今年もやってきた、あののどごし
2007年8月10日の「@IT自分戦略研究所 Weekly」に掲載したコラムを紹介します。また食い物の話か……。あ、彼(千葉大輔)がよく登場するのは、当時、@IT自分戦略研究所の編集者だったからです。現在は@IT MONOist編集部に在籍中。
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先日、実家から荷物が送られてきた。ここしばらく特に連絡を取っていなかったので心当たりがない。「何が送られてきたのだろうか」と持ってみると、妙に重い。「この重さ。以前も体感したような……」と若干いやな予感がしつつ、小さめの箱を開けてみると、そこにはぎっしり詰められたそうめんが……。
「ああ、そういえばそんな季節でしたよね」。誰に確認するつもりなのか分からないが、敬語でそっとつぶやいた。今年の4月くらいに、ようやく去年分のそうめんをすべて胃に納めることができたと思ったのに……。「もう、この袋は見飽きたよ」。また声が出た。
頭の中は「さて、どうやってこれを食べようか」ということでいっぱいだ。何しろ、ここ2年くらいコンスタントにそうめんを食べているので、もう調理法のアイデアがない。また、最近は忙しいので、あまり手の込んだ料理法を選択したくない。いまの僕にとってはそうめんを「ゆでる」ことで精いっぱいだ。
薬味のねぎを切りながら、「しまった。手持ちの薬味はしょうがとごまくらいしかない。明日はスーパーで梅干しとか薬味になりそうなものを買ってくるか」と、また誰に聞かせるわけでもないのに1人つぶやく。
食事を終えた後、台所の戸棚を開け、送られてきたそうめんを積み上げる。その横に同じように積み上げられた「非常用(給料日前で家計が厳寒時用)」のスパゲッティ(3カ月くらい前に買い込んだ)が、うらめしそうにこちらをにらむのだった。
(@IT MONOist 編集部 千葉大輔)