娘ができて気付いたワークライフバランス
昨年の7月。
周囲から揃って「パパ似」と言われる娘を授かってから、私の生活は一変しました。
私たちの業界もエンジニアの皆さまに負けず劣らずの残業量。ITエンジニア担当だからということではありませんが、平均して80時間以上、月によっては100時間を超えることも珍しくありませんでした。
娘が大きくなるにつれて、残業ばかりで娘に会えない生活にちょっとした空しさを感じるようになってきました。
もちろん、そばにいる時間が長くなっても何か特別なことをしてあげられる訳でもなく、おむつを替えたり、一緒に遊んだり、お風呂に入れたり、食器を洗ったり(これはママ指令)するくらいしかできません。ママや娘の笑う顔を見ていると、とてもハッピーな気持ちになり、仕事も頑張ろうと思えるようになりました。
そしてついに決意。7月、娘の誕生日にあわせてママが復職するタイミングで、保育園へのお迎えを私が担当することになりました! ……って、これもはたから見れば大したことではないのですが、それまで帰宅が22時、23時は当たり前という毎日だっただけに、20時過ぎには会社を出なくてはいけない生活への変化を決心するまでには相当な葛藤がありました。仕事に影響が出たらどうしよう……の一心。
でも、これがスタートしてみると意外に快調。きちんと成果をあげていれば、仕事の進め方にはある程度裁量が持てることも幸いでした。朝は一番で出社して20時まで、「期限」が決まっていることに集中して業務に取り組むことができ、かえって仕事の効率はぐっとアップしたと思います。
そして何より、これまで平日は寝顔しか見られなかった(いや、あまり近づくと娘が目を覚ますので寝顔を見ることすら我慢しており……)ところから、決して長い時間ではないものの、きちんと娘と触れ合える機会ができたことは、ますます仕事へのモチベーションのアップにつながりました。
スタートから1カ月ほど。まだまだいろいろと大変な苦労もやってくるかもしれません。でも、仕事一辺倒だった生活から、自分自身の新しい可能性を見出すことができた体験は、きっとこれからも貴重な気づきをたくさんたくさん与えてくれると思います。
職業がら、以前から「ワークライフバランス」という言葉はよく耳にしていましたが、娘との出会いを経てから、その言葉がより近く、より深い意味を持つようになりました。
ITエンジニアの皆さまの転職のお手伝いをする中で、このワークライフバランスについて考え、悩み、ときに苦しまれている場面に遭遇することが多くなったように感じています。
IT業界全体は労働時間も長く、職場環境が未整備な企業も少なくありません。それでも、ITエンジニアとしてさらなるキャリアアップを目指しながら、大切な人生を仕事だけで染めてしまわないよう、さまざまなアイデアを実践している方もたくさんいらっしゃいます。
今回、このコラムを通じて、そうしたワークライフバランスを大切にしながら、エンジニアライフを満喫している先輩たちの活躍や、私が日々の仕事の中で見つけたワークライフバランスを大切にするヒントをご紹介できればと考えております。
仕事も生活もどちらも大切にしたいと頑張っているすべてのITエンジニアの皆さまに、少しでも勇気を与えられる場になれば、とてもハッピーだと思います。皆さまからも、たくさんのヒントをいただければもっとハッピーです。
くれぐれもご愛読のほど、よろしくお願いいたします!