@IT自分戦略研究所 メールマガジン「@IT自分戦略研究所 Weekly」に載ったアイティメディア社員のコラムを紹介します。

ソフトウェアの契約更新と自動引き落としの恐怖

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 2005年9月14日の「@IT自分戦略研究所 Weekly」に掲載したコラムを紹介します。スパムメールの次は、ウイルス対策ソフト契約更新にまつわる怖い話。今でもあるんでしょうか……。

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 以前、このコラムで大量のスパムメールの話を書いたところ、@IT自分戦略研究所会議室にさまざまなアドバイスやスパムにまつわる面白ネタをいただきました。皆さん、どうもありがとうございました。今回はその第2弾で、ウイルス対策ソフトの購入にまつわるドタバタです。

 自宅で使っているPCには、1年前にネット上でクレジットカードを使って購入したウイルス対策ソフトが入っています。そのメーカーから電子メールが送られてきて、契約の更新を勧められました。いまやウイルス対策ソフトを入れずに電子メールを受信するのは、リアルなダチョウのぬいぐるみを着てライオンのおりに入っていくようなものですから、商売とはいえ契約更新を喚起してくれることは、利用者としてはまあ好意的に受け取るわけです。

 ところが、電子メールにあったURLで契約更新時に掛かる金額を確認しようとしたら、まだ決まっていないと書かれていて、しかもURLを見たことで購入意志を表明したと勝手に解釈されたのです。これにはあぜんとするばかりでした。価格も知らずにクレジットカードから引き落としされてたまるかと、電子メールでお客さまセンターへ問い合わせたところ、契約が残っている期間中にキャンセルの連絡をすれば、クレジットの課金は返却されるとのこと。それも何だかなと思いつつ、ついでに契約更新の価格を聞くと、想像をはるかに超えるものでした。一般のお店で販売されている同製品の2倍近かったのです。

 お店で売っているソフトは、CD-ROMはもちろんインストールガイドや簡単なマニュアルまで入ったもの、片や新たに追加されるものは何もないただの期間延長です。はじめはこのような事象が飲み込めず、きっと私の勘違いだろうと思っていたのですが、どう比較しても契約の自動更新の方が高いと分かり、世の中の矛盾と不条理について深く深く考えさせられることとなりました。

 購入の申し込みは24時間ネットでサクサクとできるのに、クレジットカードの自動引き落としを断るには、平日の9時から5時の間に60秒10円の通話料でカスタマーセンターへ何度も電話をかけ、何十分と待たされた揚げ句にやっと手続きが行えるという仕組みになっています。きっぱり断る勇気と平日の昼間に電話する時間の余裕がなければ、自動引き落としの連鎖を断ち切ることができないということです。

 ソフトを買いに行くのが面倒な人や、近くにお店がなく自動引き落としが便利な人、新たにソフトをインストールするのが嫌な人もきっといらっしゃるでしょうから、その会社のルールを非難するわけではありません。しかし、いったんユーザー登録させて取り込んでしまえば、あとは好き勝手ができてしまうという非現実的(と私は思うのですが)な販売戦略がこの業界で当たり前になりつつあるとすれば、怖くてネットでソフトの購入やユーザー登録なんかできたものではありません。

 皆さんは、このような経験はありませんか?

(営業本部 神嵜眞澄)

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