町工場から大企業、そして派遣社員も経験した現役派遣社員の壮絶体験

ホワイトな大手企業へ転職!その94 派遣会社へ採用!

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そして面接の日、再びスーツで会場へ向かう。部屋へ入るとなんかすごい頭の良さそうな人が待ち構えていた。前回のインチキババアとはまったく違うし、なんか偉そうなオーラがある人であった。一時間くらいいろいろとやりとりしたと思う。長ければ良いってものではないのだが、かなり詳細なことまで説明してくれた。その中に「出張があります」ということを聞かされた。製造一筋で出張などしたことなかった自分はそれを聞いて何故か嬉しくなった。技術者の仲間入りが出来る!こんなことをすでに頭に思い浮かべていたのだ。そして残業時間なども説明される、多い時とまったくない月もあるということであった。この時点ですでに私の頭の中はお花畑ですでに技術者になった気分でいたのだ。そして3日後、派遣会社から「採用させてもらいます」との電話。あっという間の仕事探しであった。

次の仕事ってこんなにも簡単に決まるもんなんだなって感じた再就職活動であった。すべて自分が思い描いていた通りに進んでしまったのでこのときは完全に天狗になっていたのかもしれない。しかし、再就職活動はこれで終わったわけではない。派遣会社には採用されたが、次に派遣会社の取引先での採用面接があるのだ。私が採用された派遣会社はそれなりに多くの派遣先を抱えていたので職場はそれなりにあったのだが、担当者から〇〇会社の面接を受けて欲しいと依頼された。この〇〇会社、一部上場企業であり地元ではかなり有名な企業だ。

そこで働いてもらいたいということで、この会社の面接を受けることになったのだ。、そして派遣会社の営業担当である武藤係長と事前打合せ。「ここはね、出張が多いんですよ。」これは私の中では想定内だったので「そうですか」くらいに流していた。「海外も多いです」と、今ではそんなこと言われると引いてしまうのだが、出張経験のない私からすれば出張は憧れであったし更に海外出張となれば一流のサラリーマンになった気分でいたのだ。「だいたい多いときは一か月以上海外に居ることもあります」と、それでも私はなんとも思わなかったというか、逆に海外に行けることが嬉しかったのだ。井の中の蛙、大海を知らず状態だったのだ。

そして面接の日。客先の杉課長、吉田係長が面接、そして私と武藤係長の4人である。まずは自己紹介、簡単な職歴を述べる。その後に杉課長から「うちは出張が多いんですよ」と、これは想定内でなんとも思わない。とにかく私は海外に行けるってだけしか考えてなかったから出張と聞いてウキウキしていたのだ。「家族の反対などもあったりして断ってしまう人も多くてですね」と客先の課長が言う。後で派遣の営業に聞いたのだが出張を経験している人は出張が多いと聞くと敬遠してしまうそうだ。だからこの時点で出張が多い、海外が多い、などと言われると、その場では大丈夫です。と強がるのだが、面接が終了すると「辞退します」と営業に言ってくるだそうだ。だから職安で12人中3名だけが採用と言っていたのがここへきて理解できた。

客先との面接で出張が多いことを聞いて辞退してしまうのだ。そんなに出張ってきついものなのかな?出張経験のない自分にとっては不思議で仕方なかった。そして三日後くらいだったかな。営業担当の武藤係長から「客先から是非採用していということですので」ってことで、めでたく採用が決まったのであった。再就職先が決まればあとは就業まで何もすることはない。有休とりまくりで遊び呆けていた。会社に行って一日中、休憩室でみんなとおしゃべりするのも楽しいんだけど、どうせなら残っている有休を全て使ったほうが未練もなくなるだろう。

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