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英語弱者が全編英語カンファレンスのレポートに挑んでみた

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 10月20日に行われた楽天テクノロジーカンファレンス2012に参加をしてきました。

 このイベント、楽天が英語化を進めていることもあって、今年は全編英語で講演を行うというチャレンジングな試みをされています。「面白そうだなぁ。でも英語かぁ。自分には苦しいなぁ。」と思っていた折、マナスリンクの野口さんに声をかけていただき、カンファレンスのレポートを書かせていただく機会をいただきました。

 今回は、日本国内なのに全編英語で行われた異色のカンファレンスに、英語弱者がレポートを執筆するまでの話を書いてみたいと思います。

当初は全編英語なんて知らなかった

 このレポートを書くというお話をいただいたのは、XP祭り2012というイベントの懇親会の席上でした。当初お話をいただいたときは、全編英語でやるということ知りませんでした。「英語なのは主要なセッションだけなんだろうなぁ」と勝手に思い込んで、「いいですよ!」と気楽な気持ちで引き受けました。ですが、他のレポーターの方とお話をするうちに全編英語で行われることに気付きました。

 「英語弱者な自分に、全編英語カンファレンスのレポートなんてできるのだろうか」とすごく不安になりました。ですが、英語弱者な自分でも、一時期英語ができていた時期がありました。大学時代のある時期に、英語の授業を週数コマとっており、その間だけは英語に浸かりきっていたため普通に英語が使えていたのです。あのときと同じように、1カ月英語に浸かりきればなんとかなるだろう。そう考え、1カ月英語に浸かりきるべく行動を開始しました。

とにかく英語に耳を慣らした

 この1カ月間でやったのは、

  • iPhone、Macの言語設定を英語にした  
  • 英語ニュースのPodcastやTEDの動画を毎日聞くようにしていた  
  • Skype英会話の体験セッションを受けた

 といったことでした。

 なかでも効果的だったのは「Voice of America」という英語ニュースサイトの「Special English」というPodcastでした。このPodcastは

「英語を母語としない人々に向け、平易な語彙と文法を用いた上で、通常の3分の2の速さでアナウンサーが語る」(Wikipediaより転載)

 というものです。

 久しく英語に触れていなかった自分にとって、ネイティブの英語は聞き取れる状態ではありませんでした。ですが、「このPodcastのスピードなら聞き取れる!」という感じでしたので、まずはこのPodcastを毎日聞くようにしていました。

 そうやって2週間ほどが経った後、Voice of Americaと平行してBBCのPodcastを聞きはじめます。こちらも、しばらくしてところどころ理解できるようになりました。

 また、Skype英会話の体験セッションを受けたのも、刺激になりました。2回受講したのですが、1回目は思いどおりにしゃべれず。しかし、2回目ではなんとかしゃべれる状態になりました。大学時代に英語に浸かりきっていた際に、スピーキングをやっていたおかげなのでしょうか。昔の感覚がちょっと戻りました。

 一方、Skype英会話をやってみたことで気付いたこともありました。ボキャブラリが圧倒的に不足しているのです。ここが、今の自分にとってのボトルネックとなってるのだと気付きました。

全編英語のカンファレンスに挑む

 そうして1カ月英語に浸かって挑んだ楽天テクノロジーカンファレンス。前日夜遅くまで作業をしていたせいで、大事な日なのに思いっきり朝寝坊をやらかしてしまうありさまで当日を迎えました。そんな形になってしまい、泣きたくなる気持ちで電車に乗って向かっていく途中、楽天の三木谷会長の基調講演をUStreamで聞いていました。するとどうでしょう。三木谷会長の英語が理解できるのです。もちろん分からない単語も出てきます。しかし、話の筋は分かる。「これならレポートできる!」という手応えを感じ、会場である楽天タワーに向かいました。

 しかし、英語の壁は高いものです。楽天タワーに到着し聴講したJeff Patton氏の講演がまったく理解できなかったのです。ネイティブの英語を理解するまでのハードルの高さをあらためて痛感しました。

 一方、そのあとで聴講した楽天トラベルの渡辺さん、NRI Americaの中村さんの講演はなんとか話の筋が理解できました。さすがに全編英語の内容を翌日に書き起こす自身はなく、当日一気に原稿を起こしました。

 結局のところ、日本人英語なら理解できるが、ネイティブ英語は理解できない。それが、僕がこの1カ月で到達した英語力でした。

海外カンファレンスに挑戦するためにやるべきこと

 「いつかAgile Conferenceのような海外カンファレンスに行ってみたい」――XP祭り2010でITコミュニティに触れて以来、ずっと胸に抱いていることの一つであります。一方、これまで何度か海外スピーカーの講演に触れる機会があったものの、英語では理解できないし、ましてや懇親会で楽しくおしゃべりするなんて夢のまた夢。そう思ってきました。

 ですが、今回楽天テクノロジーカンファレンスのレポートに挑むなかで、やるべきことが見えてきました。

 1つ目はボキャブラリを増やすこと。Skype英会話を受けるなかで、ボキャブラリさえ増えれば、英語を聞いて話せるようになるだろうという実感がわきました。

 2つ目はネイティブの英語に触れる時間をつくること。日本人英語はもとより、第二外国語が英語となっている方の英語とネイティブの英語は、明らかに違うのだと知りました。

 まずはSkype英会話などで英語に慣れ、その後ネイティブの英語に触れるようにする。その先に、海外スピーカーと懇親会でおしゃべりし、いつかは海外カンファレンスを楽しめるようになるのだろうと感じました。

 海外カンファレンスに挑戦するまでの道を見付けられた今回の楽天テクノロジーカンファレンスレポーター体験。お話をいただいたマナスリンクの野口さん、北村さんにあらためて感謝を申し上げます。

 ちなみに書いた記事はこちら。ぜひ読んでいただければと思います。

楽天トラベルを支える10%Rule 〜あの日の熱気を取り戻せ! – 楽天TC2012 レポート(8)
壁を壊せ! 〜組織の「仕方ない」文化を打破するためのプラクティス – 楽天TC2012 レポート(9)
インクリメンタルな組織変革 〜楽天テクノロジーカンファレンスで感じた組織変革のあり方 – 楽天TC2012 レポート(10)

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