町工場から大企業、そして派遣社員も経験した現役派遣社員の壮絶体験

ホワイトな大手企業へ転職!その95 最後の晩餐!!

»

いよいよ最後の晩餐の日がやってきた。今まで飲み会など一度も参加したこともない人たちも来ている。今日でほんとにお別れだ。みんな楽しそうだ。みんなのこんな穏やかな顔見たことなかったな。重荷が取れたというか、すっきりしたというか、そんな感じなんだろうね。そして、前にも書いたがずっと休んでいた宮島係長も参加していた。「いやぁ、一日に何度も温泉入ってさ〜 それで免許取れるんだから最高だったよ!」って。。なんだ?って思って聞いていたら、有休を利用してずっと大型免許の合宿コースに行ってたそうだ。そして場所が温泉街だということで講習が終われば温泉三昧の日々を過ごしていたそうだ。そうだったのか。。。大型免許取得の目的としてバスの運転手になるためだったそうだ。凄い!やはり出来る人は行動が早いよね。いつか俺たちが再就職して通勤するときに宮崎係長の運転するバスを使うかもしれませんよね!なんて笑い話で盛り上がった。

また、僕より4歳上の岩下先輩は声優になるために専門学校に通うらしい。そして僕より2歳下の内山君は整体師を志すということ。なんだかんだ言ってさ、みんなちゃんと計画立てていたんだよね。そんな話などで盛り上がったりして2時間の宴があっという間に終了。そして最後の出勤の日。みんな変わりなく終わりのチャイムが鳴ったらいつものように帰っていったのだった。14年間ありがとう。。。今思い出してもこの会社が一番良かったなって思うんだよね。

この会社を退職して数か月後の春、前にも書いたが春の祭りがいつも通り開催されたので見にいってみた。居るよ居るよ!懐かしい顔ぶれが。辞めた連中同士があっという間に集団となり輪になって酒やビール片手に同窓会状態になった。ほとんどの人たちが再就職していて、その職場の話とかで盛り上がる。給料が安いとか、通勤がきついとか、そして、再就職してもみんな続かないのだ。すぐに辞めてしまっているようだった。これは明らかに大企業病だ。何かというと大企業で週休二日、残業なし、定時間でピタリと帰れる習慣が身に付いてしまっているので残業とか、休日出勤などできないのだ。ある人は一日で辞めてしまったなんて話してるし、一緒に仕事をしていて親しかった先輩も「毎日7時まで残業やらされたから辞めちまったよ」って。。みんな長続きしないのだ。

大企業に居た人間が中小企業に転職するのは簡単だ。しかし、そこからが問題なんだよね。やはり「やっぱ、ここが一番良かったよな」ってみんな同意している。その後も、みんなとはメールなどで連絡を取り合っていたのだが「〇〇は三日で辞めたらしいぞ」とか「〇〇は一日で辞めた」とか、そんな話ばかりであった。話を戻すがこの祭りで俺に最終通告した現役管理職の人や顔見知りの現場リーダーたちにも会ったのだが、今の現状を聞いてみると、かなり給料が下がってしまったとのことだった。そして数年後、居残り組の3人は関西転勤か辞めるかの選択を迫られ、3人はすべて退職したということを聞いた。

そしてここの湘南工場は全て閉鎖となったのである。月に50億円以上の利益を出していた会社、建物は解体された。その解体をした中にかつてのここの従業員が解体会社の社員として居たのだ。皮肉だよね。跡地は今、クリエイトとなって賑わいを見せている。買い物客たちはここがかつて50億以上の売り上げを誇り、春と夏には大物有名人を招待して大規模な祭りが開催され、大賑わいを見せていた天下の〇〇会社なんて夢にも思わないだろう。。。

自転車で10分程度の場所にあった職場、定時で帰って18時前には風呂に入ってくつろいでいた生活、それで現在よりも全然高い給料貰っていた。今思うとほんとに贅沢な生活していたなって思う。こうして私のホワイトな大手企業の生活は終わったのだ。

PS:ホワイトな大手企業へ転職編はこれで終了とさせていただきます、閲覧してくださった皆様ありがとうございます。次回からは「修羅の派遣会社へ転職編!」を掲載させていただきます。引き続き「こんな会社に俺は居た!」をよろしくお願いいたします。

Comment(0)

コメント

コメントを投稿する