じゃないところで工場勤めのひとがいて少しでも話を聞けたら、ちょっとはいいシステムになるのかもしれません。

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