最後は慎重さが大切
2006年10月27日の「@IT自分戦略研究所 Weekly」に掲載したコラムを紹介します。時に慎重に、時に大胆に……。会社選びは恋愛に似ていますね。
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私は今年(編注:2006年)9月にアイティメディアに転職し、@IT編集部に配属されました。転職は今回が初めてではありません。過去を振り返ってみると、いろいろと大変な時期もありました。
特に印象に残った1社前のお話です。私は携帯電話のコンテンツの企画から立ち上げ、運営までを行っている会社に転職しました。もともとWebサイトの企画や運営に興味があり、入社するときに「自分のあこがれの仕事ができる!」とウキウキしたことをよく覚えています。
しかし入社した後、「実は別のビジネス(なぜかレストランの立ち上げ)もやっているんだよ、君にはそっちを手伝ってもらいたい」と……。「いくら何でも方向違い過ぎるだろ! そんな話、聞いてないよ~」と不信感や後悔を抱くとともに、「転職は難しい」と痛感しました(数カ月後、その会社を辞める決意を固めました)。
何が失敗だったのか。やはり数回の面接だけで「自分を売り込み」、かつ「実際どんな会社なのか?」を見抜かなければならないなんて難し過ぎる。そう私は思います。
特に後者は難しい。「どんな会社か見抜く」には、ある程度「運」次第なところがあると思います。多くの社員の方と話せば分かることかもしれません。しかし、働きながら転職を考えている人にとって、足しげく希望の会社へ話を聞きに行くことは困難でしょう。
そうなると、限られた面接などで「いかに自分を売り込むか」が大切です(当たり前ではありますが)。私が転職活動で意識していたのは、「自分が会社を選んでやるっ!」という大きな気持ちで臨むこと。とはいえ実際は、焦りや不安で「自分を選んでもらいたい、何とか引っかからないかな」という気持ちになることがあります。
焦りや不安を感じる時期が一番危険だといま振り返って思います。気持ちがマイナスな時に良い話がくると、なんだか救われた気がします。詳しく話を聞いた方がよいのにもかかわらず、「つらい現状」から早く抜け出したい気持ちが勝り、慎重な行動ができなくなります。ここで焦って決断しようとするとあまり良い方向に行かないと私は経験上感じています。
転職活動を頑張っている方には、努力、体力、忍耐力だけでなく「慎重さ」も忘れずに活動に臨んでほしいと思います。
(@IT MONOist編集部 八木沢篤)